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Digital Origin EditDV

2000.06.29初稿
2000.06.30改訂

EditDV 2.0が登場しました。ここでは、デジタルオリジン日本代表ご提供の評価版をレポートします。EditDV 2.0の機能を中心にご紹介しながらも、EditDVの魅力をお知らせできたら、と思います。

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EditDV 2.0英語版を評価使用しました。英語と日本語、という違いを別にすると、EditDVを開いてみて、一見して旧バージョンと変わったところはありません。実際、細部を探さないと、違いが判りません(笑)

内蔵FireWireに対応

PowerMac G4やiMacDVといった内蔵FireWire端子からの取り込み・書き出しが可能になりました。iMac DVやPowerMac G4の登場から半年以上経過したわけですが、(まあ、Unpluggedは一足先に内蔵FireWire対応していただけに)ユーザにとっても待望の対応ですね。Apple Computerの冷たさにDigital origineさんもずいぶんご苦労なさったようなのですが、やっと、やっとこさ可能になりました。

機能拡張フォルダには、ドライバやDV Codecの新バージョンが入っています。旧バージョンとの違いは次のファイル群です。

RadDVCodec
Version 1.7
RadDVFireWireExpert
Version 2.0
RadDVFireWireFamily
Version 2.0
RadDVDriverA
Version 2.0
RadDVDriverB
Version 2.0
 
QuickTime FireWire DV Enablerは機能拡張フォルダから外されます。

レンダリングの高速化

おそらく、これら関連ファイルのアップデートのせいなのでしょうが、レンダリング速度が旧バージョンより早くなっている気がします。(旧バージョンが日本語版だから、ってことはないよね(笑))。EditDV、もともと、PremiereやFinal Cut Proにくらべて高速なレンダリングで定評があるのですが、さらに速くなっていますね。
ただし、G4のVelosity Engineに対応している訳ではない、ようです。じゃあ、なぜ??。

エフェクトの多彩さ

エフェクトの種類については、ほとんど増えていません。

 

旧バージョン

EditDV2.0
*Transitions(トランジション)

5種類

代わりなし
*Filters(フィルタ)

13種類

「Audio Panning」の追加
Custom FX(カスタム FX)

4種類
「1 Sec Fade Out」
「1 Sec Fade In」の追加
Custom TX(カスタム TX)

9種類

代わりなし
Device Control Plug-Ins

なし

代わりなし
Print To Video

なし

代わりなし
Title Moves(タイトル移動)

12種類

代わりなし
Title FX(タイトル FX)

6種類

代わりなし
Project Presets
(プロジェクトプリセット)

24種類

代わりなし

EditDV、基本的なエフェクトはすべておさえており、必要充分(これで不足している機能って何?? 不足を憶えるヒトって、どんな作品を作りたいの??(笑)とわたしは思う)なのですが、一方で、マーケッティング上は、サードパーティ製効果などの選択肢がない、なんてところが責められてしまうのですが、ここは、旧バージョンでは解決していませんでした。EditDVのEffect用APIも公開してたんですけどねえ。

ところが、EditDV 2.0では、以下の2点で大幅に改善が見られます。

まず、QuickTimeエフェクトに対応しましたから、自動的にエフェクトの種類がぐんと増えました。

QuickTimeエフェクトについては、書籍版「Mac de DTV」なら79ページ「Chapter2.4 ムービーの特殊効果」です。

ただ、英語版EditDVなので、QuickTime4.1.2日本語版環境下だと、メニューが文字化けしてしまいます(動作自体はしますが)。


もし、文字化けがいやなら、というより、文字化けした日本語を勘で使用するのは実用上困りますから、英語表記の方がよっぽどいいですよね。でも、QuickTimeそのものを英語版にすると、QuickTime Effects以外の全部のメニューも英語になってしまいます。

そうしないためには、機能拡張フォルダのなかにあるQuickTime Extentionsフォルダの中を覗いてみてください。

そのなかには、QuickTime Effectsというファイル(日本語版)がありますから、これを英語版のものと入れ替えてみてください。

そして、システム再起動してEditDVを起動すると、ほら、このとおり、QuickTime Efeectsのメニューだけ、ちゃんと英語表記になります。

さらに、3rd Party Extrasフォルダ内にPixelan Spice Rack Proが付属しているとのことです。Pixelan Spiceとは、2Dのテクスチャーで、エフェクトのスパイスに使う、といったもののようです。

このようにマーケッティング上の泣き所だった「エフェクトの多彩さ」も大幅に改善されています。

ムービー出力

もうひとつ弱かった点には、ムービーへの出力です。旧バージョンでは、一旦ムービーに書き出して、それを付属のMedia cleaner EZで変換する、という苦肉の策を取っていたのですが、今回からは、これだけの種類のムービー書き出しがプリセットされています。

ご苦労様でした(笑)。リストを作るわたしも疲れました。

ただし、これって、QuickTimeの機能に対応したから、ですね。QuickTime Playerからのムービー書き出しと同じことではあります(笑)

