2007.06.08 Apple ProRes 422のホワイトペーパー その4

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前回より続きます

素材は、HDビデオ素材としてはHDVとAVCHDが、SDビデオ素材としてはDVが、タイムライン上に混在する状況。
一方で、最終的にBD-Videoに持ってゆく場合のデータフォーマットはひとつ(MPEG-2かH.264か)。
さて、編集段階ではどんなデータ形式を使って、フィニシング(最終レンダリング)すると、便利・快適か?

に関して、次に、編集終了後の「最終レンダリング」について考えると、

BD-Videoに持ってゆくデータフォーマットはどうする?

ということに突き当たります。もっと突き詰めると、

MPEG-2を持ってゆくか、H.264か、ということ。

 

BD-Video(やHD DVD-Video)では、MPEG-2、H.264(H.264/MPEG-4 AVC High Profile)、VC-1 Advanced Profile(Windows Media 9)の素材が利用できます。

MPEG-2

デジタル放送でもMPEG-2が採用されているので、HDDレコーダでエアチェックした番組(MPEG-2)を、再圧縮(フォーマット変換)することなくBD-VideoやHD DVD-Videoに書き込むことが出来ます。

また、市販の映画BD-Videoでも、現状ではMPEG-2を採用したものがほとんどです。

DTV性に関しては、HDVもMPEG-2でなので、HDV nativeで編集した場合、BD-Videoオーサリングにそのまま持ってゆくことが出来ます。

H.264

長所

MPEG-2の約2倍の圧縮効率が最大の長所です。つまり、
画質が同程度で良いならBD Video1枚辺りの収録時間を長くできるし、
収録時間が一緒で良いならbitrateを上げることで画質を向上させることが出来る、
といったメリットを産みます。

また、MPEGのような、ブロックノイズ・モスキートノイズ発生も大幅に抑えられています。

AVCHDではH.264が採用されており、再圧縮(フォーマット変換)することなくBD-Videoに書き込むことが出来ます。

欠点:

圧縮に時間が掛かること。これにつきます。

MPEG-2を持ってゆくか、H.264か

現状のように、HDV素材(MPEG2-TS)しかないのだったら、native HDVで編集し、BD-VideoへはMPEG2で持ってゆくのが合理的でしょう。

だけど、将来のHDV・AVCHD混在環境では、どのみち、編集後は、あるひとつのフォーマットへ(MPEG-2かH.264かへ)と変換(再圧縮)しなくてはならないわけです。それだったら、ハンドリングが容易なApple ProResで編集時点で採用しておいて、編集後、タイムラインごとH.264へと最終レンダリングすればシンプルかも。

 

まあ、そんなこんなで、近い将来のHDV・AVCHD混在環境では、Apple ProResで統一するのも悪くない気がしてます。

じゃあ、「私」にとって実現可能か、というと、HQモードで要求される220Mbps(27.5MB/s)も、
転送速度上、内蔵HDDのソフトウェアRAIDや、外付けeSATA RAIDボックス等を使えば、今やさほど高価でなく組めますし。
容量上、1分当たり1.65GB、1時間当たり100GBを消費する計算ですが、これなら編集中の作業エリアは確保可能です。(とはいえ、編集終了後のデータバックアップの際に困ったことになるかも、という気は...。)

なので、今や、アマチュアにとっても非現実ではなくなった、技術の進歩・コストダウンにいまさらながら驚き&感謝。

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