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WWDC2003で、PowerMac G5、次期Mac OS X 10.3 Pantherなどが発表されました。
PowerMac G5については、事前のうわさどおりになのであまり感激がありませんが、とりあえずPCに比べてひけを取らないとはいえるでしょう。PCの世界では、先日HyperThreading対応の3.2 GHz Pentium 4が登場し、今年後半からPCI Express、FSB800とDDR-II 400 Dual Channelといったところが見えてきますので、それとくらべてPowerMac G5も(発表の時期が良かったので(笑))とりあえず半歩リードといったところでしょうか。
PowerPC
970の性能もさることながら、マシンの性能を決める「足腰」であるロジックボードでは、PowerPC G4シリーズのくびき=システムバス(CPU-システムコントローラ間)が遅すぎ、から解放されるのがいいですね。
PCI ExpressとHyper Transportをどう使いわけて、どれだけ使いこなしているかにもが興味があります。結局、初代PowerMac
G5の出来は、ロジックボード設計によるわけですからね。案外、PowerPC G4の設計を引きづっていて、システムバスをHyper Transport、PCIブリッジではPCI-Express「も」使えるようにしただけ、かもしれませんから。もちろん、将来の本命は、ハブアーキテクチャーから、PCI
ExpressやHyper Transportなどのスイッチアーキテクチャへの移行にあるわけで、初代PowerMac G5が進化のどの段階に達しているか、楽しみですね。
2003.07.01 今日、やっと落ち着いて仕様書をみますと、PCI Expressじゃなくて、PCI-Xにすぎないじゃないですか。なんだ〜。現時点で「先進的」なんていうから、PCI Expressを積んだんだと思いこんでました。PCI-Xじゃ単なる高度なPCIにすぎないもんね。詳しくは、改めて書きます。
あ、そうそう、ハンドル付きのアルミボディーデザイン。 PowerMac G4よりも四角くなってますので、この筐体のまま、19インチラックに収納できないものかなあ(笑)。
まあ、今回の発表でわたしが一番興味あるのが、FireWire接続カメラiSightだったります。iDhat DVにはあまり興味ありませんが、ストリーミング中継に使いたいな。
2003.06.21 RTMacのMac OS Xドライバβ版がようやく登場。しかし...。
待たされに待たされたMatrox RTMac Mac OS Xドライバβ版(Ver. 4.0pr1)が、今度こそ公開されたようです。
わたしなんぞは、待たされすぎでどうでもいい感も半分くらいしますが、とりあえずPowerMac G4 1.25GHz Dual(Mirrored Drive Doors)で試してみました。が....。
まず、セカンドディスプレイ用RGB出力を液晶ディスプレイにつなぎますと、うーむ、どの解像度・周波数でもタイル上のノイズが乗ってしまって、使い物になりません。この現象はいわゆる「液晶モニタの相性」とは違うもののようで、画面が映らない(まっくろ、真っ青などではない)訳ではなく、ひどいブロックノイズ越しにかろうじてデスクトップは見えるのです。だから、[ディスプレイ]システム環境設定の諸設定をいじくる程度は見えるので、いろんな解像度・周波数を試してみることはできました。でも、ダメ。
まあ、セカンドディスプレー環境ならPowerMac
G4純正のAGPカードだけで作れますので、RTMacのRGB出力に固執する必要はなく、こちらはほっぽいてFinal Cut Proを起動してみましょう。ところが....。
なんとFinal Cut Pro 3自体が起動しないのです。しかも、このあとFinal Cut Proだけの強制終了も利かず、Mac OS Xごと落とさないとどうしようもない。さすがにハードウェアがらみなので仕方ないかもしれませんが、Mac
OS Xごと落とさないといけないなんて、このマシンでMac OS Xを使っていて始めてのことです。
インストーラディスクの中に、ドライバのインストーラとアンインストーラが並んでいるのが意味深だなあ〜(笑)。くれぐれも業務ユーザの方は、ベータ版のたぐいはインストールなさらぬよう。わたしも即、アンインストールしました。
まあ、まあ、うちの環境だけかもしれませんし、そもそもベータ版のソフトですから本来文句をいえる筋ではない(笑)ので、これくらいにしておきますが、こ〜〜れだけ待たされて出来がこれかよ〜、という文句くらいはRTMacユーザなら言ってもいいですよね。
まあ、ともかく、Mac OS X版のRTMacではどれくらい性能アップしているかが本質的なポイントでして、完成度がその域にすら全く達していない今日のところは評価不能でした。でもね、Final Cut Pro 3単体のソフトウェアRT機能ですら、RTMac for Mac OS 9の性能をはるかに凌駕しているわけですし(詳しくは2003.02.12 Final Cut Pro 3.0.4アップデート日本語版for Mac OS X)、ましてやFinal Cut Pro 4ではRT Extremeが搭載されているわけです。こうなるとRTMac for Mac OS 9に比べてRTMac for Mac OS Xでは、少々の性能アップでは受け入れらないはずですが、来たるべき最終版ドライバでは...はたして(まあ、Final Cut Pro 4に最適化されてるなんてことになればいいのですが、それ以前にほんとに最終版ドライバはリリースされるのかなあ??(笑))。
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MACPOWER誌のロードテストコーナーで「ご自分のコンサートものの編集→DVD-Video化」というテーマで連載なさっていた服部祐民子さん、作品完成&連載満了、おめでとうございました。お疲れ様でした。誌面でご挨拶頂き恐縮です。
関連記事 2003.04.03 ビデオの「色」
2003.03.18 MACPOWER誌2003年4月号のロードテスト
2003.01.27 MacDTV.FAQのFinal
Cut Proネタ1題
2003.06.06 Mac De TVで、ここ最近の「MacでTV録画関連」雑誌記事をリストしたのですが、
>> ● MacPeople誌2003年7月1日号(6月中旬発売)でも特集の予定
について、特集タイトルがわかりましたので...。
●
MacPeople誌2003年7月1日号(現在発売中)Macでテレビ録画コンプリートガイド
(↑なんと端的なタイトル(笑))
先月ずっとの海外出張がなかったら、この件お受けしたかったんだけどなあ...。
2003.06.19 Mac De TV 過去に撮り貯めたVHSビデオをDVD-Videoにするには
過去に撮り貯めたVHSビデオをDVD-Videoにする場合について、方法を以下にまとめます。もちろんDVD Studio Proなどを使うといった「高価」な方法もあるのですが、比較的低コストでお手軽にDVD-Videoコレクションを作るには、以下のような4つのパターンが考えられます。
(1)
SuperDrive搭載Macで、iMovie→iDVD
(2) 外付けDVD-R(RAM/RWなど)ドライブを購入する場合
(3) 家庭用DVD-Rレコーダを購入する場合
(4) 家庭用DVD-Rレコーダと、Macの外付けDVD-R(RAM/RWなど)ドライブを購入
(1) SuperDrive搭載Macで、iMovie→iDVD
