というわけで、続きます。
性能に関しては、うーん、どうなんでしょ。いくつか、ベンチマーク結果が発表され始めていますが。
例えば、一般的なベンチマークテストの結果が、Geek Patrolの記事[ Mac Pro Benchmarks - Mac Pro vs Power Mac G5 ]に掲載されていますが、PowerMac G5 2.5GHz Quadにくらべて、Mac Pro 2.66GHzではそれなりの性能向上が見えますが、圧倒的というほどではありません。テスト項目が整数演算、浮動小数点演算、メモリテストなどでわかるとおり、このベンチメーク結果は、"計算機としての基本性能"と評価したものと解釈すべきで、これらの結果が、即、アプリケーションの実行速度となるわけではないことはいうまでもありません。
ただ、純粋に、"計算性能"でCPUを比較した場合、PowerMac
G5 2.5GHz Quadに搭載されているPowerPC 970MPは、Xeon 7100に比べてひけをとるものではありません、今でも。AppleがIntel
CPUに移行したのも、"消費電力当たりの性能"を重視したからであって、熱設計に余裕があるデスクトップ機(PowerMac、Mac
Proの系譜)に限って言うと、別にPowerPC 970MPのままでもよかったわけです。
Intel CPUに移行した主要因は、PowerPC G5では消費電力が大きすぎて、ノート型機への搭載が困難だったから、だったわけで。
こんなことを考えると、"計算機としての基本性能"を比較したこのベンチマーク結果が、両者、大した差がないというのも、意外ではありません。
ともあれ、興味があるのは"計算機としての基本性能"そのものではなく、"DTV関連アプリケーションを使ったときの処理速度"ですよね。
これについては、Bare
Featsの08.15付記事[ SHOOTOUT:
Quad Xeon 3.0GHz Mac Pro versus Quad G5 2.5GHz Power Mac ]に、Photoshop CS2、After Effects 7.0、iMovie、Final Cut Pro上でのベンチマーク結果が紹介されています。これによると、Rosetta上で動作するPhotoshop
CS2とAfter Effects 7ではPowerMac G5 2.5GHz Quadの方が若干速く、一方、Universal Binary化されたiMovie
6やFinal Cut Pro 5.1ではMac Proの方が若干速い、という結果が得られています。
なんにしても、テストの項目が少ないのでなんともいえないのですが、
案外、Rosetta環境でも善戦しているのですね。特に、AfterEffectsのNIghtlight Render(ってAfterEffectsのサンプルプロジェクトですよね)を見ると、(まあ、この結果は3者に差はないと解釈すべきなのでしょうけど、あえて言うならば)Mac Pro 2.66GHzではPowerMac G5 Quadに負けてるけど、3GHzモデルなら勝てる、ってのは少なからず驚きです。Rosettaの出来(パフォーマンス)がいいんでしょうか。それとも、うがった見方をすれば、AfterEffectsは元々PowerPCの良さを引き出すような作りになっていないのか?(笑)。
また、Universal BinaryアプリであるiMovieでは、Mac Proの方が相当いいといえますが、一方でFinal Cut Proで3者に差がないのはなぜ?。というか、Render HD Importとは一体どんなテストなんでしょう?。20秒間のHDムービーを再圧縮しているのかなと思えるのですが、これだとFinal Cut Proの性能を見ているのではなく、QuickTimeの(そのCodecの)性能を見ているように思えます。もっと複雑なFinal Cut Proプロジェクトのベンチが是非とも見てみたいところです。だれかベンチマークを採ってくれないかな。
え、そんなこと言ってないでMacDTV.comがベンチマークテストを採れ、って。ごもっともです。
で、続きます。
この記事のURL: http://www.macdtv.com/Macunamatata/Articles/20060824/index.html