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MacDTV.com HDVカメラか、AVCHDカメラか 2008.05.23初稿
2010.03.06改訂
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HDVカメラか、AVCHDカメラか

画質、音質、メディア、使い勝手(撮影時の収録時間、長期保存時)、Macでの編集等の観点から、AVCHDビデオカメラかHDVカメラかを考察してみました。

画質

画質は、フォーマット(HDV規格かAVCHD規格か)のみで決まるわけではなく、カメラ部(光学系)の性能も大きく影響します。この点をご理解頂いた上で、勇気をもっていうならば。

ほとんど動きのないシーン

精細度に関しては、AVCHD 1920(フレームサイズ1920×1080。いわゆるフルHD)がもっとも良好です。AVCHD 1440やHDVはいずれもフレームサイズが1440×1080なので、フレームサイズが1920×1080のAVCHD 1920には精細度がかなわないのは、ある意味で当然です。

ただし、カメラ部の性能がよくないと、AVCHD 1920で収録しても、AVCHD 1440のときと変わらない、なんてこともあり得ます。

以上の精細度に関しては、ほとんど動きのないシーンの場合には、フルHD(1920×1080)か1440×1080かは、確かに、選択ポイントになります。しかし、逆にいうと、以下のような動きのあるシーンでは、フルHDでも1440×1080でも大差有りません、はっきりいって!!。

動きのあるシーン

ところが、動きがあるシーンの撮影の際には、前述の精細度の議論は、ほとんど意味を持たなくなります。
例えば、パンやズームする場合、動かすと「精細度が急に落ち、画面全体が軽くぼやっとする」、止めるとすぐに「画面全体が高精細なものに変わる」、といった挙動を示します。こういった挙動は、一般的には許容できる程度のものではありますが、おそらくどなたでも気づくことが出来るものです。
この挙動は、HDVよりもAVCHDの方が顕著に現れる、ように私には思えます。

激しく動くシーン

AVCHDにしても、HDVにしても、もっとも苦手な画像のひとつは「水しぶきを上げる滝」といった図柄です。この手のシーンの場合、HDVでは、ブロックノイズが載ることがしばしばあります。

AVCHDの場合、H.264にはデブロッキングフィルターが搭載されているので、この手のシーンでもブロックノイズが出ないように画像処理がなされます。そのため、ブロックノイズが出るまでには至りませんが、そのかわり、ディテールの表現が失われがちで、全体に平坦でぼんやりとした「もやっ」とした絵柄になってしまいます。ブロックノイズを目立たなくさせるフィルター処理をするのですから、当然と言えば当然ですが。

HDV

AVCHD

水しぶきの箇所(緑のエリア。5倍拡大)では、HDVと比較すると、AVCHDではブロックノイズはほとんど発生していません。デブロッキングフィルタが効果を上げているようです。

HDV

AVCHD

一方で、水のきらめきの箇所(紫のエリア。5倍拡大)については、HDVでは認められるディテール表現がAVCHDでは若干失われているようです。デブロッキングフィルタの弊害と思われます。

このように、「水しぶきを上げる滝」といった図柄は、MPEG-2で圧縮されたHDVにしても、MPEG-4 AVC/H.264で圧縮されたAVCHDにしても、大の苦手には違いありません。

画質に関する結論

画質の点から、HDVカメラかAVCHDカメラかを選ぶのは非常に困難です。HDVとAVCHDの画質は、一長一短はありますが、総合的に見ると差はありません。

精細度(フルHD(1920×1080)か1440×1080か)については、静止画を比較しない限り、大差はありません。
動きの激しいシーンでは、HDVではブロックノイズが発生することがあります。AVCHDでは、ブロックノイズ発生はかなり軽減されますが、一方で、ディテールの表現が失われがちで、全体に平坦でぼんやりとした「もやっ」とした絵柄になります。

注1 同等画質なのに倍の圧縮効率を誇るAVCHDは、技術的観点からはすごい、という言い方はあり得ます。ただ、画質の観点からは、HDVと同程度の圧縮率でよいからその分のビットレートを画質向上に振り向けてくれたらいいのにな、と思います。

注2 繰り返しになりますが、画質はフォーマット(HDV規格かAVCHD規格か)のみで決まるわけではなく、カメラ部(光学系)の性能も大きく影響します。コンシューマ向けしかないAVCHDビデオカメラの画質が、ハイエンド〜業務向けHDVカメラ(例えば、ソニーHDR-FX/HVRシリーズ、キヤノンXL H/XHシリーズ等)には敵わないのは当たり前です。

