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MPEG、GOP... |
2001.05.11初稿
2004.04.25改訂 |
MPEGならではの用語、GOP、Iフレーム、Pフレーム、Bフレームについて解説します。
GOPとIフレーム、Pフレーム、Bフレーム
MPEGは、空間型圧縮、と時間型圧縮双方を利用した非可逆圧縮です。各フレームが独立しているわけではなく、GOP(Group of Picture)という固まり単位で圧縮・伸長が行われます。
GOPは、Iフレーム、Pフレーム、Bフレームから構成されています。
Iフレーム(Intra Picture)
基準になるフレームです、このフレームについては、空間型圧縮のみを行います。これは、8×8ピクセルを単位としたDCT(離散コサイン変換)がベースになっており、これは、M-JPEGやDVと同様です。Pフレームでは、フレーム内圧縮のみしか行わないため、このフレームにおいては、圧縮率は低い(データ量が多い)ことになります。
Pフレーム(Predictive Picture)
フレーム内圧縮の他に、時間軸順方向のみの予測を取り入れ、Iフレームとの差異を元にした時間型(フレーム間)圧縮を採用しています。結果として、フレーム内情報とその前のIフレームand/orPフレームの情報をから復元されます。これにより、Iフレームに比べるとPフレームでは圧縮率は高くなり(データ量は削減され)ます。
Bフレーム(Bidirectionally Predictive Picture)
フレーム内圧縮の他に、前後フレームとの差異を利用した双方向予測的圧縮を採用します。したがって、Bフレームは、さらにiフレームよりも圧縮率は高くなります。
さて、GOP値は、画質の性質、データレートに関係します。また、カット編集のやりやすさにも関係します。
画質
DVD-Video用MPEG2の場合、GOPは、IBBPBBPBBPBBPBB、のように、15フレーム単位、Pフレーム距離は3、になっていることが一般的です。画質をあげるためには、Bフレームを少なくすればよいですからIBPBPBPBPBPBPBPB、さらにはIPPPPPPPPPPPPPP、究極的にはIIIIIIIIIIIIIII(これだとフレーム内圧縮だけですから、M-JPEGと同じ)といったやり方を採ることもできます(当然、逆にデータ量は増加します)。
カット編集のやりやすさ
基本的にMPEGのトリミング、カット編集は、GOP単位となります。DVのようなフレーム単位の編集は、MPEGでは技術的に困難なのです。
たとえば、Captyに付属のソフトPixeDV for Macでは、MPEG-1のカット編集は6フレーム単位、MPEG-2の場合は15フレーム単位、と明記されていますが、これは、GOP単位でしかカット編集することが難しい、という技術上の理由から来ています。なお、DVD-Video用のMPEG-2の場合、GOPは15フレームごととが一般的のようです。
QuickTime PlayerもMPEG-1には対応していますが、これも、GOP単位でしかカットできません。
そうした意味から、MPEGは、基本的には、キャプチャーや編集用のフォーマットではなく、書き出し用のフォーマットです。キャプチャー・編集時は、DVのようなフレーム内Codecを利用し、作品が完成したらMPEG書き出しする、というのが、もっとも快適なやり方です。
トリックプレーにおける再生方法
GOP単位でハンドリングするMPEGでは、早送りや早戻しといったいわゆるトリックプレーは苦手です。トリックプレーの際に、Bフレームまで復元して再生表示することが難しいからです。そこで、早送りの際には、
IBBPBBPBBPBBPBBIBBPBBPBBPBBPBBIB・・・
ではなく、
I→→P→→P→→P→→P→→I→→P→→P→→P→→P→→I→・・・
とBフレームを飛ばして再生します。
早戻しの際には、
I←←←←←←←←←←←←←←I←←←←←←←←←←←←←←I←・・・
とIフレームのみを再生することで、擬似的にトリッププレイを実現しています。
MPEGの画質を決める要因
こういったことを考えると、IフレームやPフレームが多いほど、高画質になりますが、その分データレートは上がります。例えば、Iフレームのみの場合が、DVやM-JPEGといった空間圧縮Codecに相当します。
Bフレームを多用すると、データレートの削減は可能です。ですが、もし、前後のフレームでの相関が低い(激しい変化をする映像、手ぶれ(笑)が多すぎる映像、フラッシュが炊かれた映像)場合、画質はめろめろになります。そのため、Pフレームを入れてやらなくてはなりません。
こんなことを考えると、MPEGは、例えば、
モーショングラフィックには向きません。これは、動きがあるので、時間型圧縮には不向きだからです。
CGもあまり向きません。というのは、エッジのにじみが目立ってしまいかねないからです。
結局のところ、自然画向き、しかも、手ぶれ・無意味なパンニング・ズーミングをさけた自然画向き、と言えます。
MPEGだからなんとなくハイテクそうだからなにがなんでも高画質、とはいかないのです。
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