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2002.05.16 XServeのアーキテクチャー 第1報。

今後のPowerMac の進化の方向を占う上でも、今後とも注目されるXserveの新アーキテクチャー。シロウトながらアーキテクチャーを見てゆきましょう。
情報がないなか、シロウトが書いております。間違いだらけでしょうから、ぜひご指摘ください。お待ちしております。(また、以下は、理論値ベースの記述です。実際の転送速度はこれを下回ることはいうまでもありません)

 PowerPC G4 1GHz

シングルプロセッサモデルと、デュアルプロセッサモデルの2モデルを用意。
Vilocity Engineは、科学技術計算、3Dレンダリング、ムービーレンダリングといった用途に最適ですし、Webサーバ時にも暗号化処理などにも活用できます。

 キャッシュデザイン

キャッシュデザインは、現行PowerMac G4と同様。すなわち、等倍の2次キャッシュ(on Chip)と、3次キャッシュからなるデザイン。(バックサイドキャッシュバスのスループットは4GB/s(たぶん正確には4.2GB/s)と発表されていますので、3次キャッシュ(バックサイドキャッシュ)は、1/4倍速の266MHzで動作しているのでしょう。

 システムコントローラ

現行PowerMac G4では、ホストコントローラUni-North(Ver. 1.5)を中心に、システムバス(「CPU-UniNorth間接続」「PC133 SDRAM-UniNorth間接続」)が133MHz 64bitの1GB/s、UniNorth-GPU(グラフィックカード)との間が4倍速AGP(66MHz×4倍速、64bit)の2GB/s。
UniNorthには他に、GigaBit Ether、FireWire、そしてPCIがぶら下がっており、PCIを介して接続されているI/Oコントローラ(KeyLargo)の先にUltra ATA/66やUSB、サウンドシステムなどがぶら下がる、という構成になってます。

こうしてみると、システムバスが相対的に遅い(例えば、AGP×4が全く活かせてない)ことがわかります。

今回のXserveアーキテクチャーの改良点はここにあり、DDR SD-RAM(PC2100、いわゆるDDR266)の搭載に端的に現れています。
つまり、システムバスは133MHzのままであるのだけれど、(DDR(=Double Data Rate)というだけあって266MHzに相当する)DDR SDRAMの搭載により、スループットは2.1GB/s(現行の2倍)に向上します。これにより、
・CPU-メモリ間のアクセスが速くなることで演算処理が向上するはず、
・AGP×4を充分活用するできるようになったのでグラフィック性能も(現行よりも)向上するはず、
といった点が期待できます 。

PCにくらべてどうなのかというと、DDR266(PC2100)というのは、特に珍しい訳でも最先端な訳でもありません。実際、今年後半以降、次のDDR333(PC2700)も登場するでしょうし。
ということで、遅ればせながら、というのが正直なところでしょう(笑)。
なお、Athlonなどでは、DDR266のDual Channel構成にすることでメモリアクセスを4.2GB/sとするチップセットも登場しています。(XserveでもDDRをDual Channel構成にするのかな、と密かに期待してましたけど)

 ローカルバス

現行PowerMac G4では、ローカルバスにはPCIを採用しています。ただ、普通のPCI(32bit 33MHzの133MB/s)ではなく、64bit 33MHzの266MB/sになっています。ということで、現行PowerMac G4のPCIスロットも4基すべてが64bit 33MHz仕様となっています。

ただ、ローカルバスに関しても、PCを見ますと、Intel 845系チップセットでも、NorthBridgeとSouthBridge(おおざっぱにいうとUniNorth-KeyLargo間のようなもの)との間は、インテルハブアーキテクチャーにより266MB/sになってます。AMDのAthlonに至っては、HyperTransportにより800MB/sを達成するものもあります。
PCにおけるPCIスロットは、廉価版PCだと32bit 33MHz PCIスロットのみ、そこそこの機種だと32bit 33MHz PCIスロットと64bit 33MHz PCIスロットの両方を搭載、というのが一般的です。