音質

5.1chサラウンドは意味があるか

サウンドに関しては、カタログスペックとしては、5.1chサラウンド収録可能な仕様であるAVCHDビデオカメラの方が優れている、といえなくもありません。ただし、実際上は、HDVがサポートしているステレオ音声で充分です。
理由は、まともに5.1chオーディオを収録したいなら、AVCHDビデオカメラの内蔵型マイクなどでは手に負えないからです。さらに、MacでAVCHD編集する際、iMovie '08以降、Final Cut Pro 6以降、Final Cut Express 4とも、取り込み時に5.1chサラウンドはステレオに変換されてしまうことも考えると、5.1chサラウンド対応は、実際上は大したアドバンテージにはなりません。

なお、Adobe Premiere Pro CS4では、5.1chサラウンドのまま、編集に持ち込めます。(MacユーザのためのProduction Premium Vol.6「Premiere Pro CS4で5.1chサラウンドを活用

内蔵マイクの性能

なお、AVCHDビデオカメラかHDVカメラかという問題以前に、内蔵マイクの性能確認、外部マイク端子の有無の確認の方が重要です。機種によっては、ビデオカメラの動作音を内蔵マイクで拾ってしまいますから。

ハイエンド〜業務向けHDVカメラでは、カメラ本体部ではなく、ハンドル部に内蔵マイクが搭載されています。
例)ソニーのHDR-FX7

内蔵マイクがビデオカメラ動作音をどのくらい拾ってしまうか、そのノイズが気になるかどうかは、結局は購入後使い続けてみないと判断できません、購入前に店頭で確認するのは至難の業です。そんなことを考えると、外部マイク端子が搭載された機種を選んでおく方が無難といえます。そうすれば、ビデオカメラ購入後ノイズが気になる場合には、外部マイク使用で回避することができます。

音質に関する結論

AVCHDビデオカメラでも、HDVカメラでも、実際上は大差ありません。
どちらを選ぶにしても、内部マイクの性能、外部マイク端子の有無が重要です。

使い勝手から見た、収録メディア選び

AVCHDビデオカメラには、DVD収録タイプ、メモリカード収録タイプ、HDD収録タイプ、ハイブリッドタイプなどがラインパップされています。HDVカメラは、miniDVテープのみです。

このように収録メディアはさまざまですので、使い勝手の観点から概観してみましょう。

サイズ・重量、タフさ

サイズ・重量の観点からは、メモリカード収録型のAVCHDビデオカメラが一番です。また、対衝撃性の観点からも、メモリカードは優れています。

一方、DVD収録型はサイズ上不利、HDD収録タイプはサイズ・重量上若干不利、DVD/HDDハイブリッドタイプはコンパクト化には全く向いていません。HDDタイプは万が一のクラッシュが心配です。

サイズ・タフさの点で、案外バランスがいいのは、HDVカメラです。

HDVカメラ AVCHDビデオカメラ
mini DVテープ 8cm DVD-R/-RW等 メモリカード 内蔵HDD
ビデオカメラのサイズ  (コンパクトなほど「よい(○)」)
○〜△

△〜×

◎〜○
タフさ(対衝撃性など)

○〜△

撮影時の収録時間

撮影時の収録時間の観点から、それぞれの収録メディアを見てゆきましょう。

HDVカメラ AVCHDビデオカメラ
mini DVテープ 8cm DVD-R/-RW等 メモリカード 内蔵HDD
最大63分 DVD DL2)
30〜40分程度 1)
 
2〜3時間程度1) 通常の撮影ではHDD容量が気になることはない。

1) 画質モード:おおむね、十数Mbps程度のビットレートの場合

2) DVD DL:2層式DVD。容量は2.8GB。

さて、ビデオカメラ選びの際には、ご自分の使用方法を想定し、何分くらいの撮影可能時間を求めるかをはきりさせることが大切です。

たとえば、ご家庭でお子さんを撮るのだったら、どのタイプの収録メディアを選んでも収録時間が気になることはないはず。一方、例えば、何日間もの撮影旅行に出かけるのでしたら、収録メディア選びは非常に重要です。例えば、下表のように...。

