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Motion Final Cut Proとの連携.2 |
2004.09.10初稿
2004.10.09改訂 |
次は、Final Cut ProとMotionで連携させた場合の「色」の話題です。
Final Cut Proで100〜109IREのスーパーホワイトを含むようなビデオ信号を編集中、Motionに書き出して編集した後、Final Cut Proに戻って来る、といった作業の際に、色は大丈夫なのでしょうか。
なにしろ、AfterEffectsやPhotoshopといったRGB色空間を使用するソフト(以下、RGBソフト)を使用する場合、Final Cut Proで編集中の100〜109IREのスーパーホワイトを含むようなビデオクリップを、RGBソフトに書き出して編集した後、Final Cut Proに戻って来ると、書き出しクリップ(RGBソフトで一旦作業)と、非書き出しクリップ(Final Cut Pro内で完結)では、色味が違っています。
この原因は、YUVからRGBへ書き出す(この場合、Final Cut ProからRGBソフトに書き出す「行き」のプロセスにあります。RGBソフトからFinal Cut Proに戻す「帰り」のプロセスには問題ありません。詳しくは、別項にて。
Motionでは大丈夫なのでしょうか?
この記事は、↑前文の意味が理解できるユーザ向けのマニアックな内容です(笑)。
Final Cut Proでの下ごしらえ
テスト用のクリップは、以下のようなグレースケールです。
Final Cut Proの[スーパーホワイト]モードのシーケンスで、[ビデオスコープ]を見ると、0IREから109IREまでの右上がりのトーンカーブを示すようなグレースケールです。
Motionに書き出して、編集
このシーケンスを[Motionプロジェクトに書き出し]を実行すると、例によって、Motionに持ってくることが出来ます。
で、次に、Motionでなんらかの編集をするわけですが、右下がりのグレースケールと、Motionの図形作成ツールで、100%(←この場合、あくまでもMotionの白空間での100%という意味です。100IREを意味していません)の白で塗りつぶした四角と、0%(真っ黒)でに塗りつぶした丸も追加してみます。
MotionからFinal Cut Proに戻ってくる
こんな操作をMotion上で行った後、さて、Final Cut Proに戻ってきましょう。
ビデオスコープを見て頂くとわかるとおり、
書き出しクリップ(Motionで一旦作業)のトーンカーブと、非書き出しクリップのトーンカーブ(Final Cut Pro内で完結)は、全く一致しています。
その上で、Motionで追加したグレースケール(右下がりのトーンカーブ)は、Final Cut Proでのオリジナルのトーンカーブ(右上がり)とも全く一致しています。
つまり、こうしてみると、Final Cut Proで編集中の100〜109IREのスーパーホワイトを含むようなビデオクリップを、Motionに書き出して編集した後、Final Cut Proに戻って来る、といった作業を行っても色味は変わらないことがわかります。
まあ、Motionの仕組みを理解すると、これはある意味当然です。というのも、なにしろMotion上ではレンダリングしない訳ですから。Motionで扱っているメディアの本体は、Final Cut Proでのクリップそのものを直にさわっているわけです。
一方、AfterEffectsやPhotoshopのようなRGBソフトを使う場合、行きのプロセスでYUV→RGB変換をしてしまっているわけです。ここで色味が失われるのです。
でも、Motionではこのプロセスが要りませんので、色味が変わらない...と。この点は、AfterEffectsに対するMotionのアドバンテージといっていいのかもしれません。
また、Motionで先ほど入れた、100%の白で塗りつぶした四角と、0%(真っ黒)で塗りつぶした丸の部分をビデオスコープで見ると、それぞれ、109IREと0IREへとマッピングされていることがわかります。この挙動も、「Final Cut Proの[スーパーホワイト]モードで編集中のシーケンスへ、Motionで作ったクリップも追加する」といった作業を行う際に、非常にリーゾナブルな色の扱い方だといえます。
ということで、Final Cut Proで100〜109IREのスーパーホワイトを含むようなビデオ信号を編集中、Motionに書き出して編集した後、Final Cut Proに戻って来る、といった作業の際にも、色味は変化しません。
AfterEffectsやPhotoshopといったRGB色空間を使用するソフトを作業する場合、書き出しクリップ(RGBソフトで一旦作業)と、非書き出しクリップ(Final Cut Pro内で完結)では、色味が違ってしまいますので、この点は、AfterEffectsに対してMotionが優位性を持っている特徴のひとつといってもいいでしょう。
えらくマニアックな内容になりましたが、わかりました?(笑)。
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