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あとがきにかえて
MacでDTVするということ
2000.01.31初稿
2004.11.18改訂
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取り留めのない内容に目を通して頂き、ありがとうございました。自分でいうのもなんですが、Mac de DTVな話題を欲張りなほど盛り込めた、と自負しております。

なによりも、このような盛りだくさんな話題を盛り込めたこと、また、MacでDTVを行う上でのつまづきがちな点、読者の方が欲している情報がなんなのか教えて下さったのは、実は、MacDTV.com(Macでお手軽ビデオ編集ホームページ)サイトの読者の方々なのです。この書籍を上梓するに当たり、読者のみなさんにお礼申し上げます。

また、本書に対するご意見、ご要望は、MacDTV.com(Macでお手軽ビデオ編集ホームページ)http://www.macdtv.comまでお寄せ下さい。

本書を終えるに当たって、MacでDTVをするということを考えてみたいと思います。

Mac以前にも、特にリニア編集システムについては、Amigaというすぐれたマシンが存在していましたが、ことノンリニア編集という意味でのDTVについては、ずっとMacの独壇場でした。これは、いうまでもなくQuickTimeの功績とですし、マルチメディアに強いMacの面目躍如たるところです。

ところが、最近では、Windowsベースの優れたDTVプロダクトも登場し、Mac de DTVな世界の優位性も、相対的に低下してきた印象は否定できません。ある意味で、低価格層のハードウェア、そしてハイエンドシステムに関しては、Windows製品に全く勝負になっていない、というシビアな見方もありえます。

では、Mac de DTVな世界の現時点でのアドバンテージは、どこにあるのかというと、それはソフトウェアにある、とお答えしましょう。
Windows製品の特徴は、製品選択の幅も広く、競争も激しいだけに確かにコストパフォーマンスも高いですが、それが災いして、製品間の相互運用といった視点はほとんどないように見受けられます。また、個別の製品に依存する単機能には特化しているが、さまざまな用途に転用しようとすると、とたんに融通の利かないことに気付かされます。

本書で一貫して述べてきたとおり、Mac de DTVの世界を支えているのはQuickTimeというソフトウェア技術なのです。そしてそのおかげで、どのようなハードウェア製品やソフトウェア製品を使おうと同じような操作性で使いこなすことが出来る習熟性のよさ、個別の製品に閉じることなく異なるプロダクト間でのデータの相互運用性のたかさ、さまざまな用途に作品を転用できる自由度の高さ、などが確保されているのです。

すなわち、これらは、「ハードウェアとソフトウェアが統合された」Macintoshというプロダクトの優位性にほかなりません。

さきほど、Mac de DTVな世界の現時点でのアドバンテージはソフトウェアにある、とお答えしました。これと関連して、最近のAppleのDTV戦略を見ていると、ある未来が想像されます。それは、通信と放送の垣根の取れた世界です。

ある意味で、これまでのDTVといえば、狭い意味でのテープ書き出しでした。この狭い意味でのDTVを突き詰めてゆくと、リアルタイム処理、非圧縮という高画質追求路線しか将来はありません。それはそれで業務・プロ用途では将来もニーズがあり続けるに違いありませんが、市場規模という点では今後延びるとも思えません。

いま、DTVはある種の脱皮をはかろうとしています。広くマルチメディア用途に想定すると、DTVの定義は驚くほど拡張されます。アマチュアにとっても作品を世界に発信できるようになる、つまり、誰もが放送局になれる、そんな世界が近い将来くるのです。その時に、キャプチャーからムービー編集、書き出し、ストリーム発信まですべてまかなうことの出来るQuickTimeの優位性はいうまでもありません。

近いうちに、DTVに関して、このようなパラダイムシフトが起こるはずです。いや、Apple社の戦略は、このパラダイムシフトを積極的に起こそうとしていると思われます。そのときに、Mac de DTVのアドバンテージは、常にQuickTimeとともにあることでしょう。

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