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iMovieのiMovieの匠(たくみ)
コマ送り、早回し、スローモーション...

2000.06.25初稿
2000.06.28改訂


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 コマ送り、早回し、スローモーション...

iMovieの匠(たくみ)といいながら、iMovieだけでは出来ません(笑)。いや、ほんとは苦労すればiMovieだけでもできるんですが、異常にめんどくさいんです。

で、ここでは、QuickTime Playerを併用した例をご紹介します。この方法は充分実用的だと思いますよ。


さて、DVビデオは、1秒間に30コマあります。

正確には29.97コマ(フレーム)ですが、簡潔な説明のためにここでは、1秒あたり30コマ、と記載します。

つまり、1コマ(フレームといいます)あたりの継続時間は、1/30秒になっています。

ビデオは結局は紙芝居なので、紙芝居をめくる時間間隔(=1フレームあたりの継続時間)を変えれば、ストップモーションにしても、早回しにしても、ストップモーションにしても、作ることが出来るわけです。例えば、1フレームあたり3/30秒とすれば、3倍スローモーションになりますし、あるフレームだけを10秒間継続すれば、ストップモーションになります。簡単なことですね。

iMovieでは、1フレームの継続時間(1/30秒)を変更することは出来ません。ですから、QuickTime Playerの助けを借ります。

注:このページの方法だと、音声の速度は変わりません。ビデオとは別に音声についても、サウンド編集ソフトを使って、別途、ビデオとほぼ同様な手法で速度を変え、そのあと、ビデオとサウンドをあわせる必要があります。

おおまかな手順は、次の通りです。

  1. iMovieからムービーファイルを書き出す。
  2. QuickTime Playerで、ムービーを読む。
  3. QuickTime Playerで、連番静止画ファイルに書き出す。
  4. QuickTime Playerで、連番静止画ファイルを読み込む。
    この時継続時間を変えて読み込むことでスローモーションや早回しなどを実現します
  5. QuickTime Playerで、DVストリームファイルに書き出す。
  6. iMovieで読み込む。

では、順番に見てゆきましょう。

この例では、10秒のムービーを2倍にスローモーションさせてみます。つまり、出来上がりは、20秒のムービーになります。

あらかじめ、QuickTimeをProバージョンにアップデートしてください。以下の技は、QuickTimeをProバージョンにしないと使えません。

ファイルメニューの書き出しなどがStandardバーションのQuickTimeでは使用できないからです。

QuickTimeをProバージョンにアップデートするには、QuickTime設定コントロールパネルからオンラインで申し込むのが簡単です。


 1.iMovieからムービーファイルを書き出す。

ファイルメニューのムービーの書き出し...を選んだら、

書き出し先プルダウンメニューを「QuickTime」とし、形式プルダウンメニューを「詳しい設定...」とします。QuickTimeの詳しい設定ダイアログでは、

こんな設定にします。サウンドは必要ありませんので、適当でいいのですが、ビデオに関しては、以下に注意してください。

サイズ(高さ)を720×480、とした上で、「イメージ設定」の設定ボタンを押し、圧縮プログラムを「DV-NTSC」、フレーム/秒を「29.97」とします。

ここを間違えると、画質が目に見えて劣化しますので注意してください。

OKを押すと、QuickTimeムービーの書き出しが始まります。

 2.QuickTime Playerで、ムービーを読む。

書き出したムービーを QuickTime Playerで読み込みます。

継続時間は、00:00:10(10秒)になっていますね。

 3.ファイルメニューから、書き出し...を選択します。

ファイルメニューの書き出し...コマンドを選び、書き出しのところで「ムービーからイメージシーケンス」、出力を「ピクチャ、29.97 fps」と選択してください。そして、オプションボタンを押します。

フォーマットを「PICT」、フレーム/秒は「29.97」を選びます。さらにオプション...ボタンを押し、

PICTオプションダイアログのオプション...を押します。圧縮プログラムは「なし」、「約1670万色」を設定し(品質は最適になります)、

OKを押します。

こうして、イメージシーケンスに書き出すと、複数枚の静止画が連番付きのファイル名で書き出されます。

この例では、10秒のムービーでしたから、300枚*)の連番静止画、Sample 001.pct、Sample 002.pct...、〜、Sample 300.pctが書き出されます。

