2007.02.22 2代目Mac Proは、まだ?? /その3 次世代DVDドライブ搭載

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[ 2代目Mac Proは、まだ?? ]ネタ、MacDTV.comサーバのメンテナンス作業のため、間が空いてしまいましたが、その3をお送りします。

2007.02.09 その2 CPUの話しで書いたとおり、新QuadコアCPU Xeon 5300搭載でも必ずしも性能向上が期待できないこの時期に、新Mac Proを登場させるとすれば、....次世代DVD対応くらいしかないのかも。

そうなら、Appleは一応Blu-ray陣営なので、Blu-Ray Discレコーダが内蔵されるのかな。

ただねえ、次世代DVDを搭載したとして、どれだけ売れるのかな、と。

過去を振り返ると、PowerMac G4 ADPモデルで、「業界初のDVD-Rレコーダドライブ内蔵+iDVD」、というインパクトが思い出されますが(わたしもすぐに買ったっけ...)、夢よ、もう一度となりますかどうか。だって、当時、DVD-Videoはすでに普及してました。映画をはじめとしてDVD-Videoコンテンツもラインナップがそろっていたし、再生環境(家庭用DVDプレーヤ)もそこそこ普及してました。

ところが、次世代DVDは普及期に入っていません。コンテンツも少なければ、再生機も普及していないし。Blu-ray Discドライブ搭載で数万円くらいはコストアップしますから、それも考えると、それこそマニアしかと受け入れてくれないのでは、なんて思ってしまいます。


もうひとつ、Mac上での次世代DVD Videoの再生には、ハードウェア、ソフトウェアからいくつかの改善が必要です。いろんな切り口がありますが、ここでは、著作権管理技術という側面から。

バッファーロー社の [ Blu-Ray Disc まるわかりガイド 用語集 ]の中ほど、[ 著作権管理に関するもの ]の項がうまくまとまっています。
まとめますと、

次世代DVDメディアの再生のプロセスは、3ステップからなり、それぞれ、
● ステップ1 次世代DVDドライブ→再生ソフト(CPUやメモリ)は、AACS、
● ステップ2 再生ソフト→グラフィックカードは、COPP、
● ステップ3 グラフィックカード→液晶モニタ/TVは、HDCP
という著作権保護機構が用意されています。

第一点目、AACS。

次世代DVD Video上の映像・音声データは、AACS(Advanced Access Content System)によって、保護(暗号化)されています。Macに接続された次世代DVDドライブから読み込まれたデータは暗号化されたまま、CPUまで運ばれます。この間、データは、SATA/PATA(内蔵型ドライブの場合)や、USB/FireWireなど(外付けドライブの場合)を経由してMacのロジックボードに入り、ロジックボード上では、PCI ExpressバスやPCIバスなどを介してCPUに送られます。
この経路のどこかでデータキャプチャーができると、次世代DVDのコピーが可能になってしまいますので、これらのすべての経路において、流れる情報はAACSで暗号化されています。

なお、AACSは、「パソコン」と「周辺機器」間だけではなく、インターネットやLANにも活用可能で、将来のオンデマンドストリーミングや、家庭内データサーバなどでの利用が想定されます。MacとApple TVとの間のLAN接続でも、AACSが使われるんじゃないかな。

AACSで暗号化された情報は、CPU上で伸張されます。この役目をするのが、"DVDプレーヤー"の後継アプリケーション。"DVDプレーヤー"でも、DVD-VideoのCSSを復元(暗号解除)し、MPEG2を伸張しますが、"次世代DVDプレーヤー"アプリケーションでも、AACSの復元の後、MPEG2-TSやH.264の伸張を行うことになります。

第二点目、COPP

CPUで伸張された情報はGPUに送られ、その後、グラフィックカード上のDVI端子からモニターへ出力されます。当然ながら、この経路も、著作権保護がなされなくてはなりません。CPUからGPUまでの間を暗号化する技術のひとつが、COPP(Certified Output Protection Protocol)です。
伸張された情報は、"次世代DVDプレーヤー"アプリケーションによりCOPPで暗号化されて、PCI Expressを経由でGPUに送られ、グラフィックドライバにより復元(暗号解除)されます。

こうしてみると、"次世代DVDプレーヤー"アプリケーションは、入力側でAACSに対応、出力側でCOPPに対応していることが条件です。

なお、COPPは、マイクロソフトが開発したってところが、すこし引っかかるかも知れません(笑)。Macなら、"次世代DVDプレーヤー"アプリケーションも自作、グラフィックカードのドライバも自作なので、その間の暗号化も独自技術を採用してもかまわないはすなので。
ただし、「将来のIntel GMUグラフィック環境では、ハードウェアレベルでCOPPに対応できてる」なんてことも充分考えられるので、Appleも独自技術で無理せず既存技術に頼っておいたほうが無難かも。

第三点目、HDCP。

HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection system)は、おなじみで、グラフィックカードのDVI端子とモニタの間を暗号化するもの。HDCP機能付きのDVIは、AV機器でのHDMIと互換性があり、端子形状の違いはアダプタで変換できます。
現在のラインナップのApple Cinema Displayシリーズは、DVI端子を採用していますが、HDCP非対応なので、次世代DVD Videoを再生することはできません。新Mac Proを現Cinema Displayに接続した場合、HDではなく、SD相当の画質でしか表示できないはずです。なので、新Mac Proに次世代DVD再生機能が搭載された場合には、同時に、HDCP付きDVI端子*)を採用したCinema Displayニューモデルも登場することは必然です。

Cinema Displayニューモデルでは、HDCP付きDVI端子ではなく、UDI端子かもしれません。UDI端子も、HDMIやHDCP付きDVIと互換性があります。

長くなりましたので、続きます。

 

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