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CitiDisk DVは、DVカメラに接続するとDVデッキのように振る舞い、MacにつなぐとFireWire HDDのように振る舞う、という製品です。類似の製品としては、すでにMacDTVソフトウェア関連情報でご紹介したDV MasStorなどがあり、総じてDV HDDなどと呼ばれます。
DV HDDの利点は、Mac+DTVソフトを使った「DVキャプチャー」工程が不要になる(=時間短縮、およびキャプチャー作業時のMac占有をなくすことが出来る等)点にありますが----ただしこの点については「宣伝文句どおりとは限らないことも多い...(笑)----、CitiDisk DVの場合、さらに、可搬性がよい(小サイズ、バッテリ内蔵)、比較的安価(同種製品に比して)、といった特徴もあります。
今回Amulet社のモニタに応募しまして、実際のところを確かめてみました。
ではまず...。
CitiDisk DVのFireWire端子(6ピン)とDVカメラのDV端子(4ピン)を接続し、DVカメラからDV信号を送出、CitiDisk
DVの[Rec]ボタンを押すと、録画が始まります。
録画が終了したら、CitiDisk DVをMacのFireWire端子に接続し直します。デスクトップにマウントされて準備完了。このボリュームは、FAT32(Windowsの標準HDDフォーマットのひとつ)でフォーマットされており、なかにある[Movie]フォルダの[Media]フォルダ内に、録画したDVデータファイル(DVストリーム形式)が連番形式で保存されています。
CitiDisk
DVはDVストリーム形式で録画するので、基本的にiMovieとは相性がいいです。iMovieプロジェクトファイルの[Media]フォルダ内に、コピーするだけです。ファイルフォーマット変換は必要でないので、この操作だけですぐ使うことが出来ます。
一方Final Cut Proの場合、ネイティブのファイルフォーマットはQuickTimeムービーなので、DVストリームからのフォーマット変換が必要です。ただ、DVストリームから「DV
Codecを使用したQuickTimeムービー」に変換する必要はなく、Final Cut Pro上でオーディオレンダリングをするだけです。
さて、前述のように、CitiDisk DV(などのDV HDD)のウリは「DVキャプチャー工程が不要」という点にあるのですが、実際的な使い方を想定した場合、疑問点が残ります。DV MasStorの場合もそうですが、この手のDV HDDの場合、[Finderコピーに要する時間]+[オーディオレンダリングに要する時間]が掛かってしまいます。したがって、これらの[合計時間]が[DVキャプチャーに要する実時間]よりも有意に短いか、という点がポイントになります。そこで、1.7GB(約8分)のDVストリームデータをFinal Cut Proで編集スタンバイOKの状態に持ってくるまでの時間を比較してみます。
やりかたとしては、
(1)
普通のやりかたで「DVキャプチャー」する。この場合の処理時間は、実時間の1倍(5分のシーンなら5分かかる)となりますね。
(2) CitiDisk DVからMac内蔵HDDにFinderコピーした後、Final Cut Proでオーディオレンダリング
(3) (CitiDisk DVからMac内蔵HDDにはFinderコピーぜず)CitiDisk DV上のファイルを直接Final Cut Proで読み込んで、オーディオレンダリング(この場合、オーディオレンダーファイルはMac内蔵HDDに置くことにします)
の3とおりのやりかたがありますね。それぞれをPowerMac G4 1.25GHz Dual(Mirrored Drive Door)、PowerMac G4 733MHz(Digital Audios)でテストしてみます。結果は次のとおり。
マシン環境
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1.25GB
Dual
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733MHz
Single
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733MHz
Single
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DVキャプチャー
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工程
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Finderコピー | 01m35s
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Finderコピー | 01m45s
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Finderコピーを行わず、オーディオレンダリング | 05m33s
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08m33s
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オーディオレンダリング | 01m01s
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オーディオレンダリング | 03m56s
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合計時間
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02m36s
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05m41s
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05m33s
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08m33s
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実時間比
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0.42倍
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0.67倍
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0.65倍
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(1倍)
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ちなみにDV
MasStorの場合、Finderコピーに要する時間は実時間の0.73倍1)でした。実際の使用ではFinderコピーの他にさらにオーディオレンダリング処理が必要なわけですから、こうなると「DV
MasStorだとDVキャプチャー実時間以上の前処理(Finderコピー+オーディオレンダリング)が必要」となってしまい、なんのこっちゃ(笑)、という状態でした。
ところが、CitiDisk DVの場合、Finderコピーに要する時間は実時間の0.13倍2)で済みます。ですから、これにオーディオレンダリング処理時間を加えても、DVキャプチャー実時間よりも短い所用時間(上記の例では、0.42〜0.67倍)でFinal
Cut Proで編集スタンバイOKの状態に持ってくることができます。この点は、思いの外すばらしい性能ですね。
1) 09m52s26f(2GB)のデータファイルの場合、コピーに要する時間は07m16s。
2) 08m33s(1.71GB)のデータファイルの場合、コピーに要する時間は01m45s。
MacDTV.forum(掲示板&メーリングリスト)4月末〜5月上旬の議論で、CitiDisk DVのFinderコピー性能がひとつのカギ、と書きましたが、それはこういう意味だったんですね。そして、結果は思いの外良好、といえます。
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