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iDVD 2

2001.11.01初稿
2001.11.08改訂

 


iDVD 2 for Mac OS X、ついに登場です。ざっと概観をお届けしましょう。

 

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   iDVD 2

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まずは、感想など。

11月2日より発売になりましたiDVD 2、早速使ってみましたが、これは、よい、です。驚きました。楽しめそうです。

iMovie 2 やiTunesは、すでにMac OS版が出ていたものをMac OS Xへ移植した、ってことで、新鮮味がありませんが、 iDVD2は、Mac OS XのLook and Feelとも相まって、新しい世界を感じずにはいられません。これがDigital Hubなのか!!、というかんじです。 (ある意味で、iMovieが登場したときよりもインパクトがありました)

なんだか、素朴にiDVD2に感動する「シロウトのわたし」がここに居ります(笑)。

モーションメニュー

たぶん、iDVD 2の目玉機能、モーションメニュー。

まず、目に付くのが、iDVD 2から搭載された[モーション]ボタン。これを押すと、

 ● 上図の「背景部分」(World Sportsとタイトルの入っている部分)

 ● 上図の「メニュー」(Celebration、Play Time、Beach)のウインドウ部分、

の両方が動画になります。このとき、

 ● 音声も再生されます。

[テーマ]ボタンを押して、[カスタマイズ]タブを選ぶと、詳細設定が可能です。

背景用のムービーは、たとえば、iMovieで[iDVD用...]コマンド*)で作成したムービーでいいです。これを、[背景]の[イメージ/ムービー]の欄にドラッグアンドドロップするだけです。
音声だけを[背景]の[オーディオ]の欄にドラッグアンドドロップすることもできます。

*) iMovieで[iDVD用...]コマンド:

これで作成されるムービーは、DV Codecで圧縮された720×480サイズのビデオ、48kHzのオーディオ、という、一般的なDV形式のQuickTimeムービーです

 

一方、メニュー用のムービーは、iDVD 1と同様に、メインウインドウにドラッグアンドドロップします。ここまでは、iDVD1と同じです。

そうすると、iDVD 2は自動的に、バックグラウンドでMPEGエンコード(圧縮)作業を開始します。あたかも、iMovieのバックグラウンドレンダリングのように。Mac OS Xですので、バックグラウンドMPEGエンコードが始まっても、引きずられるような重い操作にはなりません。きびきびした動作のままなのは、さすが、マルチタスキングです。

バックグラウンドムービー、モーションメニュームービーの継続時間は、[モーションの継続時間]スライダーバーで設定します(図では15秒に設定。最大30秒間)。

[モーション]ボタンを押し、[プレビュー]ボタンを押してプレビューしてみると、晴れて「モーションメニュー」が再生されますが、15秒経ったら、リピートされます。

いやあ、かっこいい。DVD-Videoのモーションメニューがこんなに簡単に作れてしまっていいんでしょうか、ほんとに(笑)。確かに、小学生にも使えそうです。

 


 

テーマ

iDVD 2では、テーマは、これまでのIDVDと同じ[ピクチャのみ]の他、[オーディオ付きピクチャ]と[モーション]とが追加されています。現時点で用意されているテーマは次の通りです。

 

モーション

ピクチャのみ

Grobal
メタル
Family
Aqua Blue
Wedding
パーチメント
Sports
掲示板
Sky
Kids Blue
Kids Pink
オーディオ付ピクチャ
Baby Blue
Claim Check
Baby Pink

 

[モーション]の項目に見える名称を見てください。

Wedding→Baby(BlueとPinkは性別か?)→Kids→Family、と、人生のイベント(笑)がひとそろい用意されているのですね。
Grobalは、CNNなどのなんちゃってワールドニュース風、Sportsは衛星放送のなんちゃってワールドスポーツ風、です。

テーマを選んで作ってみると、シロウトビデオでもそれらしく見えるので、自分でも笑ってしまいますが(笑)。それにしても、良くできています。

あと欲しいのは、トラベルというテーマかな??


MPEG2エンコード

iDVD 2では、バックグラウンドでのMPEG2エンコードがなされるようになりました。

これまでのiDVD 1では、[DVD-Rの作成]を実行するとき、まとめてMPEGエンコード→オーサリング→DVD-R焼き、を行なっていましたので、DVD-Rの作成には、やたら時間が掛かっていたわけです。iDVD 2では、 一連の工程のうち、MPEGエンコード処理は、iDVD2で編集作業を行っている最中に、バックグラウンドで処理してしまうことで、DVD-Rの作成時点での処理時間の短縮を図ることができます。

でも、バックグラウンドMPEG2エンコードのせいで、iDVD 2上での操作が重くなってしまっては、本末転倒ですよね。
でも、そんなことは起こらないのです。なにしろ、プリエンプタティブマルチタスクなMac OS Xなのですから。この辺は、さすがです。Mac OS 9には真似のできないところです。

