前回、これだけ圧縮率を稼げるフレーム内圧縮というのは、ホントに驚きなんですもの。と書いてますが、実際に、圧縮率を計算してみます。
1080/30iの場合、フレームサイズは1920×1080(フルHD)、色深度10bit、フレームレートは29.97fps、4:2:2サンプリング、なので、圧縮しない状態だと、
(1920×1080)×(10)×(30)×(2)=1244Mbps(=155MB/s)
計算式は、(フレームサイズ)×(色深度)×(フレームレート)×(サンプリング)です。
くわしくは後述します。
これを、Apple ProRes 422のHQモードだと、標準で220Mbpsにまで抑えるのだから、圧縮率は、約5.7。
フレーム内圧縮で圧縮率約5.7、というと、どんなもんでしょ。例えば、JPEGだと、
....前述のとおり、私としてはこのWhite Paperから「Apple ProRes 422 Codecは、JPEG系ではない」と読み取っておりますので、JPEGを例に挙げるのもなんですが。まあ、代表的な静止画圧縮の方式として、ご参考までに、JPEGを例にしますと...
圧縮率約5.7だと、自然画は問題なし。テロップ・CG合成では、縁にモスキートノイズが発生しているのがはっきりわかる。
といったところでしょうか。
さらに参考までに、「5分の1圧縮」で有名なDVは、同じJPEG系圧縮ですが、画質は、まあ、あんなかんじです。(DVは、4:1:1サンプリングなので(もともとU,Vの水平方向の解像度が粗いので)、合成には不利なのですが)。
このように、もしJPEG系だと圧縮率約5.7では、とてもとても謳っているような画質は期待できそうもありません。
Apple
ProRes 422 Codecがどんな仕組みの圧縮方式を採用しているのか、
それは圧縮率約5.7程度ではどの程度の画質が期待できるのか(特に、テロップ・CGとの境界付近で)
といった辺りを、実際に検証してみたいものです。
ご参考)計算式の解説
(フレームサイズ)×(色深度)×(フレームレート)×(サンプリング)
例えば、非圧縮SDビデオ、4:4:4サンプリングの場合、
(720×486)×(8)×(29.97)×(3)=249Mbps(=31MB/s)
例えば、DVは、フレームサイズは720×480、色深度8bit、フレームレートは29.97fps、4:1:1サンプリング、なので、
DV圧縮前は、
(720×480)×(8)×(29.97)×(1.5)=約125Mbps
これを、DV Codecにより約25Mbpsへと圧縮します。DVは「5分の1圧縮」と呼ばれるゆえんです。
ここで、(サンプリング)の数値に関しては、
・4:4:4の場合、(サンプリング)=3
Y,U,Vとも全ピクセルでサンプリングするため、×3、となる
・4:2:2の場合、(サンプリング)=2
Yは、全ピクセルでサンプリングするので、1
U,Vは、2ピクセル置きにサンプリングするので、それぞれ0.5
Y,U,V合計では、1+0.5+0.5=2となる。
・4:1:1の場合、(サンプリング)=1.5
Yは、全ピクセルでサンプリングするので、1
U,Vは、4ピクセル置きにサンプリングするので、それぞれ0.25
Y,U,V合計では、1+0.25+0.25=1.5となる。
・4:4:4:4の場合、(サンプリング)=4
Y,U,Vとも全ピクセルでサンプリングするため、各1ずつ
さらにアルファチャンネルでも全ピクセルでサンプリングするので、1
計4
続きます。
この記事のURL: http://www.macdtv.com/Macunamatata/Articles/20070604/index.html