● 用意するもの:SuperDrive搭載のMac、アナログ-DVコンバータ
● やりかた:VHSビデオのアナログNTSC出力を、アナログ-DVコンバータでFireWireに接続し、iMovieで取り込み・編集をした後、iDVDを使ってSuperDriveでDVD-RまたはDVD-RWに焼きます。
●
特徴:
◇ SuperDrive付きのMacをお持ちなら、追加投資は、アナログ-DVコンバータだけ。
◇ HDD容量を、比較的消費してしまいます。たとえば60分ものの場合、iMovieの時点で約15GB、さらにiDVDで約4.7GB。
◇ iDVDでのソフトウェアMPEGエンコード(バックグラウンド処理)にやたら時間が掛かります。たとえば、iMovie 2 + iDVD 2での例をここでご紹介してます。この記事に比べて現在のiMovie
3+ iDVD 3環境では、iMovie 2で必要だった「iDVD用に書き出し」という工程が不要になっていますので、(MPEGエンコード時間はさほど変わっていないものの)トータルの作業時間でみると若干の時間短縮が図られています。
◇ iDVDを使うので、DVDオーサリング時の操作性、DVD-Videoのできばえなどは、秀逸です。
(2) 外付けDVD-R(RAM/RWなど)ドライブを購入する場合
● 用意するもの:(この場合、iDVDが使えないので)サードパーティ製DVD-R(RAM/RWなど)ドライブ、ハードウェアMPEGエンコーダ(CaptyTVなどが有名)、DVD-Videoオーサリングソフト(このソフトをバンドルしているDVD-Rドライブ製品もあり)
● やりかた:VHSビデオのアナログ出力を、アナログ-MPEGキャプチャー機器で、MacのHDD上にMPEGキャプチャーし、DVD-VideoオーサリングソフトでDVD-RまたはDVD-RWやDVD-RAMに焼く。
●
特徴:
◇ ピクセラ社製品群が人気あります。
◇ HDD容量は(1)に比較して消費しません(MPEGでキャプチャーするので)。60分ものの場合、約4.7GB + 一時的使用領域程度で済みます。
◇ キャプチャー時にMPEG化するので、iDVDであるようなソフトウェアMPEGエンコード処理時間がいりません。
◇ MPEGでキャプチャーするので、(1)に比べて編集性に劣ります。
(3) 家庭用DVD-Rレコーダを購入する場合
● 用意するもの:家庭用DVD-Rレコーダ
● やりかた:Macユーザにはコロンブスの卵かもしれませんが、Macを使わない、という選択肢もあります。すなわち、家庭用DVD-Rレコーダを購入し、VHSビデオデッキから「AVダビングする」やりかたです。特に、松下電器産業社のDVD-R/RAM+VHSビデオレコーダDMR-E70Vなどがこのやりかたにぴったりです。
●
特徴:
◇ この場合、凝ったDVD-Videoは作れません。
◇ ダビング操作なので、操作は簡単です。
◇ ダビング時はMacを占有しないので、Macでほかのことに使うことができます。
(4) 家庭用DVD-Rレコーダと、Macの外付けDVD-R(RAM/RWなど)ドライブを購入
● 用意するもの:家庭用DVD-Rレコーダ、Macの外付けDVD-R(RAM/RWなど)ドライブ
● やりかた:このやりかたは、(2)と(3)の複合技で、家庭用DVD-RレコーダでダビングしてきたDVD-RAMをMac外付けDVD-Rドライブで読み込み、Pixe VRF ViewerなどのソフトでMPEGファイルを吸い出します。あとは、CaptyVCD/DVDといったDVD-Videoオーサリングソフトで、DVD-Rに焼いてやります。
●
特徴:
かなりコストのかかるやりかたですが、(1)のようにソフトウェアMPEGエンコード処理がないので時間短縮が可能、(3)では不可能な「凝ったDVD-Video」も作れます。また、(2)のようにTV録画中Macが占有する訳ではないので、録画中もMacでほかのことに使うことができます。
CitiDisk DVは、DVカメラに接続するとDVデッキのように振る舞い、MacにつなぐとFireWire HDDのように振る舞う、という製品です。類似の製品としては、すでにMacDTVソフトウェア関連情報でご紹介したDV MasStorなどがあり、総じてDV HDDなどと呼ばれます。
DV HDDの利点は、Mac+DTVソフトを使った「DVキャプチャー」工程が不要になる(=時間短縮、およびキャプチャー作業時のMac占有をなくすことが出来る等)点にありますが----ただしこの点については「宣伝文句どおりとは限らないことも多い...(笑)----、CitiDisk DVの場合、さらに、可搬性がよい(小サイズ、バッテリ内蔵)、比較的安価(同種製品に比して)、といった特徴もあります。
今回Amulet社のモニタに応募しまして、実際のところを確かめてみました。
ではまず...。
CitiDisk DVのFireWire端子(6ピン)とDVカメラのDV端子(4ピン)を接続し、DVカメラからDV信号を送出、CitiDisk
DVの[Rec]ボタンを押すと、録画が始まります。
録画が終了したら、CitiDisk DVをMacのFireWire端子に接続し直します。デスクトップにマウントされて準備完了。このボリュームは、FAT32(Windowsの標準HDDフォーマットのひとつ)でフォーマットされており、なかにある[Movie]フォルダの[Media]フォルダ内に、録画したDVデータファイル(DVストリーム形式)が連番形式で保存されています。
CitiDisk
DVはDVストリーム形式で録画するので、基本的にiMovieとは相性がいいです。iMovieプロジェクトファイルの[Media]フォルダ内に、コピーするだけです。ファイルフォーマット変換は必要でないので、この操作だけですぐ使うことが出来ます。
一方Final Cut Proの場合、ネイティブのファイルフォーマットはQuickTimeムービーなので、DVストリームからのフォーマット変換が必要です。ただ、DVストリームから「DV
Codecを使用したQuickTimeムービー」に変換する必要はなく、Final Cut Pro上でオーディオレンダリングをするだけです。
さて、前述のように、CitiDisk DV(などのDV HDD)のウリは「DVキャプチャー工程が不要」という点にあるのですが、実際的な使い方を想定した場合、疑問点が残ります。DV MasStorの場合もそうですが、この手のDV HDDの場合、[Finderコピーに要する時間]+[オーディオレンダリングに要する時間]が掛かってしまいます。したがって、これらの[合計時間]が[DVキャプチャーに要する実時間]よりも有意に短いか、という点がポイントになります。そこで、1.7GB(約8分)のDVストリームデータをFinal Cut Proで編集スタンバイOKの状態に持ってくるまでの時間を比較してみます。
やりかたとしては、
(1)
普通のやりかたで「DVキャプチャー」する。この場合の処理時間は、実時間の1倍(5分のシーンなら5分かかる)となりますね。
(2) CitiDisk DVからMac内蔵HDDにFinderコピーした後、Final Cut Proでオーディオレンダリング
(3) (CitiDisk DVからMac内蔵HDDにはFinderコピーぜず)CitiDisk DV上のファイルを直接Final Cut Proで読み込んで、オーディオレンダリング(この場合、オーディオレンダーファイルはMac内蔵HDDに置くことにします)
の3とおりのやりかたがありますね。それぞれをPowerMac G4 1.25GHz Dual(Mirrored Drive Door)、PowerMac G4 733MHz(Digital Audios)でテストしてみます。結果は次のとおり。
