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MPEG→QTムービー書き出し
2000.05.23初稿
2004.09.25改訂
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Q. MPEGファイルをQuickTime Player(Pro)で読み込んで、QuickTimeムービーに書き出したいのですが、ビデオデータだけが書き出され、オーディオデータが書き出されていません。

A.1 残念ながら、仕様です。

本記事で使用する図版は、Mac OS 9でのスクリーンショットですが、Mac OS X環境においても同様です。

QuickTimeはMPEGデータを扱うことはできます。できますが、MPEGデータを編集するときには、(MPEG自体が元々「編集しにくい」という性質をもっているため)、かなり不自由を強いられます。

QuickTimeムービーでは、通常、ビデオ(動画、静止画)のデータは[ビデオトラック]、音声やサウンドの情報は[オーディオトラック]に収納されます。
ところが、MPEGデータの場合は、[MPEGトラック]という専用のトラックを用意することで、MPEGデータを扱える仕組みになっています。こんな仕組みにせざるを得ないのは、MPEGデータ編集の自由度の低さに原因があります。

MPEGデータファイルには、ビデオデータのみのMPEGデータの場合と、ビデオ+オーディオの両方を含むMPEGデータの場合があります。

ビデオ+オーディオの両方を含むMPEGデータは、Multiplex化(Muxed)されたMPEGと呼ばれます。

Muxed MPEGは、QuickTime Player上では、ビデオもオーディオも再生することは、もちろん可能です。でも、これを編集しようとすると簡単なカット編集くらいが関の山で、また、QuickTimeムービーに書き出し(Export)する際にはビデオデータしか書き出しができません。

通常のムービーを、QuickTimeムービーに書き出す際には、オーディオへの書き出しも選択肢に現れる。

MPEGデータを書き出しするときには、ビデオ(動画、静止画)しか選択肢に現れない。

こうして、書き出し実行して生成されたQuickTimeムービーには、[オーディオトラック]は含まれず、[ビデオトラック]しか入っていません。

繰り返しますが、これは、MPEG編集の不自由さに由来するQuickTime上の仕様なので、QuickTime対応アプリケーションを使う場合には、同様の状況に陥ります。例えば、プロ用ムービー圧縮ソフトであるcleanerでさえも、MPEGデータをQuickTimeムービーに書き出すと、オーディオデータは失われてしまいます。

A.2 ある種のツール*を使うと、できます。

*) ここで挙げた「ある種」のツールに関しては、法を巡る諸事情があり、MacDTV.comではご紹介致しません。

ビデオ、オーディオ情報、両方を含むMPEGデータ(=Muxed MPEG)を、MPEGビデオ(例えば、.mpvファイル)とMPEGオーディオ(例えば、.mpaファイル)に分離(demuxed)します。

MPEGビデオは、QuickTime書き出し機能を使って、QuickTimeムービービデオトラックに変換します。

MPEGオーディオは、AIFFに変換します。そして、先ほどのQuickTimeムービー(ビデオトラックのみ)に、「追加」します(optionキーを押しながら[編集]メニューの[追加]を選択)

これで、完了です。

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