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CHAPTER1.3
QuickTimeとファイル圧縮
2000.01.31初稿
2004.11.15改訂
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ここでは、MacでDTVをする上で忘れてはならないQuickTimeの世界を概観します。そして、DTVにおける2つの宿命、データ量とデータ処理速度と戦うための武器、「圧縮」という概念を説明します。

書籍版「Mac de DTV Macでお手軽ビデオ編集」19ページ〜

 

いまや、数的にはマイナーになってしまったMacintosh(笑)。

今(1999年初頭)でこそ、iMacの爆発的ヒット、デスクトップ機に劣らない性能を誇る世界最速ノート機PowerBook G3、そして、スタイリッシュボディーに先進I/Oを詰め込んだPowerMacintosh G3 Blue&Whiteなどの数々のヒットにより、よもやMacintoshプラットフォームの消滅(笑)などを心配なさる方もおられないと思いますが、
それまでは、まあ、冬の時代(笑)を過ごしてきました。

でも、MacでDTVをなさっていた方は、そんな冬の時代にあっても、Macintoshプラットフォームから離れる方はそれほどおられませんでした。Macに並々ならぬ愛情をお持ちだから、という理由もあるでしょうが、DTVの場合、もうひとつ大きな理由がありました。そしてその理由は、現在においても、MacでDTVをするアドバンテージそのもの、でもあります。それは、

MacOSプラットフォームこそが、QuickTimeの総本山であること

に尽きます。そこで、この項では、簡単にQuickTimeのおさらいをしましょう。

QuickTimeが革新的だった、その理由は、

OSの機能として

ソフトウェアによって

時間軸との同期を可能としたこと

にあります。

まず、「時間軸との同期を可能としたこと」からいきましょう。

これは端的に言えば、高性能マシンでもそうでないマシンでも、1分間のムービーなら1分間かかって再生される、ということです。

当たり前かと思われるかも知れませんが、それまでの例えばアニメーションなどでは、高性能マシンの方が再生が速くあるいは早く終わってしまってましたから。今でも、ゲームがそうですね、最新のゲームを昔のマシンで遊ぶと遅いこと・遅いこと。

DTVにおいて忌み嫌われるコマ落ちではありますが、いってしまえば「コマ落ちさせる」こと、その発想が画期的だったわけです(笑)。

次に「OSの機能として」という意味は、

どのアプリケーションを使っていても、QuickTimeの機能を利用できる、という意味です。

もちろん、QuickTime以前にもコンピュータを使ったノンリニア編集は存在しましたが、その場合、専用システム(専用ハード+専用アプリケーション)によって達成されていたのです。この場合、当然専用システムですので、他のアプリケーションであるとか、別のボードを使った場合にはデータの互換性は当然ありません。

「ソフトウェアによって」という点については、これは「志の高いMacの伝統」ですね。

どんな新機能でもそうでしたが、リリース当初はハードウェアが追いついていないので、とんなもの使いものにならない、という酷評は当然です

QuickTime登場当時、IIsiを使っていたわたしも、こんなもの使いものにならない、と思っていた口です。

でも、ハードウェアの進歩によって、いつのまにか解決されるのですねえ。正しいかどうかは、時の流れが判断してくれます。

但しDTVという作業は、現在においても、パソコンにとって限界性能を要求する重い処理に違いありません。このため、ソフトウェアのみで処理するというのは、現在のところ不可能といってよく(質を落とせば別ですが)、拡張カードをはじめとするハードウェアの助けを借りざるを得ません。圧縮・伸長過程ではM-JPEG(次項で述べます)カードを、レンダリングはDSPを、といった具合に。

ハードウェアに依存する分、互換性が低くなることは致し方ありませんが、QuickTimeではそれでもある程度は配慮されており、たとえば、M-JPEGカードなどに代表されるハードウェアでは、VDIG に基づいたものであれば、即QuickTime対応アプリケーションから使用できます。

QuickTimeの優位性としては、さらに、

様々なトラックも扱えること

様々なフォーマットに対応していること

様々な圧縮方法(Codec)に対応していること

も上げられます。

次項以降では、これらの点について、概観してゆきます。

書籍版「Mac de DTV Macでお手軽ビデオ編集」のこのChaptureでは、 こういった内容を詳しく解説しています。

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