|
|
|
2002.01.23 Final Cut Pro 3 Day !!のご報告.3 リアルタイムということ
Final Cut Pro 3 Day !!のご紹介もかねて、何回かにわけて、Final Cut pro 3の機能を概観しております。もちろん、詳細は、Final Cut Pro Unofficialをご覧頂きたいのですが、ここでは、解説的なものをお送りしたいと考えております。
オフラインRTのうち、オフラインというキーワードは昨日2002.01.22解説しましたので、今日は、RTの部分を。RT、すなわちリアルタイムです。
まず、誤解のないように(Final
Cut Pro 3やRTmac、はたまたWinベースのRTソリューションも含めて)再確認させていただきたいのは、
●リアルタイムなのはプレビューだけ。
最終レンダリングがリアルタイムな訳ではありません。(そもそも、最終レンダリングは高速ならば高速なほど良いわけで、リアルタイムにこだわる必要もありません。実時間以下のほうが更に望ましい訳ですから)。
●RTプレビューの限界は、CPU(や広義のマシン性能)に依存する。
高速なマシンであればあるほど、エフェクト多重化にも耐えて、RTプレビュー再生が可能となります。
●外部ビデオ出力が、ひとつのポイント。
Macモニタ上での再生だけでなく、同時に外部ビデオでも画を確認可能か、という点もポイントです。例えば、Final Cut Proは言うに及ばず、iMovie上で再生すると同時にFireWire経由のDVカメラにもDV出力されますよね。こうやって、Macモニタ上、および、外部ビデオ上の双方で出来映えを確認できる、というのは、編集時の利便性を決めます。
さて、これらのポイントを見ながら、Final Cut Pro 3のRT機能を見てゆきましょう。併せて、RTmac環境や、Winベースのプロダクトとの比較という視点からも。
1. RTエフェクトの限界点は??
会場デモはPowerMac G4 867(QuickSilver)でなされたデモでしたが、「ビデオ1トラック+テロップ」「ビデオ1+ビデオ2のトランジション」はOKですが、「ビデオ1+ビデオ2にテロップ」はNGでした。つまり、PowerMac G4 867環境では2レーヤーまでがRTプレビュー可能、ということですね。
Final Cut Pro 3の場合、ソースとして、[オフラインRTフォーマット]と[DV]がアナウンスされています。(CPU負荷が同程度なCodecであれば、他のフォーマットでもできるものはあるんじゃないかな)
デモを見ていて奇妙に感じたことは、[オフラインRTフォーマット](660kB/s)でも、[DV](3.6MB/s)でも、どちらも「RTプレビューの限界点は2レーヤーまで」だったことです。これって、RTプレビューの限界はCPU(や広義のマシン性能)に依存するってことからすると、よりデータの軽い[オフラインRTフォーマット]の場合は2レイヤー以上が可能となっても良さそうに思いませんか??。なにか、ここにポイントがあるんでしょうね。(最悪の想定では、G4のクロックが2倍になったとしても、限界はやっぱり2レイヤーだったりして(笑)。)Dualマシンを交えて、あるいは、他のフォーマットを利用してCPU負荷を変えてみるなどして、検証してみる必要がありそうです。
なお、Winベースの製品を見ると、DV専用ですがもっと多重レイヤーを重ねてもソフトウェアでRTプレビュー可能なものは存在しているので、Macももっとがんばって欲しいなあ。
ただ、Final Cut Pro 3のRTプレビューの擁護をしますと、DV専用ではない、ということが挙げられます。DVベースどうしで比較すると、なんのこっちゃ、となるのですが、一方で、DV以外の用途にも視野を広げてみると、Final Cut Pro 3のスケーラビリティも相まって、ハイエンド用途の場合であってもオフライン用途にRTプレビューが利用可能、といった利点があります。
2.外部ビデオ
話しには聞いていましたが、Final Cut Pro 3のRTプレビューは、外部ビデオをオフにしないといけません。
編集時に関して言うと、RTエフェクトの効果を編集時に外部ビデオ(例えば、FireWireに接続したDVカメラ)で確認したいときには、外部ビデオを切り替えてやる必要があり、このとき同時に、RT機能は無効になりますから、レンダリングしないといけません。デモでは、この切り替えをぷれぷれさんは手慣れたものでショートカットキーで切り替えておられましたが、このキーコンビネーションは、わたしもすぐにでも覚えてしまいそう(覚えざるを得ない(笑))ですねえ。
また、外部ビデオ機能については、最終レンダリングの必要性、という論点からも考えるべきです。例えば、RTMacの場合、RTプレビュー時には同時にアナログNTSC出力も可能ですね。(このときのアナログNTSC出力の画質が実用になるか/ならないかという議論はさておき)この出力をビデオデッキで録画すれば、まがりなりにも「最終レンダリングは不要」ということになります。こういう点から見ると、外部ビデオをオフにしないといけないFinal Cut Pro 3の現状の仕様には、不満があることも事実です。もちろん、現状のマシンパワーからすると無い物ねだりなのはわかりますが、指摘しないわけにもいけません。
WinベースのRTプロダクトを見回すと、RTプレビュー時には同時にIEEE1394からのDV出力も可能なものもあるので、RTMacですらアナログNTSC出力しかできないというのでは、残念ながらMac環境は遅れていると言わざるを得ません(だからこそ、RT-MAXといったFireWire出力可能な製品の登場が待ち望まれている)。
3.RTMacとの比較
RTMacとの比較という観点で、ざっとまとめてみます。
Final
Cut Pro 3 RTプレビュー
|
Final
Cut Pro 3 + RTMac
|
|
使用できる素材 | オフラインRTフォーマット、DV(たぶん、他にも利用可能なフォーマットはあるのでは。) | DVのみ |
エフェクトの限界点 | 現状のMacで、おおむね2レイヤーまで | 3レーヤーまで。 |
「ビデオトラック1+2のトランジションの上にテロップ」、「ビデオトラック1の上に静止画2枚」、といったように、3レーヤーと2レーヤーの差は大きいです。 ただ、Final Cut Pro 3 RTプレビューは、将来の高速マシンでは、制限が緩くなる(改善する)はずです。 |
||
外部ビデオ | 外部ビデオを切にしないとならない | Macモニタ上再生と同時に、アナログNTSC出力可能 |
エフェクトの種類 |
種類数の比較はともかく。 Final Cut Pro 3のRTプレビューが勝っている点は、カラーコレクションのRT表示が可能な点。 |
RTMac使用上の注意。
● RTMacは、現時点で、Mac OS 9.x環境にしか対応していません。
● Final Cut Pro 3においては、RTMac使用とFinal Cut Pro 3RTプレビュー使用を切り替えるには、RTMacコントロールパネルで、RTMacを入り切りしないといけません。このとき、Final
Cut Pro 3を一旦終了させる必要があります。
といった辺りが、リアルタイムにまつわる話題です。
|
|
Copyright(C)
Yasushi SATO |