マシン環境
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1.25GB
Dual
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733MHz
Single
|
733MHz
Single
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DVキャプチャー
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|||
工程
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Finderコピー | 01m35s
|
Finderコピー | 01m45s
|
Finderコピーを行わず、オーディオレンダリング | 05m33s
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08m33s
|
オーディオレンダリング | 01m01s
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オーディオレンダリング | 03m56s
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||||
合計時間
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02m36s
|
05m41s
|
05m33s
|
08m33s
|
|||
実時間比
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0.42倍
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0.67倍
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0.65倍
|
(1倍)
|
ちなみにDV
MasStorの場合、Finderコピーに要する時間は実時間の0.73倍1)でした。実際の使用ではFinderコピーの他にさらにオーディオレンダリング処理が必要なわけですから、こうなると「DV
MasStorだとDVキャプチャー実時間以上の前処理(Finderコピー+オーディオレンダリング)が必要」となってしまい、なんのこっちゃ(笑)、という状態でした。
ところが、CitiDisk DVの場合、Finderコピーに要する時間は実時間の0.13倍2)で済みます。ですから、これにオーディオレンダリング処理時間を加えても、DVキャプチャー実時間よりも短い所用時間(上記の例では、0.42〜0.67倍)でFinal
Cut Proで編集スタンバイOKの状態に持ってくることができます。この点は、思いの外すばらしい性能ですね。
1) 09m52s26f(2GB)のデータファイルの場合、コピーに要する時間は07m16s。
2) 08m33s(1.71GB)のデータファイルの場合、コピーに要する時間は01m45s。
MacDTV.forum(掲示板&メーリングリスト)4月末〜5月上旬の議論で、CitiDisk DVのFinderコピー性能がひとつのカギ、と書きましたが、それはこういう意味だったんですね。そして、結果は思いの外良好、といえます。
(←)
2003.06.11 Mac De TV GV-1394TV/MかCaptyTV/FireWireか
TV録画をしてMacでデータを利用したい、という方には、正直なところロクラクやRec-Onのような「HDDレコーダ」タイプの機器は向いていません。これらの機器の場合、HDD内のMPEGファイルをUSB(やFireWire)経由で吸い出して、MacのHDD内に持ってくることはできますが、その後、DVD-Videoの素材としたり、QuickTimeムービーに変換することは通常難しいです。つまり、吸い出してきたMPEGファイルをQuickTime Player上で再生して楽しむくらいにしか使えません。
これは、このMPEGファイルが多重化された(Muxed)MPEGファイルなので、ビデオとオーディオを分離(Demuxed)するのにある種のツールが必要だからです。技術的に不可能ではないのですが、この手のツール類が「DVD-Videoプロテクト外し」ツールと歴史的関係が強いので、MacDTV.comではご紹介するわけにはいかないんです。
「HDDレコーダ」タイプの機器については、「あくまでもAV機器(ビデオレコーダ)なのであって、Macにファイルを持ってくるおまけ機能がついている」といった捉え方が無難のように思います。
となると、TV録画をしてMacでデータを利用したい、という方には、現在のところ、本命は、アイオーデータ社のGV-1394TV/M(DVキャプチャー)か、ピクセラ社のCaptyTV/FireWire(MPEGキャプチャー)の一騎打ち、といったところでしょうが、さて、どちらを選んだらよいのでしょう。いくつかの典型的な場合を考えてみます。
● DVD-VideoやVideoCDにまとめたい、という場合は、CaptyTVシリーズを迷わず推奨します。理由は、MPEGエンコード処理時間にあります。詳しくは後日。
● CD-Rなどに焼いてパソコン上でムービー再生する、または、HDD上にコレクションを保存するというのなら、CaptyTVシリーズでもGV-1394TV/Mでもかまいません。この手のムービーのサイズとしては、ハーフサイズ(320×240)が無難でしょう。
CaptyTVシリーズの場合、MPEG1の設定で取り込んだファイルを、そのままCD-Rに焼けばOKです。
なお、再生パソコンのCPU処理能力が良好なら、MPEG-2(フルサイズ(720×480))も無理ではないです。ただし、MPEG-2再生のためには、QuickTime
MPEG-2再生コンポーネント(AppleStoreで別売り)をインストールする必要があります。
GV-1394TV/Mの場合、二つのやりかたがあります。GV-1394TV/Mで取り込む際に、(1) DVストリーム(フルサイズ(720×480)です)でHDDに取り込んだ後、適切な設定のQuickTimeムービーへ再圧縮します。(2) Sorenson Video CodecなどのCodecに設定して取り込みます。
(1) の場合の再圧縮設定は、ハーフサイズ(320×240)のSorenson Video Codecといったところが適切で、この場合、CD-R上から再生しても、毎秒約30コマのなめらかなムービーを作ることができます。欠点は、再圧縮処理に時間が掛かることです(再圧縮処理時間はCPU能力に依存)。
(2) の場合、取り込み時にCPU能力を酷使してCodec変換(DVストリームで流れて来た信号をSorenson VideoやMPEG-4などで再圧縮)を行うことになるので、どうしても((1)に比較すると)高品位のムービーを作ることは出来ません。Sorenosn VideoやMPEG-4を使用した場合、CPU能力にもよるのですが、ハーフサイズで毎秒十数コマ辺りが精一杯。なめらかな動きを重視するなら、画面サイズを小さくする、といった妥協をしなくてはなりません。ただ、(2)の利点は、リアルタイムに処理してしまうため、((1)に比較して)無駄な処理時間がかかりません。
この辺の「ムービー圧縮の戦略」に関しては、後日。
● 作品を「編集する」とき。
CM部分のカットだけだったら、GV-1394TV/MでもCaptyTVでもかまいませんが、それでも、CaptyシリーズはMPEGファイルにキャプチャーする以上、編集に向いているとはいえません(詳しくは、後日。特に、ピクセラ社のMPEG
