NAB2007にあわせて、アップルがFinal
Cut Studio 2を発表しました。6月下旬から発売予定。リテール版:148,000円、Final
Cut Studioからのアップグレード:58,000円、Final Cut Proからのアップグレード:78,000円。
● Final
Cut Pro 6:
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オープンフォーマット タイムライン:
複数のビデオフォーマット(SD/HD、Codec、NTSC/PAL等)とフレームレート(24/25/30)を1本のタイムラインで編集できる機能。
これまでも、異なるフォーマットのクリップをタイムラインに混在さすことは可能でしたが、今回のウリは、レンダリング不要で(RTプレビューで)ハンドリングできるようになったこと。
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Apple ProRes 422
非圧縮HDクオリティーの映像をSDのファイルサイズに、というふれこみのApple
ProRes 422。8/10bit depth, 4:2:2, VBRでHDビデオを圧縮するもよう。
2モードがあり、Apple ProRes 422は145Mbps、Apple ProRes 422(HQ)は220Mbpsの転送レート。
ちなみに、220Mbps=27.5MB/sなので、確かに非圧縮SD程度のファイルサイズではあります。
●LiveTypeは、"2"のまま。
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コンシューマ系Videoフォーマットへの対応状況:
HDVだけでなく、MPEG2-TS全般に対応した模様。一方、AVCHDへの対応は謳われていません。
● Motion
3:
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3Dマルチプレーン合成環境
Motionが、ようやく3Dに対応しました。まあ、AfterEffectsと比較すると、一番劣ってみえる機能でしたからねえ。3Dレイヤー、カメラとライト、3Dのモーションパス等、一通りそろっています。Appleテイストの使いやすさに期待したいところです。
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モーショントラッキング(ポイントトラッキングとマッチムーブ、映像のスタビライズとSmoothCam)
モーショントラッキング(モーショントレッキング(動きの追跡、といった意味))とは、動いてゆくオブジェクトを追う機能のこと。
例えば、「コンテナを積んだトラックが通り過ぎてゆく」といったビデオを素材にして、コンテナの四隅をトラッキングできると、その四隅内の四角の領域に別画像を合成することで、「広告が描かれたコンテナトラック」といったビデオ画像を作成できます。こんなのが、マッチムーブ。
また、モーショントラッキングの別の使い方としては、手ブレ画像の修正にも使えます。これが、映像のスタビライズとSmoothCam。
モーショントラッキング機能は、AfterEffectsではPro版にのみ搭載されているものなので、Motionがそこそこ使えるならお買い得ですね。オートトラッキングもできるようですが、果たして精度(=実用性)は??。
● Soundtrack
Pro 2
5.1chサラウンドミキシング機能
● Compressor
3:
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簡単にできるマルチフォーマット出力
Compressorは、Final
Cut Proなどで編集したムービーを受け取り、別のフォーマットのムービーファイル・ビデオデータへ書き出すソフトです。
バッチ処理といって、複数のムービーをまとめて処理することもできます。それぞれのムービーに対してプリセットを設定しておき、[実行]ボタンを押すと、あとは、自動でムービー書き出し処理がなされる、という仕組みです。さて、あらかじめプリセットを設定する際、現在のCompressor
2では、ひとつのムービーを複数のフォーマットに書き出す(1対多)ことができますが、逆に、複数のムービーに対して同じ設定で書き出す(多対1)はできません。ですから、処理したいムービーの数だけ、手動で設定しないといけません。
この点で、今回のCompressor 3では、多対多での設定ができるようになったようですね。
また、当然ですが、書き出せるフォーマットや、それに対応するプリセットの数が増えているようです。
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AutoClusterによる分散エンコード処理
Compressorのバッチ処理では、実際のエンコード処理を、複数のMacで分散処理することもできます。その際、Compressorに付属のApple
Qmasterというソフトが使われます。二つのソフトから構成されており、ネットワーク上に接続されたどのMacを分散処理に使用するか等を設定・管理するソフトApple
Qadministratorと、分散処理の状況をモニタするソフトApple Qmasterとが役割を担います。
CompressorとQmaster、Qadministratorに関しては、MacDTV.comの関連記事[ 2005.11.05 Video
iPod ]をご覧になってイメージ頂きたいのですが...、
段取りとしては、
(1) Qadministratorで、どのMacを分散処理に使用するかを、あらかじめ設定する。
(2) Compressorで、分散エンコーディングを実行すると、その進行状況がQmasterに捧持される。
といった流れです。
で、今回の「AutoClusterによる分散エンコード処理」なるもの、おそらく、Qmasterソフトを、ほとんど設定いらずで、より使いやすくしたものだと思われます。
● Cinema
Tools 4:
フィルムと24pビデオプロジェクト編集が可能
● Color:新登場
リアルタイム・カラーグレーディング。
旧Silicon
Color社の FinalTouchだと思われます。
MacDTV.comの関連記事[ 2006.10.17 Apple、Silicon
Color社を買収 ]
● DVD
Studio Pro 4(現バージョンのまま)
Blu-ray
Disc Video対応は間に合わなかったのでしょうか(なお、現DVD Studio Pro 4ではHD
DVD-Videoオーサリングにもすでに対応しています)。10月に延期されたMac OS X 10.5 Leopardと関連するのでしょうか。(Leopardに搭載されるであろうDRM(AACSやCOPP)とのかねあいか?!)
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