*)正確には299枚。最後のフレームSample 300.pctはファイルは作られますが、内容は白紙となっています。この理由は、ノンドロップフレームとドロップフレームの違いから来ています。


 4.QuickTime Playerで、連番静止画ファイルを読み込む。

この時継続時間を変えて読み込むことでスローモーションや早回しなどを実現します。これが、今回の技のキモです。

ファイルメニューのイメージシーケンスを開く...を選択し、先ほど書き出した連番静止画を選んでください。この例では、Sample 001.pctを選び、開くボタンを押します。

このとき、2倍にスローモーションをかける場合、イメージシーケンスの設定ダイアログのフレームレートを「15フレーム/秒」に設定します。

こうしてイメージシーケンス(連番静止画)を読み込んでムービーを作ると、

1枚の静止画当たり2/30秒、すなわち、全体としては、20秒のムービーになります。

ただし、DTV専用ソフトのようなフレーム補間フィールド処理は、もともと望めません。

2倍に早回しの場合、静止画ファイルの奇数番号のものを捨て、イメージシーケンスの設定ダイアログのフレームレートを15フレーム/秒で読み込みます。読み込んだ静止画枚数は150枚ですから、全体として、5秒のムービーになります。すなわち、2倍速になっていますね。

ストップモーション、すなわち、あるフレームだけを長く継続するには、QuickTime Playerでストップさせたいフレームを選択・コピーし、その場所で、ペーストを複数回実行します。その場所の後ろに、その静止画がコピー(=挿入)されます。求めている静止時間になるまで、ペーストを繰り返して下さい。

 5.QuickTime Playerで、DVストリームファイルに書き出す。

最終段階にきました。ファイルメニューの書き出し...を選択し、書き出しを「ムービーからDVストリーム」を選択します。音声はありませんから、出力はデフォルト設定のままで結構です。

 6.iMovieで読み込む。

iMovieプロジェクトファイルと同一階層にある「Media」フォルダの中に、DVストリームファイルを入れます。

iMovieのクリップ棚に現れます。 そして、プロジェクトをだぶるクリップすると、クリップ棚に、2倍スローモーションをかけたムービーが読み込まれます。

元素材の10秒のシーンと、20秒(正確には19.秒29フレーム)の2倍スローモーションシーンが並んでいます。



いかがでしたか。面倒ですか、以外と簡単ですか??。

実は、iMovieだけでも、できなくありません。
この場合
3.のステップでフレームを静止画にするところが大変です。根気よくクリップの分割機能を繰り返し使えば、1クリップ=1フレームまで分解することは可能だからです。また、4.のフレームごとの継続時間変えるときも、1クリップ=1フレームとしたあと、クリップ毎に根気よく設定すればなんとかなります。でも大変な作業ですね。
それに比べれば、ご紹介した方法は、比較的実用的ですよね。画質もさほど劣化しないですし。

もちろん、この方法にも欠点はあって、

まあ、こういったことを考えると、さらに高画質に保ちたい、サウンドも含めもっと簡単に作業を行いたい、というのなら、その時は、DTV編集ソフトの出番です。


たとえば、Final Cut Proを使った例をご紹介しますと、タイムラインウインドウに配置したクリップ(例では10秒のクリップです)を選択し、

修正メニューの速度...コマンドを選択し、

速度を選択します。2倍スローモーションなら50パーセントです。継続時間を20秒(00:00:20.00)と入力しても同じことです。速度でも継続時間でもどちらでもお好きな方を。なお、オプションでフレームの合成をチェックしておくと、フレーム補完を行ってくれます。

ほら、20秒のクリップがあっというま、です。こうなると、iMovieの裏わざで苦労するのが馬鹿馬鹿しいですね(笑)



ということで、iMovieユーザのためのFinal Cut Pro講座を準備しておりますので、お楽しみに。



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