Editには注目です)。
ましてや、そこそこの「編集」、たとえば、タイトルを入れなどを行いたいならば、GV-1394TV/Mの出番です。詳しくは、後日。
● Webで公開する
そもそも、エアチェックものをWebで公開してはいけません、著作権の侵害になります(笑)。
2003.06.08 Mac De TV Rec-On for Mac FireWire対応版
Rec-On for Mac FireWire版というのを試用してみました。
Rec-Onは、HDDビデオレコーダなので、基本的に、録画・再生操作はRec-On単体で使うものです。
さらに、Mac(やパソコン)を接続する機能も持っており、MacとUSB接続すると、
(1) 設置時のTVチャンネルの設定を[Rec-On チャンネル設定]ソフトで、
(2) 録画予約を[Rec-On 予約ウィザード]ソフトで、
(3)iEPG予約をWebブラウザソフトで、
それぞれ行える他、
(4) Rec-OnのHDD内に保存されているMPEG-2ファイルを、MacのHDD内にコピーすることもできます。
こうして持ってきたMPEG-2ファイルは、QuickTime Player + QuickTime 6 MPEG-2再生コンポーネント(アップルストアで販売)で再生することが出来ます。
Rec-On
for Mac FireWire版とは、従来のRec-On for Mac USB版のパッケージに、FireWireアダプタ(同社1394ICN2同等品)やソフト、電源アダプタなどもセットしたもので、Macへのデータ転送時にFireWireを利用することで、USB転送の実に10倍の高速化(MacDTV.com実測)を実現しています。
ただし、FireWire転送の度にケーブルをつなぎ直す必要があり、この点は面倒といえば面倒ですが、まあ実際のところMacにMPEGファイルを転送する機会って頻繁ではないので、大目に見れるかな。(それよりは圧倒的にRec-On単体での録画・再生する方が頻度が高いでしょう。それに、MacのHDD上に録画したいという方ならば、Rec-OnのようなHDDレコーダ系機器ではなく、DVコンバータ系やMPEGキャプチャー系を選択すべきです。)
とまあ、今日のところはRec-On for Mac FireWire版の印象をごく簡単に書いただけで申し訳ありませんが、詳細はしばらくお待ち下さいませ(某誌にレビュー記事が掲載されるまで)。
MacDTV.comは、Macでお手軽ビデオ編集、なので、ビデオ編集がメインのサイトです。ところが、MacDTV.comへのアクセスログを解析していると、TV録画関連のキーワードで検索されている例が最近顕著に目立ってきました。また、私自身も雑誌・出版関係の方々からも原稿執筆のお誘いを立て続けに受けています。なんだかMacではTV録画がブームのようですね。
最近のMac系雑誌を見ても、
● MACPOWER誌2003年5月号(4月18日発売)の第二特集「Macテレビ化計画」(←わたしも書いてます)
● MACPOWER誌2003年6月号(5月18日発売。発売中)の第二特集「記録型DVD活用のススメ」
● MACFAN誌2003年6月15日号(発売中)「Macで我が家は素敵なホームシアター」
といったところが特集してますし、
● MacPeople誌2003年7月1日号(6月中旬発売)でも特集の予定
● 某社からムック版が、6月末〜7月に刊行予定
と、目白押しです。
そこで、MacDTV.comとしても、TV録画系(TV録画、DVD-Videoでコレクション等)の話題を集めてみることに致しましょう。当面、思うつくままに書いてゆきますが、ネタが集まりましたら、新コーナーにまとめる予定です。題してMac De TV(笑)(MacDTV.comと一字違いのところがミソ)。
さてさて、現在のところ、TV録画・DVD-Videoでコレクションといった分野に関連する製品は、カテゴリは、以下の4つのカテゴリーが存在します。
● DVコンバータ系:たとえば、アイオーデータ社のGV1394TV、カノープス社ADVC-200TVなどです。
アナログビデオ信号を入力して、デジタイズした後、機器内部のハードウェアDV Codecで圧縮し、FireWire端子からDV信号を出力するタイプのMac周辺機器のことです。
● MPEGキャプチャー系:たとえば、CaptyシリーズのCaptyTV/USB、CaptyTV/PCI、CaptyTV/FireWireなどです。
アナログビデオ信号を入力して、デジタイズした後、機器内部のハードウェアMPEGエンコーダで圧縮し、USB端子、PCIスロット、FireWire端子からMPEGデータを出力するタイプのMac周辺機器のことです。MacのHDD上には、MPEG形式のファイルが蓄積されます。
● HDDレコーダ系:日本デジタル家電社ロクラクやアイオーデータ社Rec-Onシリーズのような「パソコン周辺機器的製品」と、民生用AVメーカ製のAV機器型製品(後述)があります。後者は、次のDVD-R/RW/RAMレコーダとも重なります。
HDDレコーダでは、基本的にTV録画やアナログビデオ録画にはMacは必要ありませんし、これらの操作は、ビデオデッキと同様な操作感で行えます。内蔵のHDD内には、MPEG形式で録画されています。
「パソコン周辺機器的製品」は、これらの基本機能に加えて、USBやFireWireによって、MPEGファイルを吸い出して、MacのHDDに持ってくることが出来ます。これにより、MacのQuickTime
Playerで再生して楽しむことも出来ます。また、Mac側からHDDレコーダの一部の操作をコントロールできる機種もあります。
● DVD-R/RW/RAMレコーダ:
松下電器産業社のDIGAシリーズ(DMR-E80H、-E70H、-E60など)、ソニー社Cocoon NDR-XR11やRDR-A21、東芝社のRD-XS40、パイオニアDVR-77Hなどがあります。
基本的に「AV機器」なので、TV録画やアナログビデオ録画にはMacは必要ありませんし、これらの操作は、ビデオデッキと同様な操作感で行えます。内蔵のHDD内には、MPEG形式で録画されています。
基本的にMac(やパソコン)との親和性は(パソコン周辺機器型製品に比べ)高くありませんが、Webブラウザ経由で録画予約や録画済み番組の管理などのオプション機能を有している機種もあります。
MacにMPEGデータを持ってくるには、DVD-RWやDVD-RAMに一旦「ビデオレコーディング」フォーマットで書き込んで、Macに接続したDVD-RWドライブやDVD-RAMドライブに挿入し、Pixe
VRF BrowserといったソフトウェアでMPEGファイルを吸い出す、といった手順を取ることができます。
アップルから、QuickTime 6.3 for Mac OS X, for Windowsが公開されました。[システム環境設定]の[ソフトウェアアップデート]、もしくは、QuickTimeサイトからどうぞ。
QuickTime
6.3の目玉は、前々からいわれてきた、
● NTTドコモのFOMAのにも採用されている動画フォーマット3GPP(MPEG-4の一種)に対応したこと
ですが、そのほか
● ストリーミング・トランスポートの自動検出
● DV でのオーディオとビデオの同期の改善
● Keynote、iMovie、iDVD のサポートの強化
といった対応もなされています。
アップルから、iMovie 3.0.3が公開されました。フルインストール版と、iMovie 3.0〜3.0.2からのアップデート版の両方が用意されています。