HDVカメラ AVCHDビデオカメラ
mini DVテープ 8cm DVD-R/-RW等 メモリカード 内蔵HDD

予備のテープを購入してもって行く。

miniDVテープは、安価で、旅先でも入手しやすい。

予備のDVDを購入してもって行く。

8cm DVDメディアは、安価で、旅先でも入手しやすい。

予備を購入して持ってゆきたいが、メモリカードは現状高価なのでおいそれと買い増しできない。

×

想定収録時間分のメモリカードを持ってゆけない場合...、↓

おそらく、内蔵HDDのみで収録可能なはず。
 

ただし、HDDクラッシュのおそれはゼロではない。これをおそれるならば...、↓

場合によっては、旅行にMacBookを持参する(あるいは、バックアップ用にメーカ純正のDVDライタ持参する)必要もあるかもしれない。

メディアの長期保存、家庭用HDTVでの再生

次に、長期保存に関して、また、家庭用HDTV(液晶/プラズマ等のいわゆる薄型/大画面TV)での再生を考えてみましょう。

HDVカメラ AVCHDビデオカメラ
mini DVテープ 8cm DVD-R/-RW等 メモリカード 内蔵HDD
メディアの長期保存の観点から...

撮影したメディアそのものを保存しておくだけでよい。

AVCHDデータをMacのHDDへ待避したのち、メディア上からオリジナルのAVCHDを消去してしまわなければならない。

家庭用HDTVで再生する場合に...

家庭用HDTVで再生したければ、ビデオカメラ上で保存しておいたメディアを再生すればよい。

××

メディア上のAVCHDデータを消去してしまった後は、家庭用HDTVで再生することは出来なくなってしまう。

 

HDVカメラやDVD収録型AVCHDビデオカメラの場合は、話しはシンプルです。

撮影したオリジナルのメディア(HDVテープやDVD)そのものを保存しておくだけでよく、家庭用HDTVで再生したければ、オリジナルのメディア(HDVテープやDVD)をビデオカメラで再生すればよいだけです。また、念のためMacのHDDにもコピーしておけば、バックアップとしても完璧です。

一方、メモリカード型/内蔵HDD型のAVCHDビデオカメラの場合は、大きく二つの難点があります。
その難点は、遅かれ早かれメディア上からオリジナルのAVCHDデータを消去しなくては、容量が足りなくなってしまうからです。もちろん、消去する前には、AVCHDデータをMacのHDDへコピーしないといけない*)ことはいうまでもありません。

*) MacのHDDへコピーしないといけない...

 他には、ビデオカメラメーカ純正のDVDライタを利用する、という手もあります。

難点の一つ目は、MacのHDD上に唯一無二のファイルを保存しておく、ということ。

MacのHDD容量:おおざっぱに言って、2時間分のAVCHDデータで約十数GB消費します。データが貯まってくると、外付けHDDなどが必要になるかもしれません。

MacのHDDのバックアップ:もしかすると、MacのHDDもクラッシュしてしまうかもしれません。万が一に備えて、Mac HDDのバックアップを取っておいてはいかがでしょう。

難点の二つ目は、オリジナルのメディアを消去してしまった後は、家庭用HDTVで再生することは出来なくなってしまうこと。

現状MacからAVCHDビデオカメラ(のメモリカード/HDD)に書き戻すことはできません。

iMovie、Final Cut Express/Proで編集したデータであろうと、
MacのHDDに単純にコピーしてきただけで、なんの編集もしていないものであろうと、一旦MacにもってきてしまったAVCHDデータは、AVCHDビデオカメラ(のメモリカード/HDD)に書き戻すことはできません。

そのため、オリジナルのメディアを消してしまった後は、AVCHDビデオカメラ上で再生して家庭用HDTVで再生することは出来なくなってしまう、ということです。

Macでの編集

Macでの編集での編集を考える際には、ポイントは、native編集かTransCoding編集かにあります。

  HDV AVCHD
iMovie AICを使用したTransCoding編集 AICを使用したTransCoding編集
Final Cut Express AICを使用したTransCoding編集 AICを使用したTransCoding編集
Final Cut Pro native HDV編集
 または
TransCoding編集
AICまたはApple ProRes 422 Codecを選択可能。
 
TransCoding編集(AICまたはApple ProRes 422 Codecを選択可能)

