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Final
Cut ProでHDV編集 |
2005.09.01初稿
2005.10.24改訂 |
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Final Cut ProでHDV編集する場合、native HDV編集とTransCoding方式のHDV編集のふたつのやりかたを選ぶことが出来ます。このページでは、ふたつのやりかたの違いを解説してゆきます。
Final Cut ProでHDV編集する場合、native HDV編集とTransCoding方式のHDV編集のふたつのやりかたがあります。
まずは、基礎知識編のHDV編集の概観を、HDV編集ワークフローの2つの方式(Transcoding方式HDV編集とnative HDV方式)なる記事を追っていただくとして、ここでは、実際に、Final Cut Proでの2方式の比較をしてゆきます。
(iMovieや)Final
Cut ExpressはTransCoding方式のHDV編集のみに対応していますから、さらにnative
HDV編集も可能である点が、Final
Cut Proの優位点のひとつといえましょう。
実際、Final Cut Proでもnative
HDV編集がデフォルトとなっており、TransCoding方式HDV編集はオプション扱いとなっています(簡易セットアップで[すべてを表示]させないと選択肢の中に現れません)。
ワークフローの概要
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HDVカメラから送信されるMPEG2-TS*データをそのままHDDに取り込む |
HDVカメラから送信されるMPEG2-TSデータを、AICムービー**に変換(TransCoding)し、HDDに取り込む |
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MPEG2-TSデータを素材として直に扱う |
AICムービーを素材として直に扱う |
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エフェクトシーン;Final Cut Proでレンダリングし、MPEG2-TS化。 非エフェクトシーン:撮影時のオリジナルデータ(MPEG2-TS)をそのまま流用。 |
エフェクトシーン部分;Final Cut Proでレンダリングし、AICムービーを作成。 非エフェクトシーン:取り込み時点に作成されたAICムービーのまま。 |
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エフェクトシーンと非エフェクトシーン(いずれもMPEG2-TSデータ)を順次HDVカメラへ送信 | エフェクトシーンと非エフェクトシーンを作品全編にわたって、AICムービー→MPEG2-TS化し、HDVカメラへ送信。 | ||
カット編集のみの場合、原理的に、撮影時のHDVデータのまま。 | カット編集のみの場合でも、TransCodingを往復(MPEG2-TS→AICムービー→MPEG2-TS)行うため、画質は変化*する。 |
* MPEG2-TS、MPEG2-PESの表記について
HDV720pのストリームタイプはMPEG2-TS、HDV1080iのストリームタイプはMPEG2-PESですが、
MacDTV.comでは、特別に断りがない限り、両者とも"MPEG2-TS"と総称して表記させて頂きます。
MPEG2-ES(エレメンタリストリーム)、MPEG2-PS(プログラムストリーム)とは異なる形式であるという意図を込めて、両者とも"MPEG2-TS"と総称して表記しています。ですから、あえて"MPEG2-PES"と記載してある場合には、総称してはまずいような特別な意図を込めてあえて書いている、とご理解下さい。
** AICムービー:Apple Intermediate Codecを使用したQuickTimeムービー
*** Trans Coding方式HDV編集での画質の変化:
Trans
Coding方式HDV編集では、カット編集のみ(Macにキャプチャーして全くエフェクトを掛けずにHDVテープに書き戻し)だとしても、TransCodingを2回(MPEG2-TS→AICムービー→MPEG2-TS)行うため、原理的には画質は変化することは間違いありません。
ただ、それが実用上「画質の劣化」と言えるかどうかは、人それぞれの主観の問題です。
我が家の液晶テレビで、「書き戻しシーン」を「撮影時オリジナルシーン」と比べてみたら、両者に違いはある(ような気がする)ものの、では、どちらが高画質かというと、どちらともいえない....、そんな感じでした。
設定
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[Final Cut Pro]メニューの[簡易セットアップ]で、 |
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HDV720pの場合 | [ HDV - 720p ]を使用 | [ HDV - Apple Intermediate Codec - 720p30 ] | ||||
HDV1080iの場合 | [ HDV - 1080i60 ]を使用 | [ HDV - Apple Intermediate Codec 1080i60 ] | ||||
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取り込み
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HDVカメラから送信されるMPEG2-TS*データをそのままHDDに取り込む | HDVカメラから送信されるMPEG2-TSデータを、AICムービーに変換(TransCoding)し、HDDに取り込む | |||||
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取り込み方法 | DV取り込みと同様、[クリップ]取り込み、[今すぐ]取り込み、[バッチ]取り込みの3種類。シーン分割取り込みも可能。 | [今すぐ]取り込みに相当する機能のみ(きわめてシンプル)。 | ||||
デバイス制御 | DV取り込みと同様の、良好な操作性。 | 再生のみ(きわめてシンプル)。 | ||||
処理時間 | リアルタイム(60分テープを取り込むと60分かかる) | 遅いMacの場合、TransCoding処理時間が掛かる(60分テープを取り込むとき60分以上かかる)。 | ||||
画質劣化 | 原理的に、撮影時のHDVデータのまま。 | TransCodingを行うため、画質は変化する。 | ||||
HDD容量 | 約3.6MB/s |
約11MB/s |
編集・最終レンダリング
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MPEG2-TSデータを素材として直に扱う。 | AICムービーを素材として直に扱う。 | |||
処理の重さ 操作感 |
素材として、HDVデータ(MPEG2-TS形式)を直接ハンドリングしますので、描画処理等も含めて、操作感は「重い」です。 どちらというと、CPUやGPUの性能に依存します。 |
素材として、AICムービーを使用するので、そこそこ軽快に扱えます。 どちらというと、HDDの性能に依存します。 |
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RTプレビュー | 可能
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可能 | ||
レンダリング | エフェクトシーン; 非エフェクトシーン:
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エフェクトシーン部分; 非エフェクトシーン: |
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HDVテープ書き出し
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エフェクトシーンと非エフェクトシーン(いずれもMPEG2-TSデータ)を順次HDVカメラへ送信 | エフェクトシーンと非エフェクトシーンを作品全編にわたって、AICムービー→MPEG2-TS化し、HDVカメラへ送信。 | |||||
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HDVカメラ制御 | [ビデオにプリント]実行時は、DV書き出し、Trans Coding式HDV書き出しと同様。 [テープに編集]は使用できない。 |
[ビデオにプリント]実行時は、DV書き出し、native HDV書き出し、Final Cut ExpressでのHDV書き出し(Trans Coding式)と同様。 [テープに編集]は使用できない。 |
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処理時間 | 実時間(60分のシーンを書き出すには60分)+α αは、[HDVビデオの適合]処理分。(編集中にこまめにレンダリングしておけば、大して時間は掛からない) |
実時間(60分のシーンを書き出すには60分)+β βは、Macの(CPU)性能に依存し、遅いMacの場合、MPEG2-TSエンコード処理に時間がきわめて掛かる。 |
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非エフェクト シーンの画質 |
原理的に、撮影時のHDVデータのまま。 | TransCodingを往復(MPEG2-TS→AICムービー→MPEG2-TS)行うため、画質は変化*する。 |
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