以下の点につき、改善・機能強化されているようです。
● G3 プロセッサ搭載の Mac でのレンダリング、
● Ken Burns エフェクトの機能強化:パンやズームのコントロールが拡張。静止画のデジタル画像の切り出しがより簡単に。
● オーディオの同期、保全性についての改良:これには、QuickTime 6.3が必要。
2003.06.05 QuickTime 6 MPEG-2再生コンポーネントがバージョンアップ
ほぼ1年ぶりのバージョンアップ(→2002.07.18 QuickTime 6 MPEG-2 再生コンポーネント、登場)となりますが、アップルからQuickTime 6 MPEG-2再生コンポーネント新版が公開されました。
QuickTime 6 MPEG-2再生コンポーネントは、文字通りMPEG-2を再生するためのQuickTimeコンポーネントで、QuickTime Proとは別売りとなっています。
今回のバージョンアップについては、無料ダウンロード可能で、
QuickTime 6 MPEG-2再生コンポーネントをすでにインストール済みの方は[システム環境設定]の[ソフトウェアアップデート]から、それ以外の方はAppleStoreから、それぞれ入手してください。
QuickTime 6.3対応の他、機能の強化が図られています(特に「Keynote」でのMPEG-2ファイル使用時のパフォーマンスの向上。なお、同日KeyNoteも1.1にバージョンアップしてます)。
加賀電子社が、CineWave 4を発表しました。
Cinewaveはご存じの通り、Pinnacle
Systems社のハイエンドノンリニア編集システム。Final Cut ProとTARGA Cineハードウェア(PCIカード+アウトボックス等)を中核としたソリューションで、非圧縮SD/HDなどハイエンド編集システムとしては定番となってますが、今回のCineWave
4とは、Final Cut Pro 4(英語版はたぶん来週発売開始。日本語版は7月発売開始予定)に対応した最新バーションのことで、Final
Cut Pro 4の新機能を十二分に引き出しています。
なお、Too社がCineWaveの販売代理店になったことが、5月27日に同社から発表されています。
2003.06.03 MacDTV.forum(掲示板&メーリングリスト)4, 5月分過去ログダウンロードファイル
お待たせいたしました。MacDTV.forum(掲示板&メーリングリスト)の2003年4月分、5月分過去ログをダウンロードできます。スレッド型表示で、読みやすくなっております。また、これまで通り、MacOS(8.5以降)のSherlockの「内容で検索(Find By Content)」を使用できるように、掲示板&メーリングリストを「1発言1ファイル」に切り分けてあります。Sherlockを使用した過去ログ検索のヒントについては、Sherlockを使ったオフライン検索法に記載してあります。
玄光社刊PasoVi誌012号からお越しのみなさま、こんにちわ。
Final Cut Pro Unofficialのぷれぷれさんの「Final
Cut Salon」のコーナーは、今号はお休みなので、
「Macでビデオ」の3ヶ月がわかる「Macintosh Digest」(2003年2月〜2003年4月分のMacでDTVなニュース)だけです。
2003.05.27 DeckLink Pro、DeckLink SP登場
フォーカルポイントコンピュータ社が、Blackmagic Design社のハイエンドキャプチャーカードDeckLink SPとDeckLink Proを出荷開始した、と発表しました。
既発売のDeckLinkは、10bit非圧縮SDI入出力、SDIエンベデッドオーディオ入出力といった「デジタルビデオ」「デジタルオーディオ」の入出力機能と、ビデオモニタ出力・オーディモニタ出力を装備していますが、それにくらべて、
今回登場のDeckLink Proは、ゲンロック入力、アナログYUVコンポーネントビデオ出力、4系統8チャンネルのSPDIFオーディオ出力が追加されています。つまり、アナログビデオ書き出しが可能になったわけですね。
また、DeckLink SPは、DeckLinkの機能に、アナログYUVコンポーネントビデオ入出力、2チャンネルのXLRバランスアナログオーディオ入出力を追加したもの。これにより、アナログソースのキャプチャーも可能となったわけです。
各製品の仕様を見比べた結果、上記のようなまとめとなったわけですが、もしかしたら細かいところで間違いがあるかもしれません。製品個別の詳細仕様をご確認下さい。
また、これにあわせて、BlackMagic v2.5.1ドライバが公開開始されました。
DeckLinkの関連記事
2003.02.21 DeckLinkにSPDIFオーディオモニタ出力が追加
2003.02.14 Blackmagic
Deck Controlパブリックベータ
2002.12.20 10bit/8bit非圧縮SDIビデオキャプチャカード、DeckLink)
旧聞に属しますが。
Shining Technology社のFireWire HDDシリーズの新製品CitiDISK DVが登場します。日本では、アスク社、アミュレット社などが取り扱いを発表しています。
CitiDISK DVは、DVカメラと接続した場合はDVデッキのように振る舞い、DVカメラからCitiDISK DVへとデジタル転送(AV的にいうとDVダビング)できます。一方、CitiDISK DVをMacにつないだときはパソコン周辺機器のように振る舞い、一般的なFireWire HDDのようにFinderから見えます。すなわち、DVカメラからデータ転送したあとは、MacのFireWireに接続するだけで、DVデータファイルを持って来れるわけで、DVキャプチャーという工程が不要になります。
この手のアイデアをすでに実現した製品には、たとえばアドテックス社のDV
MasStorなどがあり、メリット、デメリットそれぞれがあります。詳しくは、MacDTV.情報ひろばのDV
MasStorレビュー記事をご覧下さい。同じ事情はCitiDISK DVにも当てはまり、仕様から生じるデメリットが厳然として存在することは事実です(MacDTV.forum(掲示板&メーリングリスト)の4月末〜5月初旬に議論されています)。
そうはいっても、やはりこの手のアイデアは捨てがたく、DTVユーザとしては非常に興味が持たれます(いきなり理想の製品が登場するはずないですもんねえ)。また、これまでの業務ビデオ機器の価格帯からは一歩抜け出して、比較的求めやすい価格まで降りてきたことも朗報でしょう。
まあ、そんなわけで、わたしも楽しみにしております。
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MACお宝鑑定団さんが、映画テレビ技術・Digital Production2003の松下電器産業社ブースレポートのなかで、Final Cut Pro 4ベータ版についてふれていました。また 、MacDTV.forum(掲示板&メーリングリスト)の[MacDTV:16500] FCP4のスレッドもごらんになって下さい。
いやあ、行って、見てきたかったなぁ。
2003.05.15 AJA Video Systems社のFireWireハイエンドキャプチャデバイス Ioの国内扱い
フォーカルポイントコンピュータ社が、AJA Video Systems社の非圧縮オーディオ/ビデオFireWireキャプチャデバイス Io の取り扱いを発表しました。