ということで、Xserveでは、ローカルバスにも改良の手が入っており、64bit 66MHzにより533MB/sのスループットに達するPCIスロット2基(Full length)が搭載されています。
これとは別に、 標準構成のXserveでは、GigaBit Etherカードが接続されている32bit 66MHz(= 266MB/s)PCI兼AGPスロットが1基(Half length)。AGPは4倍速で、AGPとして使用するときはライザーカードをかます構成。

といったところで、ローカルバスに関しても、PCに比べても、大幅に進んでいるわけでもない、といったところでしょうか。

なお、この辺の速度を考える目安となるようなPCIカードの用途を挙げておきます。
・Gigabit Etherカードを例にすると、1Gbpsは133MB/s程度なので、いわゆる普通のPCIスロット(32bit 33MHz(= 133MB/s)じゃ飽和しまうので、32bit 66MHz(= 266MB/s)でないと充分に活用できません。
・ SCSIカードを例にすると、Ultra-160 SCSIカード(160MB/s)の場合、1Channel構成の場合でも32bit 66MHz(= 266MB/s)でないと役不足。Dual Channel構成の場合、64bit 66MHzの533MB/sが必要、といった状況です。
(いずれも、理論値ベースの議論です。実際には、HDD側がここまで実行速度が出ません)

 ストレージ

サーバでは一般的なSCSI(Ultra160 SCSI)ではなく、ATAを採用しています。現行PowerMac G4は、ATA66ですが、XserveではATA100となっています。筐体内には4台まで増設可能となっており、独立した4つのチャンネルになっているようです。そりゃそうだろうなあ。
ATAなのにHotplug対応、なので、なにかコントローラがかましてあるのでしょう。

RAIDはSoftwareRAIDとなります(ほんというと、ハードウェアRAIDにしてほしかったな)。

ドライブの選択肢が60GBまたは120GBとなってます(160GB仕様がない)ので、もしかしてBigDrive対応ではないのかな(BigDriveとは、137GBの壁を越えるための規格)。

 その他のI/O

9ピンシリアルポートが搭載されています。シリアルはレガシー、とのことで、Macではとうに切り捨てたはずなのですが、復活してますね。というのは、サーバ用途では、例えばUPS(無停電電源装置)との通信にシリアルポートを使用することがあるからでしょう(UPSが故障した場合シリアル経由でエラー情報が送られると、エラー情報を受けたサーバOSが自動でシャットダウンを実行)。ってことは、Mac OS Xソフトウェアでも実はシリアルをサポートしているのかな。
けがの巧妙(笑)で、DTVにおいてはデバイスコントロールにも使えそうですねえ。 FireWireは3ポート(うち1ポートはフロントなのはうれしい)、IEEE1394a対応なので、400MBpsまで(IEEE1394b対応には時間がなかった??)。

FireWireは3ポート(うち1ポートはフロントなのはうれしい)、IEEE1394a対応なので、400MBpsまで(IEEE1394b対応にはやはり、まだ)。

USBはVer.1。今回もUSB 2のサポートはなし。(まあ、サーバ用途ではどっちでも関係ないけど)。もしかして、IEEE1394b対応を果たさないうちは、USB2(480Mbps)は搭載しないつもりなんでしょうか。

  

ということで、シロウトながらアーキテクチャーを見てまいりました。間違いだらけでしょうから、ご指摘ください。お待ちしております。 

 最後に、DTVマシンとして...

DTV用途には使うには、BTOで、ATA Radeon 8500を選択(その分、2基のうち2基分のGiagbit Etherカードを外す)。まあ、Radeon 8500よりはGeformance 4 Tiが選択可能だとうれしいのですが。

残り2基のFull lengthのPCIスロット2基(64bit 66MHz(= 533MB/s))が空いてますので、SCSIカード、キャプチャーカードなどを装着できます。

HDDが4台まで内蔵可能なのですが、ベアドライブを購入してきてつなぐだけの現行PowerMac G4に比べて、Xserveでは純正のApple Drive Moduleじゃないとつながらない、となると、コストパフォーマンスが悪くなりすぎることになるのですが、果たして。

24倍速CD-ROMドライブですが、さすがに厚みを考えるとSuperDriveは搭載できなそうですね。

ともかく、サーバとはいうものの、DTV用途にも充分使えそうなスペックで、わたしは、非常に物欲をそそられております(笑)。

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

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