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2002.08.14 新PowerMac G4登場(Mirrored Drive Doors)

アップル社がPower Mac G4 (Mirrored Drive Doors)発表しました。
Xserveのアーキテクチャーから予想どおりの順当な進化といえます。気になる点を書きます。

● システムバス:メモリにDDR SD-RAMを使用したことで、メモリバスが倍速化。

最下位機種(867MHz)は、システムバスクロックが133MHzなのでシステムバス(CPU-システムコントローラ間)、メモリバス(システムコントローラ-メモリ間)のスループットは2.1GB/s(133MHzの2倍速)となります。PC2100規格のいわゆるDDR266のDDR SD-RAMを使用。
上位2機種(1GHzと1.25GHzモデル)は、PC2700規格のいわゆるDDR333のDDR SD-RAMを使用、システムバスクロックが167MHzになります。ここは、XServeからの予想を覆し、うれしい誤算となりました。システムバスやメモリバスのスループットは2.7GB/sとなります。

旧PowerMac G4では1GB/sなので、倍以上の向上ですね。

PCと比較すると、さほど進んでいる訳ではありません。
まず、システムバス(CPU-システムコントローラ間)については、Pentium 4 (2.4, 2.53GHz)では533MHzに達しています(なお、このバスのことをFSB(フロントサイドバスと称しています)。FSB533とはこのこと)
また、メモリバスに関しても、DDR400やDDR-IIといった規格のものが年内には登場するはずです。ですから、遅れてはいない(たしかにPCに追いついたことは確か)が、進んでいるわけでもない、という評価が妥当でしょうか。

● ストレージ周り

ATAは、ATA100とATA66の2バス構成。純正HDDはATA100に、SuperDriveやCombpDriveはATA66に繋がっています。この辺、どうも練り込みが間に合わなかったと思われる点です。
Xserveの場合、システムコントローラの下にRAIDコントローラをぶら下げて、そこからATA100を2バスを出してます。RAIDの性能も発揮できるでしょう。
でも、PowerMac G4(Mirrored Drive Doors)の場合、なんだかすっきりしませんね。例えば、ATA66側は、システムコントローラではなく低速IOコントローラ(KeyLargoの後継??)にぶら下げてあるのかもしれません。たぶん、ATA100とATA66の2バスでMac OS XのソフトウェアRAIDを掛けるよりも、ATA RAIDカードを利用した方がパフォーマンスが上がりそうです。

HDD収納スペースについては、4台まで。位置については、旧PowerMacでいうと
・純正HDDの位置の奥に縦置きで2台まで収納(ATA100側。ケーブルがすでに来ているのでもう一台の増設は容易)、
・5インチ空きベイ(旧PowerMacでは、3.5インチの空きベイでしたが...)の下に2台まで収納(ケーブルは来ていないので、ATAカードの装着が必要。でも、PCIカードが上方なのでATAカードからのケーブルの取り回しが大変そう)

旧PowerMacのように、無理矢理6台設置というのはスペース的に不可能のようです。(もちろん、電源容量の点で6台同時使用は無理でしたが、6台設置していて必要な4台だけに電源を入れる、というのはDTVには便利でした。

● I/Oまわり

IEEE1394b FireWire(800Mbps)の搭載は間に合いませんでした。このため(政治的な??)あおりをうけてUSB2(480Mbps)も非搭載のまま。

こうしてみますと、今後に向け改良の余地があるのは、
(a) ATAまわり システムコントローラにATA100(かATA133、はたまたシリアルATA) を2バス制御させる。
(b) IEEE1394bとUSB2搭載
(c) PowerPC G4のクロック周波数向上と、システムバスの高速化(←PowerPC G4側の問題)
といった辺りで、今のところボトルネックなのは(c)です。特に、システムバスの倍速化や高帯域化が待たれます(が、PowerPC G4側の問題だからなあ)。

とはいえ、アーキテクチャーが一新されたことに間違いはなく、((a) と(b) は来年1月のMacworld Expo LA登場の新機種??で解決が期待できそうなくらいで)今後しばらくはマイナーチェンジしかないでしょう。

ということで、買い。わたしも早速予約を入れました、PowerMac G4(Mirrored Drive Doors)1.25GHz(笑)。

   

   

   

   

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