Ioは放送用アナログ/デジタルビデオデッキとMacをFireWire経由で接続するハイエンドビデオ機器で、8bit/10bit非圧縮ビデオの入出力が可能です。気になる端子類は、SDIビデオ入出力、コンポジットビデオ・S-Video入出力、コンポーネントビデオ入出力、オーディオは、AES/EBUオーディオ、バランス/アンバランスアナログオーディオ入力、ADATオーディオ入出力、SPDIFオプティカルオーディオ入出力、などのほか、オーディオワードクロック出力やRS-422デッキコントロール端子なども用意されています。
また、Final Cut Pro 4の扱える8/10bit非圧縮コーデックやマルチオーディオアーキテクチャにも対応しています。
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2003.05.12 ReelSmart Twixtor 3の国内販売
フラッシュバック社が、RE:Vision Effects社のフレーム補間ソフトReelSmart Twixtor 3の国内販売を行う、と発表しました。
After Effectsのプラグインとして提供されるので、AfterEffectsプラグインに対応しているFinal Cut Pro、Premiere、Commotion、Combustionなどでも使用可能です。
2003.04.29 iTunes4公開とiTunes Music Store発表、新iPod登場
スペシャルイベントは、iTunes4公開、それに伴いiTunes Music Store発表(米国でカード決済可能なユーザのみ)、そして、新iPodの登場でした。
iTunes Music Storeは、おもしろい試みですねえ。ある意味、Macユーザを使った実験かも(笑)。
2003.04.29 QuickTime 6.2 for Mac OS X
システム環境設定のソフトウェアアップデートで、QuickTime 6.2が公開開始されました。
iTunes 4対応、AAC オーディオエンコーダの強化などです。
2003.04.27 Macで始めるDTV
Macで始めるDTVを追加・更新しました。
2003.04.26 Shake 2.5 ハンズオンセミナー
アップルが、Shake 2.5 ハンズオンセミナーの申し込みを開始しました。
今回は、5月16日(金)、5月29日(木)分です。
2003.04.22 アイオーデータ社のTVチューナ付きDVコンバータ
旧聞に属しますが、アイオーデータ社が、Mac対応のTVチューナ付きDVコンバータGV-1394TV/Mを発表しました。発売開始は4月下旬予定とのことです。
GV-1394TV/Mは、MPEGでなくDVでキャプチャーしますので、TV録画メインでの使用の場合(消費HDD容量の点で)不利です。アナログビデオ(やTV)をiMovieやFinal Cut Expressに持ってきて編集したい、といった用途にこそ向いています。
まあ、アナログ-DVコンバータは各種あれど。また、TVチューナ付きアナログ-DVコンバータも、カノープス社のADVC-200TVなんかもありますが、
GV-1394TV/Mの優れているところは、
■ TVチューナ部に、ゴーストキャンセラが搭載されていること。
実際、地上波TVとCATVを見比べることで、ゴーストキャンセラの効果を評価してみましたが、これは利いてます。MPEGキャプチャー機器にしてもHDDレコーダにしても、TVチューナ部の作りが傑出している製品はありませんでしたが、このGV-1394TV/Mはゴーストキャンセラ搭載のおかげで、他の製品より2、3歩リードしている印象です。
■アナログ→DV取り込み時に「色調調整」が可能なこと。
DVコンバータで「色調調整」が可能な機種って、わたしは他に知りません(MPEGキャプチャーだと、Captyシリーズでは可能です)。
一般的なDVコンバータですと、アナログビデオ入力をどんな画質・色調のDV信号に変換するかは、そのDVコンバータにおまかせで、ユーザによる調整の余地はありません。ところが、GV-1394TV/Mの場合、キャプチャー時の色調調整が可能なので、ユーザによる細かな補正が可能なのです。これは、アナログビデオをソースとしたDTVの際に重宝します。なお、この色調補正は、GV-1394TV/M付属のソフトDigitalTV Recorder上からしか行えないのが、少し惜しいところではあります。たとえば、Final Cut Proの[ログと取り込み]ウインドウ上から色調補正ができれば、完璧なんですがねえ。
2003.04.20 Macで始めるDTV
Macで始めるDTVを追加・更新しました。
2003.04.18 MACPOWER誌2003年5月号の第二特集「Mac TV化計画」
アスキー社MACPOWER誌2003年5月号の第二特集「Mac TV化計画」からお越しのみなさん、こんにちわ。
各種キャプチャー機器の画質比較評価を担当しました。誌面では盛り込みきれなかったことも含めて、ご紹介する予定です。お楽しみに。
2003.04.17 ピクセラから、FireWire接続型のMPEGキャプチャーボックス
ピクセラ社が、FireWire接続型のMPEGキャプチャーボックスCaptyTV/FireWireを発表しました。5月中旬発売予定とのことです。
CaptyTVは、USB版、PCI版が用意されてましたが、USB版は最高ビットレートが6Mbpsまでなので、画質的にはちょっと物足りない感がありました。もちろん、後継機であるCaptyTV/PCIでは12Mbpsまで可能なのですが、PCIカードだとPowerMacユーザしか使うことができません。
そんな意味で、FireWire版の登場は、iMac/iBook/PowerBookユーザの方にも朗報です。
2003.04.13 Macで始めるDTV
Macで始めるDTVを更新しました。Final Cut Expressについて、追加しています。
2003.04.10 DVD Studio Pro 2をみる
というわけで、そろそろ、今回の新製品群発表情報を見てゆきましょう。まずは、DVD Studio Pro 2。Final Cut Pro 4でなく、DVD Studio Pro 2から始めるあたりが、通っぽいでしょ。
その昔、2002.06.03 DVD Studio Proに望むことなんてのを書いたことがありました。これに沿って、極私的要望が達成されているか、という視点で見てゆきます。
■ MPEGしか持ち込めないのは不便。
DVD
Studio Pro 1.xでは、MPEG 2データしか持ち込めません。ということは、DVD Studio Pro上でオーサリングしていたときに扱っているムービーに不満が出たときは、Final
Cut Proにまで立ち返らなければなりません。そして、ちょこっとFinal Cut Proで編集し終わったら、また、延々とMPEGエンコードをするわけです。これでは、なんだかかなあ。
あるいは、Final Cut Proで素材ムービーをいくつか作って、MPEG2にしてDVD Studio Proに持ってきたはいいが、いざオーサリングしてみると、ほんのちょっとだけDVD-Rの容量をオーバーしていた。....なんて泣くに泣けません。
さて、ここはDVD
Studio Pro 2ではどうなっているのか、というと。
DVD Studio Pro 2の目玉機能、Compressor(独立したアプリケーション、またはFinal Cut Pro 4の書き出し時に呼び出し)に注目しますと、これはあくまでcleanerのような「ムービー圧縮ソフト」なので、いくら、インポートフォーマットが多数用意されているからといって、DVD
Studio Proでの使用を前提とすると「CompressorでMPEG2に書き出してDVD Studio Pro 2で読み込み」という従来のワークフローを変革するものではないようです。これは残念だなあ。
