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Media Press Pro

2001.06.23初稿
2001.07.06改訂


ここでは、Wired社のMPEGエンコーダカードMedia Press Proをご紹介します。

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   Media Press Pro

今回は、ソフトウェア・トゥー社さまのご厚意により、Media Press Proを試用させていただきました。ご対応に感謝いたします。


Wired社Media Press Proは、PCIカードとソフトウェアからなるMPEG-2ハードウェアエンコードカードです。


このように、ドーターカードを2枚も装着した、2層構造になっています。


カードに用意されている入力端子としては、コンポジット映像端子、S映像端子、ステレオミニプラグ音声端子の他、


専用ケーブルを介してのコンポーネント接続も可能です。この辺りが、Media Press "Pro"と呼ばれるゆえんでしょうか。



Digital Media Press、2つの機能

Wired社Digital Media Pressには、ふたつの機能があります。

一つ目は、カード上に用意された端子から入力したアナログ信号をMPEG-2でキャプチャーする機能。この場合は、いうまでもなく「リアルタイム」です(なにしろ、キャプチャーですから)。家庭用であるコンポジット映像入力、S映像入力の他、業務用で使われるコンポーネント入力も可能ですから、幅広い用途に対応します。

二つ目は、HDDにあらかじめ取り込んでおいたムービーをMPEG-2にエンコードする機能。処理時間は極めて速く、実時間の3〜4倍程度です。



Digital Media Pressソフトウェア

付属のソフトウェアを使用して、詳細なMPEGエンコード設定が可能です。


  Videoの設定

MPEGビデオの設定を行います。

Bitrateの設定は当然として、CBR/VBRとも可能で、VBRの場合には上限値も設定できます。

GOPについては、Pフレーム距離(上図では、PatternがIPBB、つまり3に設定されています)、サイズ(上図では、MPEG2ビデオで一般的な15に設定されています)、OpenGOPかClosed GOPかを設定します。他のVideo Optionについては、わたしはよく分かりません(笑)。


  Audioの設定

MPEGオーディオの設定を行います。

Formatとしては、MPEG Audio (Layer II)か、リニアPCMが選択できます。


  Sourceの設定

ここで、ソースに関する設定を行います。

入力源として、コンポジット([Composite])、Sビデオ(S-Video[])、コンポーネント([YUV Component])といったアナログNTSC入力端子、または、HDD上に保存してあるQuickTimeムービー([Quicktime])、のいずれかを選択します。

また、今回は、Media Press Proでしたが、その上位機種であるMedia Press SDIの場合は、[Serial D-1]も選択できるようになるのでしょう。

この画面で、色調補正も可能で、Brightness,Contrast,Saturation,Hueといった一般的なColor Correctionの他、ノイズ除去、エッジ処理などのフィルタ機能もあります。




  Intra Table、Non-Intra Tableの設定

ここでは、フレーム内圧縮のために用いられるマクロブロックの離散コサイン変換(DCT)処理の際に用いられる「量子化テーブル」をいじることができます。この表をいじることは、「M-JPEG圧縮における圧縮率を上げること」に相当します。

デフォルトでは、ISO/IEC策定による値になっています。




ファイルエンコード時間

1分間の素材ムービー(非圧縮QuickTimeムービー、あるいは、DV圧縮されたQuickTimeムービー)を、Media Press ProでMPEG-2エンコードするのに要する処理時間を示します。

使用素材
(1分)

非圧縮素材

DV素材

CBR / VBR

CBR

VBR

CBR

VBR

2.0 Mbps 

3'17.18

3'17.15

3'53.33

3'52.81

4.0 Mbps 

3'17.20

3'17.20

4'05.96

4'08.26

5.8 Mbps 

3'17.25

3'17.64

4'08.07

4'18.73

8.0 Mbps 

3'17.29

3'17.56

4'27.05

4'11.66

9.5 Mbps 

3'17.36

3'17.36

4'00.42

4'05.15

この結果、DV素材の場合、非圧縮素材にくらべて若干遅いものの(DVエンコード処理の分か??)、ほぼ、実時間の3〜4倍、といった処理速度です。



Media Press Proは、

「HDD上のムービーファイルをMPEGエンコード」と「カード上に搭載された様々なアナログ映像信号をMPEG2キャプチャー」の両方のソースが選択可能、

家庭用途から業務用途にまで対応した、豊富な入力端子群

ファイルのMPEGエンコードの際には、実時間の3〜4倍の処理速度

付属ソフトによる詳細なMPEGエンコード設定が可能

などの特徴から、ハイエンドアマチュアから業務用に使える製品といえます。


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