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ビデオカメラの扱い方・撮影に関する注意点
2003.05.08初稿
2005.11.24改訂
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DTVを始める前の段階である、ビデオ撮影での注意点をまとめます。

ビデオ撮影の一般的な注意点はほかのサイト・書籍などに譲り、ここでは、DTVを前提とした、ビデオカメラの扱い方や撮影に関する注意点に絞ります。

(撮影前、撮影時)TimeCodeのとぎれに注意しましょう

もし、TimeCode先打ちをせずまっさらなテープに撮影するとして、撮影時になんらかの原因でテープ上に未録画部分が生じたら、TimeCodeのカウントがその箇所でゼロに戻ってしまいます。ところが、DTV編集ソフトの方はTimeCodeのとぎれを想定していませんから、とぎれ箇所でDVキャプチャーが停止してしまうことがあります。

こんなこともありますので、TimeCodeのとぎれ(=未録画部分)が生じないように注意しましょう。

TimeCodeのとぎれを生じさせない方策としては、まっさらなテープを使うときには、

「ある箇所Aまで録画 → 一旦巻き戻し再生やテープを一旦イジェクト → 撮影を再開する」場合、以前の箇所Aを見つけ出したあと、箇所Aよりもちょっと前の箇所から、(以前の撮影部分にオーバーラップするように)撮影を開始します(つまり、撮影時には、オーバーラップを見越して「のりしろ」部分も録画しておきます)。

また、TimeCode先打ちも効果的です。
TimeCode(タイムコード)の先打ちとは聞き慣れないことばですが、以下のようなことです。

購入したDVテープを開封したら、早送りでテープの最後までテープを送ります。終わったら巻き戻します。

巻き戻したら、DVカメラで撮影ボタンを押し、テープの最後まで撮影し続けます。

レンズキャップをしたまま、録画ボタンを押す、といったことで充分です。わたしの場合は、カラーバーと基準信号を録画しますが...。

これだけです。

要は、テープの全域にわたって一度撮影しておくことで、テープ全域にTimeCodeをとぎれなく記録することが目的です。DVテープの初期化、のようなものですから、面倒がらずにTimeCodeの先打ちをお勧めします。

同様の理由から、音ズレ防止の効果もあるかもしれません。もし、未録音部がテープ上で生じた場合、そこで音がズレる(最終的に、ビデオに比べ音が早く終わる)ことがあります。

(撮影前)DVカメラのオーディオモードを48kHz-1チャンネルステレオに

DVカメラ撮影時のオーディオモードは、48kHz-1チャンネルステレオをお勧めします。切り替え方は、お使いのDVカメラの取扱説明書をごらんください。

DVカメラでは、48kHz-16-bit-1チャンネルステレオと32kHz-12bit-2チャンネルステレオのふたつのオーディオモードが選択できます。

DVオーディオ DVカメラやDVテープのあれこれの[DVサウンドは...]の項も参照ください。

DTVを前提とした場合、通常であれば、48kHz-1チャンネルステレオをお勧めします。通常の撮影・編集用途であれば、32kHz-2チャンネルステレオでなければならない必然性が全くないからです。

また、大抵のDTVソフトにとっても、基本は、48kHz-1チャンネルステレオです。

iMovie:48kHz-1チャンネルステレオが推奨されています。

TIL61636 Apple TIL 61636 : iMovie: 最適な結果を得るためには 16 ビットオーディオを使用してください

TIL165370 Apple TIL 165370 : オーディオとオーディオフォーマットについて

Final Cut Express:簡易セットアップのプリセットには、通常48kHz-1チャンネルステレオの設定が使われています。ただし、[□すべてを表示]をチェックすると、32kHz DVオーディオを使った設定も選択肢に現れますが....。

簡易セットアップ 簡易セットアップにみるFinal Cut ExpressとFinal Cut Proの違い

Final Cut Pro:簡易セットアップに用意されているプリセットには、32kHz DVオーディオを使った設定は用意されていません。もちろん、プリセットエディタを使うことで、設定をつくることはできますが...。

Final Cut Proで32kHz DVオーディオを扱う

このように、大抵のDTVソフトにとっても、48kHz-1チャンネルステレオを基本として良いでしょう。

32kHz-2チャンネルステレオでなければならないケースというのは、それなりの理由がある特別の場合のみだと思いますし、そういった用途で使いたいというユーザは、事情を知った上でそれなりのスキルをお持ちの方だと思います。そんなスキルフルなユーザならば、32kHz-2チャンネルステレオモードでのDVキャプチャーのための設定をいじることも可能でしょう。
ですが、特別の意図のない、通常のユーザならば、48kHz-1チャンネルステレオで撮影することをお勧めします。

(撮影開始時)LPモードでの撮影はお勧めしません。

DVカメラによっては、標準モード(SP)と長時間撮影モード(LP)が選択できるようになっている機種も多いですが、はっきりいってLPモードはお勧めしません。

理由は、DVカメラやDVテープのあれこれの[LPモードとSPモード]を参照してください。

(撮影開始時)最初の10秒は撮影しない

DTVでのバッチ取り込み(DTV編集ソフトがカメラを制御しての自動取り込み)の際に、テープの最初から撮影してあると、うまく動作しないことがあります。

バッチ取り込みでは、プリロールといって、指定した開始点より数秒前まで巻き戻して、再生を開始し、指定した開始点に到達した瞬間、HDDに書き込み始める、といった操作を行うことで、精度良いバッチ取り込みを行っているのです。

だから、撮影開始の際には、プリロール分を見込んで、最初の10秒は撮影しないようにしてください。

TimeCodeの先打ちをしたはずです。だから、テープの最初の10秒分テープを送って、10秒経った時点から撮影を開始してください。

(撮影時)ズームやパンは多用しない

ビデオ撮影において、手ブレは禁物です。TVで見てくれるヒトが「酔ってしまう」ので。これは一般的なビデオ撮影の鉄則ですが、さらに、DTVを前提とした撮影の場合、手ブレはもちろん、ズームやパンは多用しないでください。とにかくカメラをむやみに動かさないことを心がけてください。

最終作品がDVD-Videoの場合は、特に気を付けてください。無駄なカメラの動きは、即、MPEG圧縮時の画質低下につながります。

ただし、パンやズームをするな、という訳ではありません。撮影において、画角や構図を決めるためにカメラを動かしたりズームアップ/ダウンするのは当たり前の行為です。画角や構図を決めるためにカメラを動かすときも録画しっぱなしにしておいても構いません。どのみち、そのシーンは、DTV編集時に捨てれば良いのですから。

ですから、パンやズームをするな、という意味ではなく、パンやズームのシーンを作品の本編カットに使用することは避けましょう、という意味に捉えてください。

(撮影時)録画ボタンはまめに押しましょう。

iMovieにしても、Final Cut Pro/Expressにしても、撮影時のシーンの切れ目を自動検出し、カット分けしてくれる便利な機能があります。

この機能を有効活用するために、撮影時には、ロングカット(長時間カメラを回しっぱなし)でなく、こまめに録画ボタンを押して、いくつものカットに分けておきましょう。こうすることで、DTV編集時でのOKカット(採用したいシーン)探しが、格段に楽になります。

 

 

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