一方で、この「BackGroundエンコーディング」なるカラムがAppleのこのページの右下に用意されているので、一縷の期待はあるのですが、果たして。
わたしがやりたいことは、
(1) (iDVDのように)DVD Studio Proでのオーサリング時点ではQuickTimeムービーファイル(だから、ムービーに不満を持ったときにはFinal
Cut Proに立ち返ることができる)、
(2) オーサリングがほぼ終了した時点で「お試しMPEGエンコード」でできばえを確認、
(3) 総容量と画質を考慮しながらMPEGエンコードのパラメータを調整して、最終MPEGエンコード
というきわめてまっとうなワークフローなのですが、どうやらDVD Studio Pro 2でも...。残念そうですねえ(わたしの、発表情報の読み込みが足りないのかもしれませんが、とりあえずそう読めます)。
Final Cut Proの[レンダリングマネージャ]や[メディアマネージャ]のように、上記の(1)〜(3)を一括管理できるような[MPEGエンコードマネージャ」のようなものがDVD Studio Proに欲しいのです。
■タイムライン
2点目は、DVD
Studio Pro上にタイムラインが欲しい、ということ。
チャプターマーカ打ち(DVD Studio Pro上で行う)と、Subtitle Edtorで行うことになる「DVDVideo字幕」作成が、統合された「タイムラインウインドウ」上で一括管理できる、というのは、実に当たり前のことのように思うのですが。(もっというと、このタイムラインは、Final
Cut Proのタイムラインと統合されて欲しい。Final Cut Proでのビデオ編集作業中に、サブタイトルも入力しとく方が、流れとして自然なので)。
さて、ここはDVD
Studio Pro 2ではどうなっているのか、というと、待望のタイムラインの搭載です。ビデオ(マルチアングルなどに便利)、オーディオ(多カ国語対応に便利)、サブタイトルの各トラックが用意されたのは朗報です。しかも、Maestroゆずりのインターフェース。チャプターマーカ打ちも楽になりますし。
期待大です。
■メニューエディタ機能
3点目は、メニューエディタ機能が欲しい、ということを指摘しました。
これは、今回発表されたDVD
Studio Pro 2新機能の目玉のひとつですが、今回の発表だけでは詳細は不明です。
ボタン作成機能、レイヤー構造を持ったレイアウト機能(←これは搭載されてるみたいですね)などがやっぱり欲しいですね。FireworksやImageReady的なインターフェースで。
■モーションメニュー
4点目は、モーションメニューをなんとかして欲しい、ということ。
iDVD 2とDVD Studio Proとのモーションメニュー対決については、iDVD
2/DVD Studio Proとモーションメニュー対決にありますが、DVD Studio Proだとやたらまどろっこしいのです、ほんとに。
iDVDみたいに、まず、基本的な構造は自動で生成できて、その上でDVD Studio Proなのだからその上カスタマイズも可能、となってほしいものです。
でも、今回の発表には、それらしい記述はなさそうなので、残念だなあ。
■テンプレート
5点目は、テンプレートを用意して欲しい、ということ。
DVD Studio Pro 2ではなんと採用されてしまいました。2002.06.03
DVD Studio Proに望むことで以下のように書いたとおり、
営業上は「何十種類の即戦力テンプレートをご用意」とかなんとか謳うに違いないので、やたら派手なテンプレートもバンドルされるに違いないのですが(笑)、
案の定、その通りになりましたが、ともかく、わたしが欲しいのは、シンプルな基本型のデザインテンプレートです。ともかく、これはありがたいなあ。
さて、以上は、あくまでもハイアマチュアの立場からの視点でしたが、DVD Studio Proは仮にも業務用にも使えるとのふれこみなので、この点での機能強化・問題点修正がどうなっているか、興味の持たれるところではあります(というか、こっちが本質)。しかし、これらの点については、今回の発表では詳細まではわかりません。
DVD Studio Pro 2、待望のメジャーバージョンアップということで、わたしも期待大なのですが、一方で、私が期待していたことは、まあ、半分くらいかなあ。
あ、そうそう、iDVD 3プロジェクトをインポートできる機能があると、とってもありがたいですね。iDVD 3で基本形を作って、DVD Studio Pro 2で仕上げる、というのが、一番やりやすいDVD-Videoオーサリング環境かもしれません(笑)。あるいは、DVD Studio "Express"とか(笑)。
Avidが、NAB2003にあわせて新製品を発表しました。Mac製品に関する発表は、Avid Xpress Pro + Avid Mojoです。
Avid
Xpress Proは、SD/HDなどフルフォーマットに対応したDTV編集ソフト。2003年第2四半期登場予定で、$1,695-。Mac OS X版とWindows
XP版が同梱されます。
今回「フルフォーマット対応のXpress Pro」と「DVに特化したXpress DV」なるラインナップが出そろいましたが、「フルフォーマット対応のFinal
Cut Pro」と「DVに特化したFinal Cut Express」と同様ですね。
また、Avid
Mojoなるハードウエアも登場するようです。要は、PowerBook等のノート型パソコンに接続するアウトボックスのようなもので、ノートパソコンにリアルタイムDV出力機能を追加するためのものです。
ハードウエアアクセラレータAvid DNAシリーズのひとつと位置づけられてますが、Avid Mojo自体にどれくらいのアクセラレーション機能(レンダリングの高速化、RTエフェクトのパフォーマンス向上等)があるのかは、今回の発表からは今ひとつ読みとれなません。どうも、アナログビデオ/DV/非圧縮SD等のマルチフォーマットに対応した入出力ボックスのように見えます。
なお、$1,695-のAvid Xpress Pro発表に伴い、Xpress DVの価格改定(値下げ)も行われる(?、行われた?)ようです。Avid社の公式発表は未だありませんが、米販社PorMAX社のサイトではすでに、Xpress DVは$999-、となっています(詳しくは、MacDTV.forum(掲示板&メーリングリスト)のやりとりをご参照ください)。
2003.04.08 Apple社によるDTV関連ソリューションの買収劇の成果は...。
Final Cut Pro 4ネタは、ぷれぷれさんのFinal Cut Pro UnofficialDVD Studio Proのことなら野口 力さんのMac Power DVD、
2003.04.09追記 ぷれぷれさんはDVDMaestroでなく、Scenarist使いだったんですね。失礼しました。
ということで、MacDTV.comとしては「からめ手」で攻めてみようかと思います。
すなわち、今回発表となったFinal Cut Pro 4、DVD Studio Pro 2、Shake 3の3製品が、過去のApple社によるDTV関連ソリューションの買収戦略を交えてまとめてみます。(→2002.06.23 Apple社によるDTV関連ソリューションの買収劇。参照)
■ Final Cut Pro関連ヒストリー
Final
Cut Proは、1998年5月当時Macromedia社にて開発中の製品予定名Final
Cut(開発コード名Key Grip)を買収後、Final Cut Pro Ver.1.0が登場(→1999.04.10
