MacDTV.com | Mac Proは AACS/COPP/HDCP ready !! | 2008.06.25初稿 2008.07.02改訂 |
Mac Pro (MA970J/A。2008年初頭から発売開始)は、ハードウェアレベルではBlu-ray Disc VideoのCMS諸技術(AACS, COPP, HDCP)に対応しています。このことから、将来、AACS, COPP, HDCPに対応したMac OS X、BD-Video再生ソフト(←DVDプレーヤーの後継ソフト)がリリースされれば、BDドライブを用意すれば、現行ハードウェア構成のままでMac上でBD-Video再生が可能になると、大いに期待できます。
Blu-ray Disc Video(やHD DVD-Video)では、DVD-Videoよりも厳格なCMS(コンテンツ管理システム)が採用されているため、このCMSに対応しない限り、Mac上でのBD-Videoの再生はできません。
パソコンでBD-Video再生を可能にするためには、AACS,
COPP, HDCPに対応している必要があります。
ご存じのとおり、現行Macのラインアップには、Blu-ray Discドライブを搭載しBD-Video再生を謳う製品はまだありません。その理由は、Mac
OS Xでは(Leopardであっても)AACS, COPP, HDCPに対応していないからですが、実は、現行Macでも、ハードウェアレベルではAACS,
COPP, HDCPへの準備が済んでいる機種もあります。例えば、今日ご紹介するMac Pro (MA970J/A。2008年初頭から発売開始)も、AACS/COPP/HDCP
ready !!です。
では、どうやって、AACS/COPP/HDCP ready !!であるかを確かめるか??。それには、Boot Camp下のWindowsで検証します。
つまり、すでに、WindowsはAACS/COPP/HDCP ready !!な訳ですね。Macユーザにとってはなんとも悩ましい限りですが。
Mac Pro (MA970J/A。2008年初頭から発売開始)
ビデオカード:Radeon HD 2600 XT(ATI社)
モニタ: DT-V24L1D(日本ビクター社) HDCP対応DVI搭載
Blu-ray Discドライブ BRD-UM4(アイオーデータ社) USB接続型外付けタイプ
Winodws XP Home Edition
BD-Video再生ソフト WinDVD 9 plus(インタービデオ社→コーレル社と統合予定)
BootCampで、Winodws XP Home Editionを起動します。
Blu-ray DiscドライブBRD-UM4をUSB接続します。DVD読み書きや、Blu-ray
DiscをデータBDとして使用する際には、標準のドライバのみでOKです。
BV Video再生のためには、再生ソフトWinDVD 9 plusをインストールする必要があります。
再起動後、BD-Videoを挿入し、WinDVD 9 plusを起動すると、モニタ上でBD-Videoが再生されます。
BD-Video上のデータは、パソコン内を経由してグラフィックカードから出力され、最終的にモニタへと送られる訳ですが、その途中の経路でデジタルデータをキャプチャーされる箇所を作ると、デジタルのまま複製し放題になってしまいます。
そうならないように、AACS, COPP, HDCPという3つの著作権保護技術で守られています。今回の実例を使って説明します。
Blu-ray DiscドライブBRD-UM4から、再生ソフト WinDVDへと、データはUSB・ローカルバス*)を流れてきます。この経路は、AACS ( Advanced Access Content System )により保護されています。
*) ロジックボード上の、PCIバス、PCI Expressバスなどの汎用バスを指します。
今回はUSB接続型外付けBDドライブの例でしたが、SATA接続の内蔵BDドライブの場合もありえます。この場合は、SATAとロジックボードのローカルバスがAACSで保護されます。
再生ソフト WinDVD上で、データは暗号を解かれ、MPEG-4 AVC/H.264またはMPEG-2で圧縮されていたビデオデータは伸張されます。そのあと、グラフィックカードへと送られるわけですが、この間、COPP ( Certified Output Protection Protocol )により保護されます。
グラフィックカードに届いたデータは、COPPを解かれます。その後、グラフィックカードからDVI-D接続(デジタル接続)でモニタに送られるわけですが、グラフィック→モニタ間は、HDCP ( High-bandwidth Digital Content Protection )により保護されます。
グラフィックカードは、HDCP対応DVI端子搭載のモニタ、あるいはHDMI端子内蔵のモニタに対してしか、HDビデオの再生を許可しません。HDCP非対応のモニタでは写りませんし、あるいは、アナログ接続(DIN Sub-15ピン等)のモニタに対しては、SDビデオ相当でしか再生を許しません。
現状、BDドライブを内蔵し、BD再生が可能なMacは発売されていません。
では、将来ですが...。そもそも「MacでBD-Videoが再生できます」と謳う新モデルのMacならば、なんの心配もありません。問題は、すでに所有しているMacでどうなのか。将来、BDドライブを外付け、あるいはDVDドライブと換装し、必要なソフトをインストールすれば、それでOKなのか。という点ですよね。
(これ以降の文章は、わたくしの個人的な予想に過ぎません)
例えば、今回のMac Proの他、MacBook Proも、"AACS/COPP/HDCP ready"、つまり、ハードウェアレベルではすでに対応しているんだそうです。
すなわち、こういう"AACS/COPP/HDCP ready"なMacの場合、
AACS, COPP, HDCPに対応したMac OS X(Snow Leopardまで待たなければいけない??)が登場し、
BD-Video再生ソフト(←DVDプレーヤーの後継ソフト。AACS, COPP対応)がリリースされれば、
現行ハードウェア構成のままでMac上BD-Video再生が可能になると、大いに期待できます。
注)今回のMac Pro環境では、モニタがHDCP対応だったので、Win上でのBD再生が無事に出来ました。Mac Pro + Apple Cinemaディスプレイ環境でお使いの方は、残念ながらHDCP対応のモニタに買い換える必要がありそうです。そのころには、HDCP対応の新Apple Cinemaディスプレイも発売される?!
ご自分のMacが、"AACS/COPP/HDCP
ready"であるかは、今回のようにBootCamp下でBD-Video再生できるかを確認するしかすべはないのでしょうが、Mac
ProやMacBook Pro系は大丈夫そうな期待をしちゃいますよねえ。両機種に共通しているのは、GPUが、ATI
Rageonや、NVIDIA GeForceであること。これらのGPUならばおそらくHDCPに対応しているはずです。
そういった意味からは、iMacでは期待を持てそうな気もします。一方、そういう点からは、Intel GMA GPUを搭載したMacBookやMac
miniはどうなんでしょ、という気も。一例でも報告があればもうちょっとはっきりしてくるんですけど。
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ready !!
この記事のタイトル: Mac Proは、AACS/COPP/HDCP ready !!
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