松下電器産業社とソニー社が、HDデジタルビデオカメラ規格
AVCHDを発表しました。
これは、既存の8cmDVDディスクを用いてHDビデオを録画再生するための新規格で、1080/60i(1920×1080、1440×1080)や720/60p(1280×720)などのHDビデオをMPEG-4
AVC/H.264で圧縮(オーディオはAC-3)することで、総ビットレート18Mbps以内に抑えています。
8cmDVDの容量は、2.8GB(片面1.4GB×2)なので、最高ビットレート18Mbpsの設定の場合、約20分間収録できます。20分しか収録できない、というべきか。もちろん、ビットレート12Mbpsへと2/3に落とせば収録時間は3/2倍の30分に延びる、といったように、ビットレート(="画質")と収録時間は反比例の関係にあります。
では、どれくらいのビットレートなら、どれくらいの画質が期待できるか、というと。MacDTV.comとしては、
1080/60i(1440×1080サイズ)の場合、12MbpsのAVCHD
と、HDV 1080/60i(ちなみに25Mbps)ならば、同じくらいの"画質"、 (細かい算段は、別途Macu.na
Matata!!でご紹介します)
と、大胆にも予想します。
となると、「HDV並の画質で、8cmDVD両面で30分間収録」といったところでしょうか。商品としてはちと物足りない(世間的には、なんといっても収録時間短すぎ!!)感は否めないけど、技術的にみるとなかなかうまいセン(現状の最適解)にまとめているなあ、とも思います。
とはいえ、このままでは、やっぱりいまひとつ...。
では、将来もいまひとつか、というとそうではなく、大いに期待したいところです。
AVCHDは、あくまで「既存の8cmDVDディスクにHDビデオを録画再生するための規格」ですが、だからといって、他のメディアの使用を否定しているわけではなく、
● 例えば、松下電器産業社自身、[ デジタルビデオカメラ規格「AVCHD規格」に基づいて、HD映像をSDメモリーカードに記録するための技術開発を開始 ]というアナウンスを出して、SDメモリカードでの使用を予定しているようです。メモリカードも、今や2GBも当たり前になったので、両面2.8GBの8cmDVDを容量面で追いつく日も近いでしょう。
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あるいは、次世代DVD-Video(Blu-ray DiscビデオやHD DVD-Videoのこと)がテイクオフすれば、容量の点も解決します。 まあ、容量の点だけならば(=アーカイブ性を無視すれば)現状でもHDDに収録すれば解決するのですが。
● あるいは、現状のHDVテープ(25Mbpsで63分)を使えば、最高ビットレート18Mbpsの(HDVよりも高画質な)最高画質で充分な時間を収録できます。こうなれば、ハイエンド用途での活用が可能です。
このように、8cmDVDの小容量ささえ解決すれば、将来的には、AVCHDにはいろんな面で期待が持てそうです。
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