実際に、Process Viewerで、バックグラウンドMPEG2エンコード中のタスク管理状況を見てみます。

iDVDや他のアプリケーションを使用しているときは、Encoder Serverの占有率は約30%程度です。一方、他に何も作業をしていないときは、Encoder Serverの占有率は約90%程度まで上がります。非常に、プロセス管理がうまくいっている、といえます。

ちなみに、PowerMac G4 733/SuperDrive(Digital Audio)の場合、MPEG2エンコードには、実時間のほぼ2倍の処理速度です。iDVD 1とさほど変わっていないようです。ですが、トータルの実質的な作業時間は、(バックグラウンドMPEGエンコードのおかげで)明らかに短縮されます。


最長90分までのDVD-Video

iDVD 2での機能向上の一つに、90分までのDVD-Videoの作成は可能、というものがあります。

でも、[状態]タブの表示を見てください。

  プロジェクトの継続時間 61:14/60:00

と表示されており、合計61:14となるようにムービーをiDVD 2にドラッグアンドドロップしたのに、最長、90分にならない...。

ご安心ください。合計時間が、60分を越えるように、ムービーを登録した時点で、

こんなダイアログが現れ、[続ける]ボタンをクリックすればよいのです。

そうすると、[状態]タブは、こんなふうに、

  プロジェクトの継続時間 61:14/90:00

と表示が変わります。このとき、注意しなくてはならない点は、90分のロングプレイに切り替えた時点で、すでにMPEGエンコードされたファイルはすべて破棄され、ロングプレー可能なように圧縮率の高いMPEGファイルにエンコードし直される、ということです。
右図の[状態]タブでも、再エンコード状態になってますね。

 

さて、60分モードと、90分モードにおけるMPEGファイルの転送レートを見てみましょう。

60分モードにおけるMPEGファイル
90分モードにおけるMPEGファイル

このように、どちらもソースは、20秒のDv Codecムービーだったのですが、iDVD 2でエンコードされたMPEGデータファイルを、[DVD Studio Pro]の[Property Inspector]で調べると、
● 60分モードの場合、約7.7Mbps(iDVD1(60分モードのみに対応)の場合とほぼ同じ)
● 90分モードの場合、約4.9Mbps
となっています。

約4.9Mbpsという数値は、市販のDVD-Videoの転送レートが、おおむね5.5〜6 Mbpsが一般的なので、それよりは、高圧縮率(=画質が悪い)ことになります。
アマチュアの画の場合、手ぶれなどの影響で、市販DVD-Videoほど圧縮率が稼げない、ということも考えておくべきでしょう。

アマチュアが使うことがメインなiDVDでは、だからこそこそ、60分モードの約7.5〜8Mbpsがデフォルトになっているのだろうと思います。

約4.9Mbpsの画質は、一般的にいって、約7.7Mbpsの画質と見比べると、視認できます。ただし、約4.9Mbpsの画単独で見る場合、破綻している、といったものではありません。そこそこ見れます。

  

ということで、60分モードにするか、90分モードにするかは、画質とのトレードオフになりますから、いろいろな判断がおありでしょう。ともかく、90分のロングプレイに切り替えた時点で、すでにMPEGエンコードされたファイルはすべて破棄され、ロングプレー可能なように圧縮率の高いMPEGファイルにエンコードし直される、ということに注意しなくてくださいね。時間の無駄になりますから。


おまけ)iDVD 2を、(DVD-Videoを作るところまでいかないで)単なるMPEG2ビデオエンコーダとして使用する方法

iDVDを、(DVD-Videoを作るところまでいかないで)単なるMPEG2ビデオエンコーダとして使用することもできます。意味があるかは、別問題ですが(笑)。

iDVD 1では、プロジェクトファイルと同一階層に作成されるEncoded Dataフォルダの中にMPEGファイルが作成されるのですが、iDVD 2からは、iDVD 2のプロジェクトファイルの内部に格納されるので、MPEGファイルを取り出すことはできないかに見えます。

実は、iDVD 2プロジェクトファイルは、単一のファイルではなく、複数のフォルダ・ファイルからなる「パッケージ」なのです。通常の操作では、みかけ「単一のプロジェクトファイル」と見せかけた方が、ユーザが混乱しなくて済む、という判断なのでしょうね。

パッケージ内部をいじるには、[コンテキスト]メニューの[パッケージの内容]を表示を選択すればよいです。

iDVD2プロジェクトファイルの内部は、こんな構造になっています。

  • South Pacific.dvdproj
    • /contents フォルダ
      • PlgInfo ファイル
      • /Resources フォルダ
        • /Audio フォルダ
        • /Menu フォルダ
        • /MPEG フォルダ
        • /Overlay フォルダ
        • ProjectData ファイル
        • /Slideshow フォルダ
        • /Thumbnails フォルダ

このなかで、MPEGフォルダの中に、MPEG2ビデオファイルが格納されるようになっています。

もちろん、このファイルは、DVD Studio Proといった他のDVD-Videoオーサリングソフトでも利用できます。

  

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