デュアルモニタ対応

これは、旧バージョンから可能でしたが、Preferenceのモニタウインドウで、Moniterウインドウの置き場を指定することができます。ですから、各種ウインドウが煩雑なシングルモニタ環境にくらべると、デュアルモニタ環境だと快適な作業が可能です。

   

あ、実はわたし、デュアルモニタどころかトリプルモニタ環境なんで(笑)、3つモニタが写っていますが。一番右のモニタはNTSCモニタなので(MacのRGBモニタではない)、Layout for Interlaced display(インターレースモニタに表示)オプションを使うことができるのですが、このときradius(Digital Origin社の前身)のロゴが出るのがご愛敬、Radius Edit時代のなごりなのかな(笑)

Layout for Interlaced displayオプションoffのとき


Layout for Interlaced displayオプションoffのとき

なぜかradiusログが生き残っている。どうでもいいことですけど...(笑)

音声

DVデータのうち、音声だけをキャプチャー出来ます。また、32kHz-12bitsの2チャンネル両方とも、例えば、L(ステレオのうち左)だけ、といった風に音声キャプチャー出来ます。

上の図のマウスポインタのところにある、Trackで「V」(Videoトラックをキャプチャーするかどうかの設定)のチェックを外して、その横のプルダウンメニューで音声モードを指定してやります。音声だけのキャプチャー、これは気が利いてますね。

実は、今回初めて気がついたのですが、この機能、旧バージョンでもあったんですね。お恥ずかしい。


いまのところ、まだ使い込んでいないので、漏れがあるかもしれません。また、なにより評価版にしては、結構安定している、という印象があります。


最後に、旧バージョンを含めて、EditDVというソフトを概観してみます。

設計思想が枯れている。

DVテープ書き出しを主なターゲットとしています。そして、DVテープ作品を完パケとする場合、PremiereやFinal Cut Proと比較しても、非常にバランスの取れた使い勝手です。

一方で、PremiereやFinal Cut Proは万能・多用途型のDTV編集ソフトといえます。それだけにそれなりの利点・欠点があります。

こういった各ソフトの特徴は、書籍版「Mac de DTV」277ページをご覧下さい。

例えば、これまでビデオ機器でテープ編集なさっていた方がEditDVに入って来た場合、始めから派手に(いかにもノンリニア、DTV、DTVした効果)作品をしようとは思いませんよね。まずは、ビデオ編集機器でできること、これで充分とお考えになるはずです。こういったとき、EditDVはぴったりです。

元々、EditDVは、Radius社のアナログキャプチャーシステムRadius VideoVisionという名機にバンドルされていたソフトRadius Editの流れを組んでいます(EditDV1.1のマニュアルには、何カ所かRadius Editと記載されていましたから(笑))。それだけに、酸いも甘いも(すいもあまいも)かぎわけた、「枯れた」仕上がりになっています。玄人(クロウト)にこそ受けそうな設計、使い勝手になっています。わたしは、これがEdtiDVの最大の特徴だと思っております。

タイトル機能が充実している

というか、PremiereにしてもFinal Cut Proにしても、タイトル機能がお粗末すぎ、勝負になっていません。Final Cut Proのタイトル機能が足りなすぎて自分でFXScriptを作成してしまったわたしがいうんですから、間違いないです(笑)
タイトル機能、これも、テープ書き出しを主な目的にしている以上、力を入れる訳です。

注)MacOS 9.0.4J+QuickTime4.1.2J環境下でEditDV2.0Eを使用した場合、Osakaフォントは使えます。他の日本語フォントはまだインストールしてないのでわかりませんが。
EditDV 2.0E評価専用のシステムフォルダ作って試用しているので、まだ余分なファイルは全くインストールしていないのです。だって、評価だから、すっぴんのシステムで使ってみないと、安定性がどうの、とは見極められませんもの。

レンダリングが速い、Codecが賢い

これは、DV codecも自社開発している強みでしょうか。QuickTime内蔵のApple DV Codecよりも賢いですし、画質がいいですし、白クリップも起こりません。

白クリップとは...。Mac DTV研究室「DVレンダリング時の白クリップ」問題をご覧下さい。なお、Digital OriginのRadius DV CodecはVer.1.5のころから白クリップは実用上起こらないように改善されています。また、Apple DV Codec互換のDV Tool Kit(ProMAX社)でも解決されています。

ま、ただ、Final Cut Proはサブピクセル処理もしている(ような)ので、こんあこともあって遅いのでしょうが...。

LiveDV、これは、再生中FireWire経由でDVカメラにも出力する機能で、Final Cut Proでも同様な機能を提供している今でこそ、目立たなくなりましたが、登場当時はすばらしいものでした。

DraftDV、これは、再生中の映像は粗く、静止画は高品位で、などといったように、再生映像の画質を可変で表示してくれる機能です。AppleのDV Codecは、高品位とドラフトの2段階だけですが...。

矩形ピクセル対応

矩形ピクセルとは...、書籍版「Mac de DTV」160ページ(Chapter 3.12 2D/3D画像をDVで利用する)を読んで下さいね。EditDVでは丸ワイプは、正円になります。(Premiereでは、長円になる)



こんなところでしょうか。ぜひ、日本のユーザにも、安価で速やかなアップグレードパスを期待いたします。


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