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リアルタイムエフェクトの実際.2 |
2001.05.11改訂 |
では、おまちかね、リアルタイムエフェクトの実際のところをお見せしましょう。
リアルタイムエフェクトの実際
RTMacが提供するリアルタイム処理、これは、プレビュー時のレンダリングを不要にしてくれることです。
例えば、こんなシーン。これは、ビデオトラック1の上に、Outlined Text(縁取り付きテキスト)を2レイヤー重ねて、字幕入れとスクロールをさせたものです。
2重にテキストを重ねるなんてシーン、頻繁にあると思うのですが、これまでの環境では、いうまでもなく、プレビューレンダリングが必要でした。つまり、そのたびに、レンダリング処理のために時間を無駄にしていたわけです。しかも、テロップ位置をほんの少し変えるだけでも、スクロール速度をちょっといじっただけでも、再度プレビューレンダリングをかける必要があるわけです。
Final Cut Proの場合、レンダリング時間の短縮については、プレビューレンダリングの品質を落とすなどの工夫で少しは改善可能でしたが、
Macモニタ上で見ても、効果をかけたシーンにさしかかると、急に画質は落ち動きはぎこちなくなります(プレビューというのはもともとそういう意味ですが)。
NTSCモニタ(TV)上で見る場合も、効果をかけてないシーンは、FireWire経由のDVカメラに接続したNTSCモニタ上で確認できるのですが、品質を落としてプレビューレンダリングした場合、効果をかけたシーンはNTSCモニタ上には再生されません。ですから、NTSCモニタ上で確認するためには、プレビューレンダリングの品質は[高品位](最終レンダリングと同品位)にしておかなくてはいけません(DV Tool Kitを使えば別ですが)。
ここをRTMacはリアルタイムでこなしてしまうため、プレビューレンダリングの必要がなくなるのです。
プレビューレンダリングが不必要になった、これはまさに、劇的な編集作業の改善、を意味します。試行錯誤の回数を飛躍的に増やすことができるのですから。
テロップ位置もスクロール速度もこだわってください。そして、Playボタンを押すだけで、Macモニタ上にも、RTMac入出力ボックスにつないだNTSCモニタ(TV)上にも、コマ落ちなく再生されるのですから、プレビューレンダリングの待ち時間なしに!!。
うーん、我ながら、気合いの入った筆運びになってきました(笑)。
特に、Macモニタ上でなく、NTSCモニタ(TV)で出来映えを確認できる点は非常にありがたいです。
あ、なお、白クリップは起こりません。
リアルタイムエフェクトの限界点
いいところは充分に述べましたから、次に、RTMacの限界についても書かないといけませんね。
RTMacでリアルタイム処理が可能なのは、3レイヤーまで、となっています。
Final Cut Pro 2では、リアルタイム処理が可能なシーンについては、Timelineウインドウのレンダリングバーの箇所が−(緑色)で表示されます。一方、RTMacの限界を超えたシーンは、−(赤色)で表示されるようになっています。
上図は、ビデオトラック1に、Outline Textを3段重ねしたシーンですが、
ビデオトラック1(1レイヤー目)にテキストが2段重なっているシーン(2、3レイヤー目)は−(緑色)ですが、さらにもう1レーヤー重なっているシーン(4レイヤー目)は−(赤色)が表示されています。
Cross Dissolve + Text + Still
この例では、Cross Dissolve(太文字表示されるRTMac対応トランジッションです)で、ビデオトラックAとBの2レイヤーを消費していますね。この上に、Textで3レイヤー目を使用しても−(緑色)ですが、さらにもう1レーヤー静止画のモーションを重ねてみると−(赤色)。
Cross Dissolve + Text + Text
この例では、Cross Dissolve(太文字表示されるRTMac対応トランジッションです)で、ビデオトラックAとBの2レイヤーを消費していますね。この上に、Textで3レイヤー目を使用しても−(緑色)です。
テープ出しをターゲットにした編集の場合、通常の場合、トランジッションの上にテロップが載る、というのが最悪といってよいケースですが、こんな場合でも楽勝ですね。もちろん、テキストにはモーションをかけても大丈夫です。でも、2レーヤー目のTextを重ねてみると−(赤色)になります。
Still + Text + Text
この例では、ビデオトラック1の上に、2レイヤー目においた静止画でマットを抜いています。その上に、Textをかぶせて行った場合です。
テキストを1レイヤーかぶせた場合では−(緑色)ですが、2レーヤー目のTextを重ねてみると−(赤色)になります。
RT Effectsは、8秒以上の間隔を置かないとダメ
これはマニュアルに記載されていますが、こういう制約が現状では存在するようです。
繰り返しになりますが、RTMacでリアルタイム処理が可能なのは、3レイヤーまで、となっています。
つまり、決して、万能ではありません。
テープ出しをターゲットにした編集の場合、いくつかの例でお示ししたとおり、通常の場合、RTMacのリアルタイム機能で充分でしょう。普通は、トランジッション、そしてテロップ入れ、といったところで、トランジッションの上にテロップが載る、というのが最悪といってよいケースですが、こんな場合でも楽勝ですね。
こういった用途の場合でRTMacで力不足、という方には、あんた、どういう編集をしているの、と尋ねたくなります(笑)。
一方で、
モーショングラフィック系の編集作業には、あまり威力を発揮しません。だって、3レイヤーまでなんですから。これは、すぐにおわかりになると思います。
もう一点、注意すべき点があります。RTMacはプレビューレンダリングを高速化(リアルタイム)してくれるのですが、最終レンダリング(ムービーの書き出しやTape書き出し)は高速化されるのでしょうか。
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