では、DTV分野への影響はというと。
● Final Cut Studio
比較的冷静でいられるのは、これほど安心してられるのは、OSもハード(Mac本体)もDTVソフトも同じ会社(=Apple)で作られているからですよね。Appleとしても、意地でもIntel
CPU Macにnative対応を果たすことは間違いないですから。それも、サードパーティ社へこう言った手前、できるだけ早く、Intel CPU
Mac発売開始と前後して。
● プラグインソフト
主要DTVソフトがIntel CPU Macにnative対応したとしても、その先に、プラグインソフトのnative対応も果たされなくてはなりません。サードパーティ社製AfterEffectsプラグインソフトなんかは、いくら自分ががんばっても、まずはアドビがnative対応版AfterEffectsをリリースしてくれなければどうしようもないわけですから、うーん、2〜3年は影響が残りそうです。
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ソフトウェアエンコード
ソフトウェアエンコードでフル活用しているVelocity Engine(PowerPC G4, G5固有の数値演算ユニット)については。ソフトウェアエンコードの際に、PPCに最適化されている(Velocity
Engineを活用している)ソフトは、Intel搭載Macでは、間違いなく速度は落ちるでしょう。さらにRosettaでコード変換するわけだから...。
とはいえ、Intel CPUにも、SSEという固有の数値演算ユニットがあるので、長期的には解決するでしょうが、エンコードソフトがIntel
CPUにnative対応するまでは、速度的にはちと厳しいことになりそうです。ま、ただ、Windows版とMac版の両方を発売しているソフトも多いので、肝心の処理計算エンジンの部分は、Windows版(当然Intel
CPUに最適化)で蓄積されたノウハウをMac版Intel CPU向けにも流用できる部分も少なからずあるわけで、まったくのゼロからの出発ではない点は救いです。
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周辺機器
DTVの場合、拡張機器を使う分だけ一般用途よりもハードウェア依存が大きいわけで、こういったプラットフォームの変更は影響が大きいはずなんです。
とはいえ、いずれ、レガシーなPCIは捨て去って、PCI Expressに変わる日が来るはずなのです、CPUがPowerPCのままであったとしても。だから、拡張カードのことを言い立ててもしかたがないのでしょう。
拡張機器のドライバーソフトは、Intel CPU Mac用に書き換えないとならないでしょうね。ハードウェアがらみは、Cocoaだからリコンパイルだけ、とは済まないはずです。
まあ、こうしてみると、Final
Cut StudioのIntel CPU対応は心配しなくてもいいし、Final Cut StudioやMacで良好な関係を保っているハードウェアも、Intel
PowerMac登場からさほど遅れることなく、新製品をリリースしてくれることでしょう。
不便を感じるのは、気の利いたプラグインソフトが非対応、といった時くらいかな。いやいや、Photoshopを始めとするAdobe製品だったりして(Adobe製品がnative対応を果たすまでは、いくらFinal
Cut Studioがあるとはいえ、ちと厳しそう)。
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