V章 Macで編集 その3
- その他の特殊効果 -
その他の特殊効果としては、次のようなものがあります。
モーション
各トラックの大きさ・向き・形を経時的に変化させたり、移動させたりする効果のことです。
映画エンディングの字幕スクロールは、タイトルトラックを縦にモーションさせたものです。また、ニュース番組のオープニング等でもおなじみの"モーショングラフィック"も、もちろん、モーション機能をフル活用した作品です。
iMovieにはモーション機能は搭載されていませんので、Final Cut Express/Pro等が必要です。
ムービーペイント(ロトスコーピング)
ビデオのフレームは、多くのピクセルから構成されているラスターデータですから、根気よく点描してゆくことで、ビデオに画を描くことも出来ます。例えば、「火を噴く剛速球」なんて画像も、炎を一コマ一コマを描けば作成できます。
こういった効果を、ムービーペイント、もしくはロトスコーピングといいます。
iMovieはもちろんFinal Cut Express/Proにも、ムービーペイント機能はありません。そこで、一フレームずつ静止画にして書き出して、Photoshopなどで描画して、ビデオに書き戻す、といった手間のかかるやりかたもできなくはありませんが、本格的に/楽にムービーペイントを行いたい場合には専用ソフトを利用します。
Adobe Photoshop CS4 Extendedの例
ムービーをPhotoshop CS4 Extendedで直接読み込むことができ、そのあとは、フレームをいつものPhotoshop同様の操作で、作業を行うことができます。
モーショントラッキング、手ブレ補正
被写体上の特定のポイントの動きを追跡するというのが、モーショントラッキングの基本形です。
例えば、走り去る4トントラックの荷台の四隅をトラッキングし、その四角形の内側の領域に画像合成することで、走り去るトラックの荷台を「広告」を掲載することができます。これらは、AfterEffectsのような本格的なソフトが必要です。
また、モーショントラッキングの応用として、手ブレ補正があります。
手ブレ補正:DTV用語では、スタビライズ(安定化の意)と呼びます。
手ブレがひどい映像の中に映っている被写体の ある特定ポイントを捕まえ動きを解析し、次にそのポイントが静止しているかのように処理する、というのが手ブレ補正の仕組みです。Final
Cut ProやAfterEffectsなど本格的なDTV編集ソフトにのみ搭載されていた手ブレ補正ですが、iMovie '09から搭載され、コンシューマ向DTV編集ソフトでも手ぶれ補正機能利用できる、良い時代になりました。
初心者こそ手ぶれさせやすいので、コンシューマ系ビデオ編集ソフトにこそ手ぶれ補正が必要、と逆に考えるべきなのでしょうが。
|