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QuickTime |
1998.01.01初稿
2005.01.05改訂 |
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ここでは、MacでDTVをする上で忘れてはならないQuickTimeの世界を概観します。そして、DTVにおける2つの宿命、データ量とデータ処理速度と戦うための武器、「圧縮」という概念を説明します。
MacでのDTVを支える基盤技術、QuickTime
今や、渡る世間は窓(笑)、ばかりですが、それでも、Macが活躍している数少ない分野のひとつがDTV。そもそも、歴史的に見ても「DTV」ということばは、MacとQuickTime(とPremiere)によって産まれ、それ以降DTVの普及を牽引してきたのもQuickTimeです。
現在においても、(Winでなく、わざわざ)MacでDTVをするアドバンテージはどこにあるか、というと、それは、
MacOSプラットフォームこそが、QuickTimeの総本山であること
に尽きます。
と、前書きはさておき、ではそもそも、QuickTimeとはなにを担うものなのか、それは、DTVにとってどんな意味を持っているのか、という点をご紹介するのが、このコーナーの目的です。
QuickTimeが革新的だった、その理由は、
OSの機能として 、 ソフトウェアによって 、 時間軸との同期を可能としたこと
にあります。
時間軸との同期
まず、「時間軸との同期を可能としたこと」からいきましょう。
これは端的に言えば、高性能マシンでもそうでないマシンでも、1分間のムービーなら1分間かかって再生される、ということです。
当たり前かと思われるかも知れませんが、その昔、例えばアニメーションなどでは、高性能マシンの方が再生が速くあるいは早く終わってしまってましたから。今でも、ゲームがそうですね、最新のゲームを昔のマシンで遊ぶと遅いこと・遅いこと。
DTVにおいて忌み嫌われるコマ落ちではありますが、いってしまえば、コマ落ちさせ(てでも時間軸と同期をと)ること、その発想が画期的だったわけです。
OSの機能として
次に「OSの機能として」という意味は、
どのアプリケーションを使っていても、QuickTimeの機能を利用できる、
という利点を生みます。
もちろん、QuickTime以前にもコンピュータを使ったノンリニア編集は存在しましたが、その場合、専用システム(専用ハード+専用アプリケーション)によって達成されていたのです。この場合、当然専用システムですので、他のアプリケーションであるとか、別のボードを使った場合にはデータの互換性は当然ありません。
また、DTV編集ソフトAのいろんな機能が、OSレベルでなくアプリケーションレベルで達成されていたとしても、その機能はDTV編集ソフトA上でしか利用できないわけです。ところが、OSレベルで提供される機能ならば、DTV編集ソフトAからでもDTV編集ソフトBからでも利用できますし、データの連携も簡単です。
余談ですが、未だにWindowsのDTVシステムはその傾向が強いです。例えば、DTVシステムA単体での完成度はそこそこあるのに、DTVソフトBと併用しようとするととたんに不便(データ連携や使い勝手が今ひとつ)だったり、というのはよくあることです。
ソフトウェア処理
「ソフトウェアによって」という点については、これは「志の高いMacの伝統」ですね。
どんな新機能でもそうでしたが、リリース当初はハードウェアが追いついていないので、とてもこんなものでは使いものにならない、という酷評は当然です。
でも、ハードウェアの進歩によって、いつのまにか解決されるのですねえ。正しいかどうかは、時の流れが判断してくれます。
QuickTime登場当時Mac IIsiを使っていたわたしも、こんなもの使いものにならない、と思っていた口です。あるいは、PowerMac G3時代に、今のようにリアルタイム処理が可能になろうとは思いもしなかったです。
但しDTVという作業は、現在においても、重い処理に違いありません。このため、ソフトウェアのみで処理するというのは、(質を落とせば別ですが)現実的ではないことも多々あります。その場合は、拡張カードをはじめとするハードウェアの助けを借りざるを得ません。ハードウェアに依存する分、互換性(データの連携など)が低くなることは致し方ありませんが、QuickTimeではハードウェアの違いを吸収する仕組みが用意されており、基本的には、どのアプリケーションを使用しようと、それがQuickTime対応アプリケーションならば、同じ操作で使用できます。
QuickTimeの優位性としては、さらに、
様々なトラックも扱えること
様々なフォーマットに対応していること
様々な圧縮方法(Codec)に対応していること
も上げられます。次項以降では、これらの点について、概観してゆきます。
圧縮ってなに?? |
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