2006.02.21 パソコン上での次世代DVD再生

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CNET Japan News の2006.02.17付記事[ PCユーザーを混乱させる次世代DVDのコピー対策 ]。
これは、次世代DVDビデオ(Blu-ray Disc VideoやHD DVD-Video等)を、パソコン上で再生させることに関する話題ですが、まあ、記事で指摘のように、当面は混乱しそうですね。ただ、この記事を読んでもよくわからない点もありますので、わたしなりにまとめてみました。

今、パソコン上で市販のDVD-Video(映画とか)を再生する場合、なんの障害もなく、PCモニタに表示されますよね。グラフィックカードによっては、TV出力も可能なものもあります。DVD-Videoには、SDビデオ(標準精細ビデオ。デジタルの場合、720×486)が収納されてますから、PCモニタ上でも720×486(とか640×480)のサイズで表示されます。

せっかくのHDビデオ(高精細ビデオ。1920×1080や1440×1080、1280×720等)ソフトが収録された次世代DVDビデオなのだから、家電品の薄型TV(液晶TVやプラズマTV等)だけでなく、パソコン&PCモニタでも再生したい、というのは、当然のニーズではあります。
しかし、「DVD-VideoのPC上再生」と同じことを、次世代DVDでも認めると、エライことになってしまいます。例えば、
(1) PCモニタ(DVI端子)出力をキャプチャーしたら、デジタルでHDビデオをコピーできてしまいます。
あるいは、
(2) PCで再生するソフトを乗っ取ってHDDに書き込んでしまう、
ということもあり得るでしょう。これでは、コピーし放題なので、ソフト業界がコピー防止措置を強く望んでいるのも至極当たり前の話しではあります。

で、(1)の防止のために、
パソコンとPCモニタ間のキャプチャー防止措置が必要で、それにはパソコンとPCモニタ間をHDMI接続するのが本命です。HDMI端子は、DVIと電気的に上位互換性があります(DVIはビデオだけですが、HDMIではさらにオーディオ信号も送信できます)が、さらにコピー防止措置として、パソコン(のグラフィックカード)とPCモニタとの間で「認証」を行うようになってます。グラフィックカードから「今からHDビデオを送るけど、おまえはちゃんとしたモニタなんだろうね??」と問いかけ、「OK」と答えが返ってきたら暗号化された信号を送る。答えが返ってこない場合にはHDビデオの送信を取りやめる、といった仕組みです。

だから、PCモニタ選びのポイントがHDMI対応です。新型Apple Cinena DisplayなんかもHDMI必須でしょうね(NABの頃にリリースされるのでしょうか)。ただ、HDMI対応していればよいかというとそうでもなく、例によって、HDMIのバージョンによってどうのこうのあるようなので、なんですが(笑)。

また、(2)の防止のため、
この手のHDビデオをコピー防止措置なしにPCIのような汎用バスに流してはならない、というキマリがあります。確かに、裸のままパソコンに流したら、キャプチャーし放題ですもんね。
で、裸のまま流さないためにどうするかというと、

すでに地上波デジタル放送を見ることが出来るパソコンでは、デジタルチューナとグラフィックカードを専用ケーブルで直結しちゃう、という荒技を採用しているものがあります。ケーブル直結なら、パソコンロジックボードを流さなくていいですよね。でも、これは汎用性がないので、本命ではありません。

本命は、HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)で、例えば、地上波デジタルチューナや次世代DVDドライブ上で一旦信号を暗号化し、パソコンロジックボード内を暗号化された信号を流す、そして(グラフィックカード上、または)HDMI接続されたPCモニタ上で暗号を解除する、という仕組みです。

HDCPはインテル開発の技術ですので、「ああ、MacもIntel CPUに乗り換えといて良かったね」(笑)、という話しになるのでした。PowerPCのままだと、CPUとチップセットはIBMの環境にさらにHDCP対応のためにIntelチップも載せる、なんてことになってしまいますけど、Intel CPUならチップセットもIntel製ですから、HDCP対応も簡単です。

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