AIC:Apple Intermediate Codec

編集時の快適さ、編集後の書き戻しに関して、現状をまとめました。

注)現状はこうですが、将来native AVCHD編集が可能になった時点で、以下の結論は変わってくることでしょう。

結論

iMovie、Final Cut Express

HDVでもAVCHDでも、AICを使用したTransCoding編集を行います。従って、MacのHDDにデータを持ってきてしまった後は、

編集時点での快適さは、HDVでも、AVCHDでも、どちらでも同じです。

編集後の書き出しでは、HDVへ書き戻すことはできますが、AVCHDデータをメモリカード/DVD/HDDへ書き戻すことはできません。

Final Cut Pro

AVCHDでは、AVCHDでは、TransCoding編集のみですが、HDVでは、さらにnative HDV編集も可能です。

編集工程を考えると、native編集が可能であるHDVの方が、ハンドリングが容易で快適です。

ただし、native編集が可能なHDV」という優位性がなくなるケースも存在します。例えば、複数のHDビデオフォーマット(HDV、AVCHD、その他のフォーマット)をひとつのプロジェクト上に混在させて編集する場合。このケースでは、TransCoding編集を行った方が現実的なので、「native編集が可能なHDV」という優位性はなくなります。

編集後の書き出しでは、HDVへ書き戻すことはできますが、AVCHDビデオカメラ上のメモリカード/DVD/HDDへAVCHDデータを書き戻すことはできません。

総括

画質、音質、メディア、使い勝手(撮影時の収録時間、長期保存時)、Macでの編集等の観点から、AVCHDビデオカメラかHDVカメラかを考察してみました。結局のところ、どちらも大差ない、という、身も蓋もない結論に至ったのが残念ですが。

ご自分がどんな風に使いたいかを出発点にすれば、間違いのない選択ができると思います。参考になれば。

ここまで、HDVカメラとAVCHDビデオカメラの画質について、両者の違いについて説明したかったので、ことさらディテールに注目して説明してきました。
誤解して頂きたくないのは、両者の画質とも、全般的には合格レベルだ、ということです。

細かく見ると確かにアラはあります。でも、ご家庭のHDTVで、常に、目を皿のようにして細かい部分だけを見る、というのはあり得ないわけですよね。
また、自分で撮影したビデオを再生した時に、まず気になることは、例えば、フォーカスが合っていない、手ぶれしている、被写体を追い切れず絶好のタイミングを外してしまった/画面の正面に被写体を置けていない、等。細部表現への不満がどうのこうの、というよりも、撮影の時にもうちょっとうまく撮影しておければ良かったのにな、と自己反省することが多いはずです。

そんなことを考えると、HDVカメラとAVCHDビデオカメラ、画質の細かな違いを気にすることには、あまり意味はないのかもしれません。両者の画質とも、全般的には合格レベルといえる、ということを再度表明しておきます。

蛇足)この記事を書こうと思ったわけ

今、店頭では、AVCHDビデオカメラの方が多くならんでいます。製品ラインナップも充実しています。だから、AVCHDビデオカメラの中からご自分の想定使用法に合致しているタイプの機種をお選びになるので正解です。

ただ、最後に一言。
このままだと、なにか特別の理由がない限り、店頭でHDVカメラを選択なさる方はおられないのではないかと思います。あるいは、ネット記事でも「フルHD(1920×1080)対応でなければHDビデオカメラにあらず」的な扱いをされています。

例えば、「フルHDビデオカメラ」の製品紹介という趣旨のこの記事では、HDVカメラ(1440×1080なので)は、対象外なので紹介されておりません。

一方で、ハイアマチュア〜軽い業務用途では、HDVカメラが主流であることを思い起こしてください *)。HDVというフォーマット自体は、AVCHDに劣るものではありませんし(先述の画質参照)、MPEG2-TSという「枯れた技術」を使ったデータフォーマット、使い勝手(撮影時・長期保存時)のよいテープを組み合わせたシステムは、リーゾナブルで安心感があることも事実です。ちょっとだけ、HDVの味方をしてみました。

*) 2008.06.10時点では、

一方で、ハイアマチュア〜軽い業務用途では、HDVカメラのみであり、AVCHDビデオカメラタイプは登場していないことに思い起こしてください。

と言い切っていたのですが、
Panasonicから、業務用機AG-HMC75AG-HMC155(今秋登場予定)が発表されてましたので、記述を修正致しました。(MacDTV.comの編集後記 Mac. na Matata !!にて)

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この記事のタイトル: HDVカメラかAVCHDカメラか

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