Appleが、Final
Cut Serverの出荷を発表しました。
国内出荷については、時期・価格とも未定ですが、USでの値付けが10クライアントライセンス版で$999-、Unlimited
クライアント版で$1,999-なので、おそらく、10万円強、20万円強の価格設定になると思われます。
Final
Cut Serverは、昨年4月のNAB 2007で発表されていました(MacDTV.Newsの記事[ 2007.04.16 Final
Cut Server、発表 ])が、1年を経て、ついに登場です。
おそらくは、2006年12月にAppleが買収したProximity社のArtboxがベースだと思われるのですが(MacDTV.Newsの記事[ 2006.12.05 Apple、Proximity社を買収 ])、この1年間でどれくらい進化したのでしょうか。
Final
Cut Serverは、所有しているすべてのデジタルアセット(資産の意)を管理するためのツールで、
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様々なストレージ内(ローカルドライブや、LAN(ファイルサーバ)やSAN上のボリューム等)をスキャンして、
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様々なファイル(ビデオ・オーディオクリップ、Final Cut Studioプロジェクトファイル、提案書、予算、プロジェクトプラン、スクリプト、ストーリーボード、撮影リスト等)を探し出し、カタログ化することで、
カタログ化の際、元のデータ(例えばムービーファイルそのもの)をコピーするわけではなく、メタデータのみ取り込む。
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簡単にプレビュー・アクセスしたり、検索したり、版管理・作業進捗管理を容易にする、
というのが基本機能。
いわば、ビデオ用途向けSpotlight(メタデータのデータベース)とでもいうべきものです。
こういったデータベースを持つと、他にも、
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複数のユーザによる協同作業(コラボレーション)
例えば、ユーザAさんが編集終了したら、字幕担当のユーザBさんへ連絡
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ワークフローの自動化
ワークフロー自動化ツール(Automatorのようなもの)が付属。例えば、進捗管理機能で、ステイタスを「ステップ
3終了」と変更すると「ステップ4」が自動実行される、等。
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様々なフォーマットでの書き出し(Complessor 3が付属)等
例えば、TV放映向けと同時に、Web発信/PodCast向けムービーの書き出しも自動実行、等。
といった使い方にも威力を発揮できるようになる、という案配です。
...といったところは、Final
Cut Serverページを読んだらなんとかイメージはできましたが、具体的にどうやるのか、想像が出来ません。Apple USのFinal
Cut Serverページの左中ほど、Final Cut Server in depth download
PDFコーナー欄からダウンロードできるFinal_Cut_Server_Product_Overview.pdf(英語)を読むと、やっとこさ、全容と詳細が理解できました。プレスリリース中に触れられているRadical
Media社の事例についても、p.34 Workflow Exampleで紹介されていますので、興味のある方は覗いてみてはいかがでしょう。
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