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注目されるG4 Velocity Engine対応状況と、ベンチマークテストです。
■Velocity Engine対応状況
■Apple DV Codec
PowerMac G4にすでに付属しています。
そこで、ベンチマークテストを実行してみました。 (以下200.01.14追記)
なお、今回のテストについては、Codec性能に注目しました。ムービーレンダリングには、伸長→画像計算→圧縮、の工程からなりますが、今回のテストでは、主に「伸長」と「圧縮」に主眼を置いています。
(注)
画像計算(フィルタ、トランジッション、画面合成など)の性能を比較するには、Velocity Engine対応DTV編集ソフトでベンチマークを採らなくてはなりません。というのは、画像計算(フィルタ、トランジッション、画面合成など)処理では、伸長、圧縮に使用するCodecの性能よりも、そのDTV編集ソフトが内蔵しているレンダリングエンジンそのものの性能に依存するからです。すなわち、そのソフト自体のVelocity Engineの最適化の程度によって、性能が変わってくるからです。■ DV Codec
このテストでは、DV Codecで圧縮されたサイズ720×480のムービーをDVストリーム形式に変換しています。この処理では、DV Codecによる伸長→データ変換処理→DV Codecによる圧縮、というプロセスを含みます。DV Codec自体の性能をみるのに効果的と考えられます。
同一周波数(400MHz)のPowerMac G3 (Blue & White)とPowerMac G4において比較したところ、G4ではG3の約1.4倍といったところでした。
なかなかの実力ですね。実のところ、このベンチマークよりも、DVデータをMacモニタ上で再生したときのなめらかさを見ていただけたら、誰の目にも一目瞭然なのです(ただ、この手のテストは定量化できないので、ベンチマークとして表現することは難しいのですが。。
ただ、これがDV CodecのVelocity Engineへの最適化によってなされたものなのか、それとも、単にプロセッサーの世代の違いによる向上なのかをはっきりさせるために、別のCodecでも同様の実験を行ってみました。
■ Solenson Video
まず、時間型圧縮の代表選手として、Solenson Videoを調べます。
サイズ320×240の無圧縮ムービーを、Solenson Video(レート400kB/s)、サイズ320×240のムービーに書き出しました。この処理では、SolensonVideo Codecによる圧縮、というプロセスしか含みませんので、SolensonVideo自体の性能をみていることになります。
その結果、G3とG4では、性能に有為な差はありませんでした。
なお、下でも述べるとおり、Solenson Vision社ではSolenson Video Developper EditionのVelocity Engine対応をアナウンスしており、同一クロック周波数のG3に対して2倍がでるとのことです。今回のテストはあくまでも、QuickTimeに内蔵されているSolenson Video(Standard Edition)における性能です。
■ M-JPEG.A
次に、空間型圧縮の代表選手として、M-JPEG.A(当然、ソフトウェアM-JPEG)を調べます。
サイズ320×240の無圧縮ムービーを、M-JPEG.A、サイズ320×240のムービーに書き出しました。この処理では、M-JPEG.A Codecによる圧縮、というプロセスしか含みませんので、M-JPEG.A自体の性能をみていることになります。
この結果、同一周波数(400MHz)のPowerMac G3 (Blue & White)とPowerMac G4において比較したところ、G4ではG3の約1.2倍といったところでした。
■ 取りあえずの考察
このように、DV Codecでは1.4倍、M-JPEG.Aでは1.2倍、Solenson Videoでは差はない、との結果でした。
DV Codecでは1.4倍はVelocity Engineの寄与と考えてよいでしょう。このベンチマークよりも、DVデータをMacモニタ上で再生したときのなめらかさを見ていただけたら、誰の目にも一目瞭然といえます(ただ、この手のテストは定量化できないので、ベンチマークとして不適ですが)。
一方、M-JPEG.Aでの2割向上がVelocity Engineのよるものなのかは、今のところはっきりしません。
1.2倍というスコアは、一般的な用途におけるベンチマーク(雑誌などをみてください)とほぼ同等という解釈もできます。この場合、単にプロセッサーの世代の違いによる向上と考えられます。
別の解釈としては、M-JPEG.AではDV Codecと同様、DCT(離散コサイン変換→量子化)処理が大きなウェイトをしめています。DCTは、もともとVelocity Engineの得意とするマトリックス演算であり、もしかすると、M-JPEG.A自体はVelocity Engineに最適化されていないものの、この演算においてVelocity Engine対応MathLib(MacOSの数値演算ライブラリ)を利用していることで、Velocity Engineが間接的に寄与しているのかもしれません。
さらに、別の解釈としては、DVDのソフトウェア再生が、同じPowerMac G4でもPCIモデルではダメでAGPモデルでのみ可能であることと同様に理由で、AGP転送とグラフィックカードが寄与している可能性もあるかもしれません(いうまでもなく、PowerMac G3はPCIグラフィック)。
この点については、PowerMac G4(PCIモデル)でも、同様のベンチを行いはっきりさせる予定です。
■Adobe Photoshop , After Effects
PowerMac G4発売当初から、Adobe Photoshop 5.5 AltiVec 対応プラグインが付属していましたが、そのアップデータが早くもリリースされています。LithtingEffects(英語版)も付属しています。→アドビシステムズ。
また、DTVでは待望のAdobe After Effects 4.1 Velocity Engine Plug-in(英語版)も登場しました。ベンチマークを近く公開予定です。→Adobe Systems (200.01.06追記)
■Solenson Video
QuickTimeに付属しているSolenson VideoはBasic Editionですが、Solenson Vision社ではSolenson Video Developper Editionを市販しています。これが早速Velocity Engineに対応しています。同一クロック周波数のG3に対して2倍とのことで、Velocity Engineの威力がいかんなく発揮されていますね。
■Media Cleaner Pro 4.0.2
Terran Interactive社のMedia Cleaner Proは、4.0.2 でVelocity Engineにも対応しました。やっぱり定番のムービー書き出しツールが対応するのはいいですねえ。
ただ、ちっとも速くなっていないとか(笑)。
■FinalCut Pro
ついに発売なったFinalCut Pro1.2では、Velocity Engineにも対応しています。これまでの1.01Eでは対応していませんが。これのベンチマークはどうやってとったらいいものか...。(1999.12.23追記)
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