Final Cut Pro 1.0登場参照)したわけです。その後、メジャーバージョンアップを重ね着実に成長を続けてきたFinal
Cut Proですが、いまひとつ、タイトル・テロップなどの扱いには不満が残るところでした。
今回のFinal Cut
Pro 4に搭載された新機能LiveTypeは、2002年6月のPrismo
Graphics社の買収(→2002.06.22
Apple、Prismo Graphics社を買収参照)によりアップルが手に入れたタイトルアニメーションソフトIndia
Titler Proが活かされているようです。
また、並行して、2001年04月のFocal
Point Systems社買収(→2001.04.21
AppleがFocal Point Systems社(FilmLogic)を買収参照)により入手したFilmLogic
for Mac OSを、2002年4月にCinema
Tools for Final Cut Proとして結実させました(→2002.04.06
Cinema Tools for Final Cut
Pro登場参照)。
今回のFinal Cut Pro 4では、Cinema Toolsも無料バンドルされるようになりました。
■ DVD Studio Pro関連ヒストリー
DVD
Studio Pro 1.xは、DVDirectorやM.packを有するAstarte社の買収(→2000.04.10
全米放送機器展(NAB2000)で衝撃の発表参照)により、2001年1月にDVD
Studio Pro Ver.1.0が登場(→2001.01.10
DVD Studio Pro 1.0登場参照)のが始まりです。
その後、マイナーバージョンアップを繰り返しDVD Studio Pro1.5でMac OS X対応(→2002.04.06
DVD Studio Pro 1.5登場参照)を果たしつつも、機能的には目立った進歩はありませんでした。
一方で、DVDMaestroなどのSpruce Technologies社買収(→2001.07.11 AppleがSpruce Technologies社を買収参照)の成果はいままでありませんでしたが、今回のDVD Studio Pro 2では、DVDMaestro譲りの部分も見られることから、ようやくSpruce Technologies社買収の成果が現れたと思われます。
■ Shake関連ヒストリー
2002年2月にNothing Real社を買収(→2002.02.08 Appleがビデオ加工・編集ソフト会社Nothing Realを買収参照)することでハイエンド合成ソフトShakeを手に入れたアップルですが、その成果はきわめて早く、その2ヶ月後のNAB2002では早々とMac OS X版Shakeをプレビュー公開(→2002.04.17 Apple、Shake for Mac OS Xをプレビュー参照)し、2002年9月にはShake 2.5として発売開始されました(→2002.09.03 Shake 2.5、発売開始参照)。
一方で、2D合成ソフトRAYZやChaliceを有するSilicon Grail社も2002年06月に買収(→2002.06.14 Apple、Silicon Grail社を買収参照)したわけですが、この成果が今回のShake 3に活かされているのか....、は今のところわかりません。
2003.04.07 アップル、Final Cut Pro 4を発表
アップルから、Final Cut Pro 4が発表されました。日本語版は7月販売予定で、リテール版98,000円、アップグレード版47,800円。今日以降にFinal Cut Pro 3を購入した場合のup-to-dateプログラムは6,000円。
Final Cut Pro 4の新機能詳細は、改めてご紹介します。
2003.04.07 アップル、DVD Studio Pro 2を発表
アップルが、DVD Studio Pro 2を発表しました。
DVD
Studio Pro 1.5では英語版のみでしたが、今度は日本語版も用意されます。
日本語版は9月中の販売開始予定で、59,800円(アップグレード版はないのかなあ??。DVD Studio Pro 1.x英語版から使って来たユーザこそ(よく使い続けてくれました(笑)と)もっと優遇されてもいいはず)。
また、本日からDVD Studio Pro 1.5(英語版)は59,800円への値下げされ、また3,800円のup-to-dateプログラムでDVD Studio Pro 2にアップグレードすることもできます。まあ、今日から買ってください、ってことですね(笑)。
DVD Studio Pro 1.5には不満たらたらのわたしとしても、DVD Studio Pro 2には相当惹かれます。詳細は、改めて。
でもまあ、普通のユーザの方だったら、(いくらお手ごろ価格で今入手できるからといって)なにも今からDVD Studio Pro 1.5に手を出さなくとも...、という気もしてます(笑)。
アップルが、Shake 3を発表しました。
Mac OS X版、Linux版およびIRIX版が用意されるのは、今まで通り。6月販売予定。
2003.04.05 MacDTV.forum(掲示板&メーリングリスト)2月,3月分過去ログダウンロード
お待たせいたしました。MacDTV.forum(掲示板&メーリングリスト)の2003年2月,3月分過去ログをダウンロードできます。スレッド型表示で、読みやすくなっております。また、これまで通り、MacOS(8.5以降)のSherlockの「内容で検索(Find By Content)」を使用できるように、掲示板&メーリングリストを「1発言1ファイル」に切り分けてあります。Sherlockを使用した過去ログ検索のヒントについては、Sherlockを使ったオフライン検索法に記載してあります。
MacDTV研究室に、ビデオの「色」なる記事を用意しました。大作です。
実際、DTVをやっていると、さまざまな「色」の問題に出くわします。ビデオにまつわる色の問題を解説しようというこのコーナーですが、
ことの発端は、アスキー社MACPOWER誌2003年4月号208ページの服部さんのロードテストにご協力していたおり、RGBレンダーの是非に関して口頭では説明しきれなかったので、じっくり文字で解説しよう、と思い立ったのがきっかけです。
まあ、思う存分書いてみましたが、うーん、マニアックですねえ。まあ、「色あわせ」なんて、「突き詰めようとするユーザ」以外必要のない作業には違いありませんから(笑)。
2003.04.02 GenArts SapphireがFinal Cut Pro, AfterEffects, Premiere, combustionに対応
旧聞に属しますが、GenArts社が「同社のエフェクトプラグインソフトSapphireが、Final
Cut Pro、Adobe AfterEffects、Premiere、Discreet combustionに対応予定である」旨、発表しました。
まあおそらく「AfterEffects用プラグインとして作られているので、AfterEffects用プラグインが利用できるFinal Cut Pro、combustionでも使うことができる」なんて事だろうと思いますが。
Sapphireといえば、ハイエンド合成系では定番エフェクトプラグインでしたが、これも低価格化の波にさらされているんですねえ。
アップルから、QuickTime 6.1.1 が公開されました。MPEG-4 ストリーミングでの不具合の修正だそうです。
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