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2002.06.18 Xserveのアーキテクチャー 第3報。

2002.05.16 XServ.のアーキテクチャー 第1報。2002.06.09 Xserveのアーキテクチャー 第2報。でお伝えしております、Xserveのアーキテクチャーですが、いまひとつ細かいところが未だに見えないんですね。まあ、現物が出回っていない、という点が大きいのだと思いますが。
で、毎月18日発売のMac系雑誌を見ていて、はっきりして来た点もあります。今月のMacPower誌66〜67ページの今井隆さんの解説記事で以下の2点が理解できましたので、再び解説します。

   

第1点目、システムバスについて。

システムバスについては、2002.05.16 XServ.のアーキテクチャー 第1報。でこんな記述をしました。

システムコントローラ
...今回のXserveアーキテクチャーの改良点はここにあり、DDR SD-RAM(PC2100、いわゆるDDR266)の搭載に端的に現れています。
つまり、システムバスは133MHzのままであるのだけれど、(DDR(=Double Data Rate)というだけあって266MHzに相当する)DDR SDRAMの搭載により、スループットは2.1GB/s(現行の2倍)に向上します。これにより、
・CPU-メモリ間のアクセスが速くなることで演算処理が向上するはず、

と解説しました。でも、この記述には、明確に表現していないところもあったりします、実は(笑)。曖昧にごまかした点というのは、以下の述べるところです。

ソースは、http://www.apple.co.jp/xserve/images/architecturetop.jpg です。

メインメモリに、DDR SD-RAMを採用したことで、メモリバス(図中央部の「System Controller」とその右側の「RAM」の間)は、133MHzの2倍速(Double Data Rate)で266MHz、スループットは2.1GB/sになる、というのははっきりわかってました。
一方で、狭義のシステムバス(「G4プロセッサ」と「System Controller」間)もメモリバスと同じになるのかなあ、それとも、133MHzの1 GB/sのままなのかなあ、という点についてはなんとも判断できませんでした。というのも、Xserveに搭載されているPowerPC G4 MPC 7455ではシステムバスクロック周波数は133MHzのはずだから、2.1GB/sになるにはなんらかの機構が搭載されていないとならないです。

なお、MacPower誌今井隆さんの解説記事の次のページに、別の執筆者の方が、システムバスクロック周波数は533MHz、と書いておられますが、これはどうかなあ。何か根拠があるのかなあ...。(ここについては、これ以降、Mac.na Matata2002.06.19 Xserveにて)

MacPower誌66〜67ページの今井隆さんの解説記事によりますと、システムバスは、案の定、133MHzの1 GB/sのまま、とのことでした。すなわち、メモリバス(図中央部の「System Controller」とその右側の「RAM」の間)は、133MHzの2倍速・2.1GB/sに向上しているものの、 狭義のシステムバス(「G4プロセッサ」と「System Controller」間)は現行PowerMac G4と同じ133MHz・1 GB/sのまま、ということです。

つまり、Xserveのアーキテクチャーでは、狭義のシステムバスがボトルネックになっていて、(DDR SD-RAM採用で2倍に向上させたはずの)メモリバスを活かしきれない、ということを意味していますし、
同時に、4倍速AGP(66MHz×4倍速、64bit)の2GB/sも活かせない(この点についても、現行PowerMac G4に比べ、何ら改善されてない)ということでもあります。

来月のMacworld Expo NYで発表させると期待される1GHz overの新PowerMacではどうなりますか。ただ、今回のシステムバスのボトルネックは、(ロジックボード側ではなく)PowerPC G4側の問題なので、果たしてどうなりますか。

    

第2点目。ATAコントローラについて。

2002.06.09 Xserveのアーキテクチャー 第2報。でお伝えしたとおり、Xserveは、Hot plugではあるが、Hot Swappableではない、と書きました。このこと自体は、アップルの担当者の口から出たことなので、そうなのでしょう。そのあと、わたしは、これは、ATAコントローラに問題があるのでは、と話しを進めました。

でも、これって、XserveはロジックボードのATAコントローラでHDDの面倒を見て、RAIDはソフトウェアで掛ける、という設計に問題があるといえます。だって、普通のサーバならばハードウェアRAIDカードをかましてあるので、HDDモジュールを脱着しているときでさえも、OS側から見るとRAIDカードのおかげで(複数のドライブがRAIDによって単一の)ボリュームがマウントされているかのように見えるので、Hot Swapが可能なのですもんね。

といった具合です。しかしながら、今月のMacPower誌の今井隆さんの解説記事によりますと、
搭載されているATAコントローラPDC-20270(同記事中ではおそらく2基搭載と推測。たしかに上記のアーキテクチャー図で、4台のHDDが2系統のツリー上につながっていますし)は、RAID 0, 1, 0/1に対応している、とのことなので、こうなるとなんでHot swappableでないのか、どこに制約要因があるのか、わからなくなりました。この点は、技術情報が出るまで持ち越し課題ですね。それにしても、RAID 5くらいには対応して置いて欲しいところですが。

    

といった2点に関し、改めてふれてみました。

   

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